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はじめての人工肛門からの大腸内視鏡検査と不安要素

********* 目次 *********
はじめに
不安要素その1 腹部の激痛
不安要素その2 下剤による就寝中の便排出
不安要素その3 腸管洗浄時のストーマ装具からの便排出
不安要素その4 検査当日のストーマ装具の交換
不安要素その5 異常の発見
おわりに
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はじめに

直腸の肛門に極めて近いところに悪性新生物(悪性腫瘍、がん)が生じ、永久的なS状結腸ストーマ(人工肛門)を造設してから、2年3か月になります(関連記事[1])。

既に1年目に、主治医からは、大腸内視鏡検査をすることを薦められていましたが、KenUは断り続けていました。
しかし、さすがに2年目は断りきれなくなり、8/19に生まれて初めてのストーマからの内視鏡検査を受けたという訳です。

不安なことだらけで、検査当日までの数週間は、そればかり考えてとても憂鬱でした。

という訳で、KenUが検査までにどんなことを考え、どのようにして検査に臨み、そして、どんな結果になったのか記事にしたいと思います。
※すみません、長い記事なってしまいました。

なお、本記事を読み進めるに当たって、病院によって検査のやり方、説明、対応が異なると思いますし、ストーマの種類の違い、個人の考え方や心情やパーソナリティーの違いもありますので、批判・誹謗中傷はご遠慮ください。

*

不安要素その1  腹部の激痛

まだお尻に穴(肛門)があった頃に、そこから内視鏡を2回ばかり入れた経験があります。

1回目は、痔の手術時に医師が目視で直腸の腫瘍を発見したので、翌日まで絶食して内視鏡を入れました。
病理組織検査用の腫瘍組織サンプル採取が目的だったので、入れたのは直腸までで、ほとんど痛くありませんでした。

2回目は、その腫瘍が悪性と分かり、転院先の病院で精密検査のために、大腸のいちばん奥・盲腸まで入れました。
このときは、S状結腸とコーナー部分を通すときに超激痛で、途中で「まじやめて」と思いましたし、「死んだ方がまし」、「2度とこの検査は受けない」と思いました。
なので、今回の検査でも激痛にならないか、とても不安だったわけです。

そして今回、検査前に、検査技師さんと付添いの看護師さんに上記の話をして、
「途中でやめてと言ったら、やめてもらえますか?」と聞いたところ、了解してもらえました。

結果としては、痛みは、下痢したときの腹痛程度でした。
その理由が、検査技師さんの手技が上手だったからなのか?、天然肛門ではなく人工肛門だったからなのか?、内視鏡挿入時の身体の姿勢が違うからか?についてはわかりません。

ちなみに、検査直前に、胃カメラを飲むときと同じく、ブスコパン注20mgを肩に注射しました。
これはアトロピン系製剤で、副交感神経の神経節に作用し、消化管・胆のう・尿管・膀胱など管腔臓器の痙れんを和らげて疼痛を除く作用があります。
ストーマからの内視鏡の挿入は、仰向けにまっすぐ寝た体勢で行いました。

検査後、看護師さんに、「今回くらいの痛みでしたら、また検査を受けても良いと思いましたか?」と質問されてしまいました(笑

*

不安要素その2 下剤による就寝中の便排出

検査2日前の晩と検査前日の晩に下剤を服用します。
つまり、就寝中に大量の排便が起こって、ストーマ装具パウチがパンパンになって便漏れが起こらないか?という不安がありました。

でも、結果的には、検査当日の未明まで全く排便はありませんでした。
というのは、検査2日前の朝から、下剤も飲んでないのに頻繁な排便がはじまって、トイレに4回もいって腸内の便を出し切ってしまったんですね。
通常このパターンが起きると2日は便が出なくなるので、ラッキーでした。

余談ですが・・・
検査2日前は普通に食事をしても良いということだったので、昼食にはこれ↓を食べました。

丸亀製麺おろし醤油うどんとイカ天
丸亀製麺のおろし醤油うどんとイカ天

店の説明では、おろし醤油うどんにはテーブルに置いてある「だし醤油」をかけ、天ぷらには「だしソース」をかけるということですが、KenUにはそれがいまいちです。
個人的には、おろし醤油うどんには「かけうどんのつゆ」、天ぷらには「だし醤油」をかけるのがベストで、ねぎをたっぷりと乗せるのが大好きです。
それから、うどんは消化もよいし、イカ天のイカ自身も低脂肪高タンパクで胃酸とトリプシンで分解されやすくて消化は良いので、大腸検査前食としては好適ではないかと考えています。
※生やりいか100g中、水分79.7g、たんぱく質17.6g、脂質1.0g、炭水化物0.4g(2010日本食品標準成分表・文部科学省より)

ただし、多量のねぎと天ころもは消化によろしくないですけど(笑

それから、夕食は、ごはんもおかずもいつもの半分に控えました。
また、下剤(薬)を飲むので、アルコールも控えました。

*

不安要素その3 腸管洗浄時のストーマ装具からの便排出

腸管洗浄剤を服用して、便の排出がどのようになるのか、まったくイメージできなかったんです。

ストーマから、ちょろちょろと出続けるのか?不定期的にある程度の量がまとまって排泄されるのか?
どのくらいの間隔で、どのくらいの量が排泄されるのか?
ストマパウチからの排出の仕方とタイミングはどうなるのか?
など。
肛門があった頃のように、排泄物を肛門括約筋でとめることができないから。

とりあえず、楽に処理するためには、腸内にできるだけ便をためて置かないこと、前日は消化の良いものを食べること、が良いであろうと考えられたので実践しました。

病院からの指示は、「検査前日は、残渣の少ない食事を摂ってください。」「野菜、果物、海藻類、キノコ類、種のある物は控えてください。」です。

ということで、検査前日の食事メニューは、検査食を参考にして(関連記事[2])・・・
朝食/クリームチーズマフィン(1個)、水
昼食/おにぎり(海苔なし、小2個)、永谷園のお吸い物(具は残す)、水
夕食/中華がゆ(茶碗半分)、味付き鶏肉(2切れ)、インスタント味噌汁(具なし)、水、チョコチップクッキー(2個)
で我慢しました。
もちろん、アルコールは控えました。

で、結果としては、操作は忙しかったですが、順調に便の排出処理ができました。

*

では、腸管洗浄、便排出の経過をレポートします。

・検査当日の2:30頃から排便が始まる(固形~泥状)→朝まで放置
・朝7:00起床、コップ一杯の水を飲む
・いったんパウチから便をトイレに排出
・はみがき、ひげそり
・経口腸管洗浄剤(モビプレップ)と水を準備

モビプレップ

・トイレ向かいの階段に座り込み、iPhoneをいじりながら、7:45からモビプレップ服用開始

モビプレップの飲み方と便の排出パターンは下の写真のとおりでした。
※飲み方は、説明書と病院からの指定の飲み方とで違っていたので、KenU的に調節しました。

モビプレップ飲み方と排泄状況
↑画像をクリックすると別タブで拡大表示できます。

補足:採血もあり12:00までに病院に行かないといけないので、少し早めに服用を開始しました。検査は13:00。
上写真の飲む時間は、飲み終わる時間の目安にして、パウチから便を排出するタイムロスを考えて少しハイペースで飲みました。

パウチからの排出は、200~300mLくらい?溜まってからにしました。※溜めすぎると、排出操作がやり難くなると思います。
なお、KenUがメインで使用しているパウチの最大容量は実験で確かめています(関連記事[3])。

6杯目の水を飲み終えて、4回目の排泄をしたときには、透明な綺麗な水溶便になりました。

7杯目のモビプレップを飲み終えて、5回目の排便も綺麗な透明だったので、8杯目のモビプレップはパスして、9杯目の水を9:45までに飲み終えて終了しました。
そのときは、トイレに残りのいろはすのボトルとiPhoneを持ち込んで、便座に座って、パウチの排出口を開いて便器に垂らして、水様便を垂れ流しの状態にして10:15までトイレにこもっていました。
その後、いったんパウチの排出口を閉じて、その後11:00までに300mLくらい水様便がたまったので排出し、念のため、余っていたダイアモンドのサンプル(関連記事[4])をパウチ内に入れて病院に向かいました。
結果的に、それ以上水様便は出なかったのでダイヤモンドは活躍できませんでしたけど(笑

*

余談ですが・・・
水溶便は断続的に出たり、ちょろちょろと連続的に出たりしました。
排泄し始めの固形状や泥状の便は、排出後パウチ内を拭かずに便が付着したままにしておいても、後から出てくる水様便で洗えば綺麗になります(笑
なので、パウチの排出口の部分だけ拭きます。

それから、「ここまで必ず飲む」の言いつけを守らなかった理由は、モビプレップの説明書に1L服用途中で排泄液が透明になったら服用を終了してもよいと書いてあったのと、モビプレップがメチャメチャ不味かったから。
一口飲んで吐きそうになりました。
梅ドリンクとピクルスを合わせて水で薄めたような味で、においもへんな酸味臭がします。
これを飲まなければならなかったことは、今回の検査における何よりの拷問でした。
もう、二度と・・・死んでも飲みたくないです(笑
個人的には、ニフレックスのほうが我慢できます。

*

不安要素その4 検査当日のストーマ装具の交換

検査当日は、ストーマ装具はどうしたらよいのか?

換えを用意していくように言われただけで、どんな手順になるのか前もって詳しい説明がなかったんです(というか検査室の看護師さんではなかったので、どのような手順になるのか説明できなかったのだと思います)。

検査当日までに、下剤の影響で下痢をして交換が早まらないか?、腸管洗浄の水様便で面板が溶けないか?など、わからないことばかり。
結果としては、火曜日の晩に交換して、検査まで装具は持ちこたえました。
※お金がかかりますが、毎日交換してもよいくらいの気持ちでいた方が気が楽かもしれません。

それから、「内視鏡検査室の看護師さんは、ストーマ外来や外科の看護師さんと違って、たいしたことはしないだろうなぁ」という予測のもと、自分でメンテナンスキット(関連記事[5])、(関連記事[6])を用意し、面板はあらかじはさみで穴を切って行きました。
それで大正解!!
※なお、手袋と不織布ガーゼは、言えば病院でもらえるので不要でした。

ストーマ装具交換用セット

*

では、検査室でのやりとりです。

看護師:「頭をあちら側に向けてベッドの上に横向きに寝てください。」
KenU:「あのぉ~。お尻からじゃなくて、ストーマなんですけど。パウチはどうしたらよいですか?」
看護師:「そうだったんですか。私が外してもよろしいですか?」
KenU:「できます?」
看護師:「はい。このまま剥がして痛くないですか?」
KenU:「いや、ちょっと待って。リムーバ使わないと。剥がした後は、洗浄してくれるんですか?」
看護師:「ストーマ外来みたいに洗浄ボトルなどは置いていないので、拭くだけです。」
KenU:「やっぱりそうですよね。そう思って道具を用意してきたので、自分で剥がして自分で洗ってもいいですか。」
看護師:「はい、わかりました。どうぞこれ(ビニール袋、不織布ガーゼ)を使ってください。」
KenU:「ビニール袋をお腹に貼り付けたいのでテープありますか?」
看護師:「優肌絆でいいですか?」
KenU:「はい。それから、不織布ガーゼを濡らしてもらえますか?」
看護師:「ぬるま湯で濡らしてきますね。」
KenU:「有難うございます。」

そして、ブラバ剥離剤スプレーを使って手早く面板を剥がして、手袋をはめてハビナース清拭料で手早くストーマを洗浄して(関連記事[7])、ぬらした不織布ガーゼでよく拭き取りました。
ちなみに、ストーマは水様便で洗われて綺麗になっていたので、便臭はしませんでした。

検査後は、ストーマとその周囲が検査で使用したゼリーでベタベタになっているので、ぬらした不織布ガーゼでよく拭き取って、手早くストーマ装具を装着しました。
なお、腸内は空っぽで便が出ることがないので、消臭潤滑剤は帰宅してからパウチに入れました。

*

不安要素その5 異常の発見

がんの再発が見つかるのかどうかが一番の不安ですが、もし見つかったら、それはそれで苦しい思いをしてでも検査を受けた意義があります。

異常が見つかる方がよいのか、見つからない方がよいのか、とても複雑で微妙な気持ちです。

じつは、以前のがんの精密検査の内視鏡検査ときに、S状結腸に直径8mmのポリープが見つかり、その場で切除したという経験があります。

結果的には、今回の検査では、再発やポリープなどの異常は見つからなかったということで、ほっとしました。

*

おわりに

以上、スラムダンクの「湘北の不安要素その4!!素人・桜木!!」田岡監督風にまとめてみました(関連記事[8])。

ということで、はじめてのストーマからの大腸内視鏡検査を無事に終えることができました。

検査自体は、短時間だけ軽度の腹痛があっただけで、それほど辛いものではありませんでした。

辛かったのは、検査前の自主的な食事制限とモビプレップの服用かな。
でも、食事制限をしたおかげで、腸管洗浄を比較的楽にできたのではないかと思っています。

最後に・・・

お尻の穴から内視鏡を入れられるよりも、ストーマからのほうが良かったことが一つあります。

それは、「犯された感」がなかったことです(笑

************** 関連記事 **************

[1]KenUの直腸癌切除術と入院中の備忘録

[2]大腸注腸検査の前日は、仕事は無理。検査時の感覚は・・・

[3]人工肛門ストーマパウチからのトイレでの便の出し方

[4]イレオストミー用の消臭・吸収ゲル化剤をコロストミーが使ってみた。

[5]外出のときのストーマ洗浄用に清拭料をミニ泡ポンプボトルに詰替えてみた。

[6]今頃ですが、ストーマからの排便キットを作りました。

[7]人工肛門ストーマ装具交換の動画をアップしてみた。

[8]何故今SLAM DUNK (スラムダンク)なのか?

***********************************

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カテゴリー:ストーマ, 健康, 医療
  1. 2016-08-2023:50

    無事終了、お疲れさまでした。何よりも異常がなくて良かったです。

    まったくもってモビプレップの不味さには、恐れ入りますよね。もう少しなんとかならないのでしょうか。

    私も今年の11月に、「ストマ落ち」1年記念で大腸内視鏡検査をするので、またモビプレップ一気飲みです。憂鬱です。

    それに、今回は、「犯されて」しまいますからね…。まあ、感謝しなくてはいけないのですが。

    • 2016-08-2109:25

      カズさん、有難うございます。
      モビプレップについては、検査室の看護師さんとお話しをして、裏技を教えてもらいました。
      コップに氷を一つ二つ入れて、モビプレップを冷やして飲むと、不味さが和らぐそうです。
      11月に是非お試しください。

  2. 2016-08-3109:56

    勘違いしておられる方がいるようなので、透明について補足します。
    腸管洗浄時の「透明」の水様便とは、「無色透明」のことではなくて「すきとおって、にごりのないこと」なので、多少黄色みがかっていても問題ありません。
    胃酸を中和するためにアルカリ性の黄色い胆汁が分泌されるので、無色透明になることはまずありえません。
    カスが混ざっていなくて、濁っていない水様便になればOKです。
    これまで、病院の説明があいまいで、水のような色のない水様便を目指して、まずい腸管洗浄剤をいやになるほど飲み続けていた人は、再度病院に確認してみてくださいね。

  3. Kawabe
    2017-10-1514:15

    初めまして。手慣れた先生だと装具を付けたまま検査してくれます。オストメイトになってから3回大腸ファイバー検査を受けました。ワンピースの装具。普段は肌色を使っていますが、検査の時だけは透明の装具に変えて行きます。勿論、念のため交換用の装具は持参しておきますが使ったことありません。

    • 2017-10-1520:43

      こんにちは。なるほど、外さずそのままする病院もあるんですね。

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