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アレニウス式加速試験40℃~60℃は25℃の何ヶ月かExcelで計算

以前、腕時計の防水パッキンの劣化についてアレニウス式で説明しました。

その時の例として、次に示したホームページから医薬品と同じ活性化エネルギーとしました。
製剤機械技術学会 Q&Aコーナー→ 2.9 「医薬品の安定性予測のための加速試験は40℃/75%RHで行われますが、40/75%RH/6M で起こる薬物の含量低下を短期間で予測するため、60℃/75%RHに温度を上げた(湿 度 はそのまま)としたら何日で40℃/75%RH/6Mと同等の含量低下を起こすことができるでしょうか?薬物の分解は温度依存的にアレニウス式に従うものとします」(←参照リンク)

それで、せっかく記事のためにお勉強したので、もう少し突っ込んで、温度を変えた時にそれぞれ何℃の時の何か月に相当するのか、Excelと具体的な数値を使った計算の仕方をあらためて書いてみることにしました。

*

まず、

アレニウス式 : k=A exp (- E / RT )
[ k:反応速度定数 A:頻度因子 E:活性化エネルギー R:気体定数 T:温度 ]

気体乗数 [ R ] は、ググるとすぐにわかります。 8.3144621 JK^(-1)mol^(-1)

温度 [ T ] は、絶対温度K(ケルビン)を用います。 絶対零度が -273 ℃ なので 0 ℃ = 273K

活性化エネルギー [ E ] は、ものによって変わります。 医薬品の安定性試験では「吉岡澄江、医薬品の安定性、p.142, 1995、南江堂」より ” E = 22.1 kcal/mol ” が用いられています。 1kcal = 4184 J なので、kcal を J (ジュール)に変換して、E = 92466.4 J/mol

下に使用する数値を一覧表にしました。

アレニウス式変数

それで、40℃( T40 ) の時と 25℃( T25 ) の時の反応速度定数の比 ( k40/k25 ) を求めます。

エクセルにちゃちゃと下記式を入力して計算しました。

k40/k25=Exp(E/R*(1/(T25)-1/(T40))) なので、Excelに入力する式は、

= exp(92466.4/8.3144621*(1/(25+273)-1/(40+273)))

= 5.98 (倍)

ということで、医薬品の活性化エネルギー E = 92466.4  J/mol の場合、40℃の反応速度定数は25℃の6倍なので、加速試験40℃6箇月は25℃3年(36ヶ月)に相当すると見ているということになります。

50℃、60℃も同様に計算すると、

k50/k25=Exp(E/R*(1/(T25)-1/(T50))) = 17.97 (倍)

k60/k25=Exp(E/R*(1/(T25)-1/(T60))) = 50.52 (倍)

T℃、Mヶ月が、25℃何か月に相当するのかグラフにすると、

アレニウス式25℃何ヶ月相当

だいたい、10℃温度が上昇すると分解速度が3倍になる” 10℃3倍則 ” になっているのがわかります。

「3倍返しだっ!」by半沢直樹 みたいな感じで覚えたら良いかも?(笑

じゃあ、40℃の試験を60℃で行う場合は?

k60/k40=Exp(E/R*(1/(T40)-1/(T60)))= 8.45(倍)

40℃6ヶ月の試験を60℃で行う場合には、6/8.45 = 0.71ヶ月 ( 22日 ) になります。

Eの数値を、試験するものによって色々と変化させてみると良いと思います。

*

それから、薬物の1次の分解反応は、

A = Exp(-kt)A0 ・・・・・(1)
[ A : t時間後の残存量、A0 : 初期薬物量、k : 反応速度定数 ]

微生物の比増殖速度を求める式と同じです。

X = Exp(μt)X0
[ X : t時間後の菌体濃度、X0 : 初期菌体濃度、μ(ミュー): 比増殖速度 ]

例えば、温度40℃、6ヶ月で薬物残存率が100%から10%まで減少したとすると、

分解速度定数 k40 は(1)式を変形して、

-k40 = Ln(A/A0)*1/t ・・・・・(2)

= Ln(10/100)*1/6

= -0.38376

k40 = -1*-0.38376 = 0.38376

(1)式にk40を代入して、tを変化させて計算してグラフを書くと・・・

アレニウス分解曲線

対数表示にすると・・・

アレニウス分解曲線 対数

となります。

*

活性化エネルギー [ E ]の数値がわからないので、実験的に25℃の寿命予測する場合は・・・

例えば、40℃3ヶ月、50℃2ヶ月、60℃1ヶ月の保存試験を行い経時変化データをとります。

仮想加速試験データ

そして、t日(5行目)で薬剤残存量がA0(3行目)からA(4行目)に変化した時の反応速度定数[ k ] (9行目)を求めます(下図エクセルD,E,F列)。 それから、1/T(7行目)とLn k(10行目)を求めてアレニウスプロットします。

エクセル計算式
アレニウスプロットの計算式

エクセル計算結果
アレニウスプロットの計算結果

アレニウスプロット(横軸1/T、縦軸Ln k としてグラフを描かせます。)
アレニウスプロット
次に、エクセルの ” 近似曲線の追加 ” で線形近似の数式と切片を表示します。 この数式に、上図エクセルG列のように25℃の1/Tを代入して25℃の反応速度定数[ k ] を求めます。

k が求まれば、A = Exp(-kt)A0 で、t 時間後の推定値を計算することができて、寿命予測できます。

25度の寿命予測

*

KenUは、いまだにMicrosoft Office 2000 の Excel 2000 を使用しています。

Excelをもっていない人は、無料のオフィスソフト ” Open Office ” (←参照リンク)を使っても良いと思います。KenUのPCにもインストールしています。

Excel 2010 で作成された拡張子が xlsx のファイルを Open Office の Calc で開いて、Excel 2000 の xls 形式のファイルに保存して Excel 2000 でスプレッドシートやグラフを編集するといった使い方もしています。

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