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頭囲によるバイクヘルメットサイズの選び方に物申す?

さて、前回 ”ストーマでも大型自動二輪ライダーになりたいっ!” という記事を書き、その中で、「ネットでヘルメットを購入したけれども、かぶってみたら少しきつかった」ということを書きました。

“失敗しないヘルメットの選び方” や “正しいヘルメットの選び方” など親切なサイトがあるのですが、今回はそれらに対抗して、KenU独自のヘルメットの選び方理論を展開したいと思います(笑。

*

まず、経緯を簡単に述べます。

現在、一般的に紹介されているバイクヘルメットのサイズの選び方は、一つの目安として頭の周囲の一番広いところ(頭囲)を測定して決めるという内容ですが、そう言われていても結論としては、”試着して選びましょう” となっています。

それを見て「近くにバイク用品店がなくて、試着できないから、手軽にネットで購入したいからサイト検索してきたのに・・・」と思われている方が多いのではないかと思います。

確かに、頭の形状は個人差があるので頭囲だけでサイズを決めるのは難しいと思われます。 でも、KenUは試着なしで、頭囲を頼りにいちかばちかでAmazonから購入してみたわけです。

Arai Quantum-J Loop 55-56

Arai Quantum-J Loop 55-56

アライ(Arai)のヘルメットのサイズ表では、頭囲55~56cmがSサイズ、頭囲57~58cmがMサイズ、頭囲59~60cmがLサイズということになっています。

頭囲をメジャーで緩めに測定したところ、56cm弱でした。

最初はMサイズにしようと思ったのですが、ゆるいと安全上問題がありそうだし、かといってSサイズではぴったりすぎてきつそうだし、56~57cmというのがあればよいのになあと思いつつ、かなり悩みました。

思い切ってSサイズを購入した結果、ピッタリすぎてややきつかったです。

そんな経験が、独自のサイズ選びの方法を考える動機になりました。

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はい、前置きが長くなりましたが、いよいよ本題にはいります。

その前に注意事項として、他のサイトと同様、KenUも責任とれませんので試着して購入してくださいね(笑

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まず、”日本人頭部寸法データベース2001” (←参照リンク)から頭の幅の長さ(頭幅)、頭の奥行の長さ(頭長)及び頭の周囲の長さ(頭囲)を調べました。

老若男女の総平均を計算したところ、頭幅156.1mm、頭長183.8mm、頭囲561.2mmでした(表1)。

表1 日本人頭部寸法平均値

表1 日本人頭部寸法平均値

そして、頭幅と頭長との比率が0.85で、この値は老若男女でほぼ同じくらいなので、平均的な日本人の頭部形状の比率と考えて良いかも知れません。

Araiのヘルメットがこの比率に基づいて設計・製造されているかどうかはわかりませんが、もし、この比率を基準にヘルメットが製造されているとしたら、この比率からずれた頭部寸法の持ち主が、頭囲基準でヘルメットを選んだ場合には、幅方向にきついとか、前後方向にきついといったことがあり得ると思われます。

そこで、頭囲ではなく、頭幅と頭長からどのサイズのヘルメットを選んだらよいかの参考になる基準が作れないものかと思い、検討しました。

最初に、頭幅(W)と頭長(D)の数値から頭囲(L)を求めるための計算式を作りますが、そのときの 頭部形状として、A.楕円形、B.長円形、C.角丸長方形に単純化した3つのモデルを考えました(図1)。

図1 ヘルメットサイズ頭部シミュレーションモデル

図1 ヘルメットサイズ頭部シミュレーションモデル

モデルAとモデルBでは、DとWから計算される円周は、頭囲データよりも小さな値になるので不適当でした(表1の楕円近似周長参照)。

そこで、モデルCを採用し、頭幅に定数0.44265をかけた数値を角丸部の半径にすると頭囲データと一致しました。
すなわち、頭囲をL、頭幅をW、頭長をD、定数をkで表して、

L=2kWπ+2(W+D)-8kW  ・・・・・式1 (※わかりにくいですが、πは円周率のパイです。)

ができました。

それから、頭幅/頭長比をx、D=W/xとして、式1を

W=L/(1/x+1-4k+kπ)/2  ・・・・・式2

のように変形して、 頭幅、頭長、頭囲(ヘルメットサイズ)の関係をシミュレートしたのが表2です。

表2 ヘルメットサイズに対する頭幅、頭長、頭囲のシミュレーション

表2 ヘルメットサイズに対する頭幅、頭長、頭囲のシミュレーション

日本人の平均頭幅/頭長比=0.85を基準にした場合、Mサイズ(57cm~58cm)のヘルメットがちょうど良い頭幅が15.9~16.1cm、頭長が18.7cm~19.0cmになります(だいだい色に塗りつぶした部分)。

この範囲から大きく外れた場合には、頭幅か頭長のどちらかでフィットさせてサイズを選ぶのがよいと思われます。

*

KenUのサイズを改めてきっちりと計り直してみたところ、頭囲55.0cm、頭幅16.0cm、頭長18.0cmでした。(※頭幅、頭長は頭をスライドドアにはさんで測定しました。)

つまり、KenUは頭幅/頭長比=0.889で、日本人の平均よりも前後につぶれた形の頭だということがわかります。

上の表2でいうと、一番下の行(0.900)の、左から2番目の列(16.2cm、18.0cm)が近い感じです。
このことは、日本人の平均的な頭形状で頭囲55.0cmの人よりも、KenUは頭幅が広いということであり、頭幅はSサイズ(15.3cm~15.6cm)ではなくMサイズ(15.9cm~16.1cm)の範囲におさまります。

現状としては、若干きついけれどもSサイズがピッタリとかぶれていますが、シミュレーションの結果からは、やはりMサイズでもよかったような気がします。

Sサイズがなんとかかぶれている理由としては、頭幅、頭長サイズからシミュレートされる頭囲よりも小さく、すなわち、モデルCの定数(k)=0.444265によるシミュレーションよりも角丸部分の半径が大きめ(なだらか)で、どちらかというとモデルBの形状に近似するためかも知れません。

図2に頭幅と頭長によるシミュレーションモデルC(黒)とKenUの頭囲による補正モデル(グレー)と頭囲56cm標準モデルC(グレー実線)の形状の違いを示しました。
このわずかな違いがヘルメットのフィット性に大きく影響すると思われます。

図2 KenU頭囲からの形状補正モデル(黒:シミュレーションモデルC、グレー:KenU頭囲からの補正モデル、グレー実線:頭囲56cm標準モデルC)

図2 KenU頭囲からの形状補正モデル(黒:シミュレーションモデルC、グレー:KenU頭囲からの補正モデル、グレー実線:頭囲56cm標準モデルC)

グレーの実線が頭囲56cm(Sサイズ)のヘルメットとすると、KenUの頭は若干側面がきついだけで、前後には余裕があるのがわかります。

*

以上、頭囲からヘルメットサイズを選ぶ方法ではなく、頭幅と頭長から選ぶ方法について書いてみました。
欧米人の頭幅/頭長比は日本人よりも小さく、つまり、顔が細くて奥行きが長いので、外国製のヘルメットの場合は、また違った別のシミュレーションが必要と思われます。
また、実測の頭囲がシミュレート値よりも大きいか、小さいかということもフィット性に影響するでしょうし、KenUは責任とれませんから、もう一度いいますが、ヘルメットは試着して購入してくださいね。

*

どんなヘルメットを選んだら良いのかは、既にヘルメットメーカーのサイトで述べられているとおりですが、そこには書かれていない情報をここでお伝えしたいと思います。

まず、アライのヘルメットの「取扱説明書」には、
「内装素材の改良によって、『少しきつめのサイズを選んでおけば、使っているうちに次第に馴染んで緩くなる!』といった事は、最近ではあまり期待できません。」と書いてあります。

それから、バイクはないのですが、
ヘルメットメーカーのOGKカブトによるこども(幼児)のヘルメット装着時の転倒シミュレーションの結果2)、3)では、
ヘルメットがきつい場合には、深深とかぶれずヘルメット頭頂部と頭蓋骨の隙間が広くなり、転倒して側頭部を打ち付けた時の頭蓋骨に及ぼすフォン・ミーゼス応力が強くなります。
逆にヘルメットが緩い場合には、転倒して頭部を打ち付けたときにヘルメットがずれることで、脳へのせん断応力が強くなります。

つまり、ヘルメットがきつくても、緩くても、転倒して頭部打撃を受けたときの脳へのダメージが大きくなることになります。
だから、自分にあったフィット性の高いヘルメットを選ぶことが大事なんですね。

それで、YouTubeで「大きめのヘルメットを買って、詰め物をして合わせよう」という内容を紹介している人がとても心配です。
何故かというと、 詰め物をしてヘルメットの頭頂部と頭蓋骨の隙間を広げています。
さらに、どう見ても大きめというよりも大きすぎるヘルメットを選んでいるようで、転倒して頭部打撃したときのヘルメットのずれもかなり大きくなりそうです。
なので、事故ったときには、頭蓋骨への強いフォン・ミーゼス応力と脳への強いせん断応力とのダブル作用で脳へのダメージがさらに強くなり、とても危険だと感じました。
事故っても後遺障害が残らないようにフィット性の高いヘルメットに買い換えるか、転倒して頭をぶつけないように気をつけてくださいね。

*

参考文献:
1) 河内まき子・持丸正明, 2008:日本人頭部寸法データベース2001, 産業技術総合研究所H16PRO-212.
Makiko Kouchi and Masaaki Mochimaru, 2008: Anthropometric Database of Japanese Head 2001, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, H16PRO-212.

2)株式会社オージーケーカブト:平成21年度中小企業支援調査安全知識循環型社会構築事業報告書、子ども用ヘルメットの安全性と適合性に関する研究

3)吉田 健(OGK カブト):年齢別頭部有限要素モデルによる幼児用ヘルメットの外傷予防効果の評価

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[10/17 追加]
先日、大型バイクの免許取得できたので、隣の隣の隣街のバイクショップに車で出かけて行きました(笑
まだ、バイク購入していないので・・・。
それで、QUANTUM-JのMサイズ57-58を試着してみました。
ほーら、計算通りぴったりじゃん。
次回は、Mサイズ買います。

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[2016/04/17追加]
1年が経過し、QUANTUM-JのMサイズ57-58cmを購入しました。

Arai Helmet Quantum-J Giugliano 57-58cm

Arai Helmet Quantum-J Giugliano 57-58cm

ジュリアーノ、つや消し塗装です。 なので表面は、ツルピカではありません。

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[2016/06/04追加]
まだ1年しか使っていないSサイズのQUANTUM-Jですが、もったいないので、一応予備としてたまには使おうかと思いました。

なので、もう少し快適にかぶれるように、口をあけたときに頬の内側を噛みにくくなるように、頬の締め付けを緩くするために、頬パッド(QJ FCS システムパッド)を交換してみました。

Araiヘルメット標準仕様20mmの頬パッドを交換

Araiヘルメット標準仕様20mmの頬パッドを交換

標準では20mmが取り付けてありますが、それを2段階下げた12mmにしました。

アライヘルメットQJ FCSシステムパッド12mmの袋 (画像をクリックすると別のタブで拡大表示できます。)

アライヘルメットQJ FCSシステムパッド12mmの袋 (画像をクリックすると別のタブで拡大表示できます。)

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ARAI QUANTUM-J Loop Sサイズ 55-56cm
 ←Amazonで見てみる。

ARAI  QTANTUM-J Giugliano Mサイズ 57-58cm
 ←Amazonで見てみる。

アライ(ARAI) QJ FCSパッド 12mm 4361
 ←Amazonで見てみる。

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