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腕時計の100m防水と10気圧防水(10Bar防水)は同じとも違うとも言える。

前回、海外モデルの時計を買いましたという記事を書きましたが、その時計の文字盤には“100M”と書いてあるけど、裏蓋には“Water resistant 10 BAR(10気圧防水)” と書いてあります。

 

ということは、10気圧防水も100M防水も同じということになります。

一方、インターネットで調べてみると、「100m防水と10気圧防水は違う」と書いてあるページが多数あります。
ん? これは矛盾していますね。
一体どういうことなのでしょう?
ということで、調べてみました。

※水深100mは10気圧(約1 MPa)に相当します。

*

結論から言うと、日本と海外の“防水”という言葉の違いによって変わってきます。

Water resistant 10 BAR(日本でいう10気圧防水)Diver’s 100M(日本でいう100m防水)とでは意味も性能も異なります。

でも、Water resistant 100M(海外でいう100m防水)Water resistant 10 BAR(日本でいう10気圧防水)と では意味も性能も同じです。

さらに、日本でいう100m防水(Diver’s 100M)は海外では100m潜水防水(海外でもDiver’s 100M)で意味も性能も同じです。

日本ではDiver’s 100M(ダイバー100m)を「100m防水」と言うので話がややこしくなっているので、以下に詳しく説明したいと思います。

*

まず、防水時計の種類としては、潜水用携帯時計(以下、ダイバーズウォッチ)一般用防水携帯時計(以下、防水ウォッチ)に分類されます。

もっと、細かく言えば、ダイバーズウォッチの中でも1種(空気潜水用)と2種(飽和潜水用)、防水ウォッチの中でも1種(日常生活用防水)と2種(気圧防水;日常生活用強化防水)があります。

そして、それぞれの防水性能については日本工業規格(JIS規格)によって規定されています。

この2種類の時計のそれぞれの規格の試験内容を次の表に示しました。

Table 1. 日本の防水腕時計の品質規格と試験項目

JISの中身はこちらから検索して見る事が出来ます。→ http://www.jisc.go.jp/app/JPS/JPSO0020.html

ダイバーズウォッチの規格(JIS B7023)では、防水表示の125%の圧力(1.25倍の圧力:100m防水表示なら100m(10気圧)×1.25=12.5気圧)を用いて加圧防水性試験などを行います。

それに対して、防水ウォッチの規格(JIS B7021)では、防水表示そのままの圧力(10気圧防水表示なら10気圧)を用いて試験を行います。

また、ダイバーズウォッチのほうは防水ウォッチよりもいろいろと過酷な試験が行われています。
そして、 JIS規格の防水性能の表記では、ダイバーズウォッチは“Diver’s X00 m”、防水ウォッチは、”Water resistant XX bar”と表示する、ということになっています。

←KenUのダイバーズウォッチ(SKA427P2)

ですから、日本の時計については、100m防水というのはダイバーズウォッチしかありえず、10気圧防水というのは防水ウォッチしかありえないので、「100m防水と10気圧防水とでは防水性能が違う。」ということになります。

では海外の時計も含めるとどうでしょう?

海外ではダイバーズウォッチと防水ウォッチの国際規格(ISO)があり、それぞれISO6425とISO2281(2010年にISO22810に改訂)で規定されています。
http://en.wikipedia.org/wiki/Water_Resistant_mark ← 参照リンク(“ Warter Resistant Mark ” Wikipediaより)

ダイバーズウォッチの国際規格(ISO6425)では、JIS B7023規格と同じく防水表示の125%の圧力で試験を行います。

防水ウォッチの国際規格(ISO22810)では、JIS B7021と同じく防水表示と同じ圧力で試験を行います。
※jisがisoに改正を提案した経緯あり 1)

でも、防水性能表記の仕方に違いがあります。
海外のダイバーズウォッチは“Diver’s X00 m”と表記するのはJIS規格と同じですが、海外の防水ウォッチは、”Water resistant X00 m”と表記するのでJISの”bar(気圧)表示”とは異なります。

さて、もうおわかりでしょうか?

分かりやすいように一覧表にまとめてみました。

Table 2. 防水腕時計の国際規格と分類表示および適合(表をクリックすると拡大表示できます。)
防水性評価と種類
※参考:ウィキペディア「Water Resistant Mark」のページより

「海外の防水ウォッチのWater resistant 100m(100m防水)と日本の防水ウォッチのWater resistant 10bar(10気圧防水)は、意味も防水性能も同じ。」なのです。

ということで、タイトルの「腕時計の100m防水と10気圧防水(10Bar防水)は同じとも違うとも言える。」というのは、日本だけを見た場合と海外も含めて見た場合とで見方が変わるということだったのです。

そして、KenUが購入した時計は、時計自身は海外モデルなので文字盤には100Mと表示され、ムーブメントは日本製なので裏蓋には10気圧防水と表示されていたという訳です。

日本では“Diver’s X00 m”を「X00 m防水」って言うからややこしくなるので、“X00 m ダイバー”とか“X00 m 潜水防水”と呼ぶようにしたらよいのでは?と思います。 ※Amazonでは潜水防水という言葉を使用しています。

*

以下、余談ですが・・・

今まで知らなかったけど、10気圧防水の防水ウォッチで水泳やシュノーケリング(素潜り)をしても大丈夫なのですね^^。2)

http://www.jcwa.or.jp/knowledge/qa/qa15.html ← 参照リンク(一般社団法人 日本時計協会のホームページより)

そういえば実際、トライアスロンやアイアンマンレースではダイバーズ時計ではなく10気圧~20気圧防水の時計を着用していますよね?

10気圧防水 TIMEX 腕時計 アイアンマン トライアスロン 50ラップ T5K220
←Amazon

プールにも入れるということになりますが、安全上、時計をつけたままでのプールへの入水はプール運営・施設側の方針で禁止されているところがほとんどだと思います。

*

それから、
Diver’s X00 mのダイバーウォッチはX00 mまで潜れるの?
という質問は意味がありません。

というのは、レクリエーショナルスキューバダイビングにおける潜水限界は最大で40メートル程度ですし、ダイバーの動水圧(水中活動・動きによって受ける圧力)は0.5気圧にも満たない(wikipediaより)と計算されるので、水深水圧と合わせても5気圧以上かかることは無いと計算できます。
スクーバダイビング ← 参照リンク(ウィキペディアより)

そして、何mであろうとダイバーズウォッチはスクーバダイビング(空気潜水)に使用可能となっています(2種の飽和潜水用は別)。

こんな記事を見つけました↓
いつも危険と隣り合わせ、潜水士が挑む海中の世界 ←朝日新聞DIGITALより

ダイバーズウォッチの潜水の実例としては、 SEIKOのJIS B7023(=ISO6425)規格のDiver’s 600m潜水防水ダイバーズウォッチを潜水艦に固定して潜水させて1062mの水圧に耐えたそうです。⇒ http://www.seiko-watch.co.jp/psx/concept/special/deepsea.php

潜水艦の潜航速度や旋回運動などの動きによる水圧も加わっているはずなので、かなり凄い性能と言えるでしょう。

*

同様に、
10気圧防水時計は何メートルまで潜れるの?
という質問も意味がありません。

10気圧~20気圧防水時計は、素潜り(シュノーケリング)はOKですがスクーバダイビングには使用できませんとなっています。
なので、時計よりも、あなたは素潜りで何m潜れるの?という話しです。
100mも潜れないでしょ?(笑

*

最後に・・・

海外の時計にはISO表示に従わない例外がたくさんあって、正確な事が分かりにくい時計もたくさんあります。

例えば、ORISのダイビングウォッチの文字盤には”1000m/3330ft”と印字されていますが、ISO2281という印字もあり、よって1000m潜水防水ではなく100気圧防水です。ISO FRANE DIVE WATCH FORUM ←参照リンク

また、ルミノックス(LUMINOX)のネイビーシールズ ダイブウォッチ(Navy Seals DIVE WATCH)の文字盤には”200 METER”と印字されていますが、裏蓋には”WATER RESISTANT 200 METERS”と刻印されISO2281なので20気圧防水ですし、ディープダイブオートマティック1500シリーズ(DEEP DIVE AUTOMATIC 1500SERIES)の文字盤には”PROFESSIONAL 500 METERS”の印字、裏蓋には”CERTIFIED DIVER WATCH 500M”の刻印がありますがISO6425規格なので500m潜水防水です。

OMEGAの文字盤には”600m/2000ft”というような印字がされ、裏蓋には刻印がなかったり”150m/500ft”というような刻印だけだったりします。でもOMEGAはwater resistant 200m以上でスクーバダイビング可能としています。OMEGA防水性チャートPDF

SWISSの時計メーカーはISO規格表示に従わない例が多い?

*

参考文献:
1) 日本時計国際規格委員会、「国際規格ISO2281第2版:時計-防水ウォッチについて」、日本時計学会誌No.112(1985)

************** 関連記事 **************

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  1. 2013-05-0711:41

    一般防水腕時計の国際規格ISO2218:1990はISO22810:2010に改訂されています。
    日本工業規格JIS B7021:1989はJIS B7021:2013に改訂されています。
    JIS B7021:2013の中の「付属書JB(参考)JISと対応国際規格との対比表」にISO22810:2010との差異が示されており、試験方法等に「技術的差異はない」としています。
    興味のある方は、本ブログ本文中のJISリンクから規格を参照下さい。

  2. 高橋 宏美
    2015-07-0322:20

    waterresistant 30m〜100ffとあります。
    がどこまで大丈夫なのか、分かりません。教えて頂ければ幸いです。
    よろしくお願いします。

  3. 高橋 宏美
    2015-07-0323:30

    ははは、スミマセ〜ん。日常生活防水ですね。分かりました。ありがとうございました。

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