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ストーマで飛行機に乗るときに困るのは?・・・心配しなくても大丈夫

さて、人工肛門(ストーマ)を有するオストメイトの飛行機搭乗に関しては、他の記事で部分的に書いていましたが、こちらにスピンアウトして記事にすることにしました。

その理由は、意外にもストーマ専門サイトで正しい情報が伝えられていなかったり、細かい説明がされていないようなので・・・。

ストーマで困るシリーズ記事の第3弾ですが、結論から先に言えば、ほとんど心配いりません。

では、以下どうぞ。

********** 目次 **********
1.飛行機に乗るとストーマパウチはパンパンに膨らんでしまうの?
2.ストーマでも飛行機のシートベルトを着用しても大丈夫?
3.飛行機にストーマ装具面板を切るはさみは持ち込めるの?
4. 機内のトイレ使用に関するアドバイス(私見)
*************************

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1.飛行機に乗るとストーマパウチはパンパンに膨らんでしまうの?

結論から先に言うと「いいえ」です。

では、どのくらい膨らむのでしょうか?

飛行機に乗って、ストマパウチが膨らむ程度というのは、中学校で習う理科の知識で計算できます。

圧力が上がるとガスの体積が小さくなり、圧力が下がるとガスの体積が大きくなり、式にすると「P1V1=P2V2」で表せる「ボイルの法則」というのを習いませんでしたか?

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地上の気圧は大気圧(1気圧)ですが、飛行機に乗って上空(飛行高度3万3000フィート(約1万m))に上がると、大気の圧力は0.2気圧まで下がります。
ですが、客室内は、与圧装置により、酸素濃度と気圧が0.7~0.8気圧になるように調節されています。
◇ANAのページから/機内環境の特性-気圧の変化(←参照リンク)

客室の気圧が0.7気圧になると仮定して、
例えば、ストマパウチに100mLの空気が入ったまま飛行機に乗った場合、

1(地上の気圧)×100(パウチ内の空気体積mL)=0.7(上空の気圧)×A(上空での空気体積mL)

A(上空での空気体積mL)=100÷0.7=143mL と計算され、

体積が約1.4倍に膨らむということがわかります。
つまり、搭乗前にパウチ内に空気がそれほど入っていない状態にしておけば、心配ありません。

ちなみに、KenUが普段使用しているストーマパウチの容量は800mLなので、パウチに500mL強の空気を入れて膨らませたまま飛行機に乗れば、やっとパンパンになるまで膨らませることができる計算になります。

ゲル化剤を水350mLで膨潤させるとこれくらい↓[関連記事(1)
Diamonds 吸水実験350mL

余談ですが、ポテトチップスの袋がパンパンになるのは、あらかじめ袋内に窒素ガスが充填されているので、そのガスの体積が1.4倍に膨張するだけの話しです。

*

2.ストーマでも飛行機のシートベルトを着用しても大丈夫?

飛行機のシートベルトは、自動車のシートベルトとは違って、勝手に引っ張られて締め付けられることがない、閉まり具合を一定の位置で調節できる機構になっている、2点式で比較的お腹の下にベルトがあたるようになっている、ことから普通にそのまま着用しても大丈夫です。

心配であれば、客室乗務員に言えばブランケット(毛布)を貸してもらえますから、シートベルトの下に挟んでのベルト着用もOKです。
◇JALのページから/お客様へのお願い-シートベルトは常に着用をお願いします(←参照リンク)

ですから、飛行機のシートベルトに装着するようなアタッチメントや固定具を準備する必要はありません。[関連記事(2)

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自動車でシートベルトが有効になるのは衝突のときで、シートベルトが腹部を圧迫することがありますが、飛行機の場合は少し違います。
主に飛行機のシートベルトが有効になるのは乱気流のときで、体の浮き上がりを防ぐ方向に力が働くので腹部を圧迫することはほとんどありません。
ですから、ストーマの人でも積極的にきちんとシートベルトを着用したほうが良いと思います。

ちなみに、シートベルトで腹部が圧迫されるシーンがあるとしたら離陸前や着陸後の急ブレーキ、胴体着陸、墜落が考えられますが、そういったシーンはそうそうありません。

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3.飛行機にストーマ装具面板を切るはさみは持ち込めるの?

航空会社によって違うようなので、事前に航空会社のホームページで確認したほうが良いでしょう。

anaマイレージクラブカード

KenUは、通常はANAを使用しますが、ANAは国内線・国際線問わず、全てのはさみの持ち込みは禁止のようです。
◇ANAホームページから/手荷物について-機内持ち込みのできないもの(←参照リンク)

JAL国内線は、「ハサミは刃体が6cm以下で先が著しく尖っておらず、また刃が鋭利でないものはお持ち込みが可能です。」となっています。
◇JALホームページから/Q&A詳細【 国内線 / 手荷物】(←参照リンク)

JAL国際線は、「医療器具であっても「ハサミ」は機内持込制限品のためお持ち込みいただけません。あらかじめ切り込みをいれた装具をご準備ください。」となっています。
◇JALホームページから/Q&A詳細【 国際線 / お手伝いをご希望のお客さま 】(←参照リンク)

スカイマークエアラインは、刃体6cm以下の眉毛切りはさみ、鼻毛切りはさみ等の化粧用のはさみ、携帯裁縫セットのはさみ等の小さなはさみはOKとなっています。
◇SKYホームページから/空の安全のために-機内持込制限品目(←参照リンク)

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一応、コロプラストのはさみの刃体を測ってみると、2cm強ですから、国内線には持ち込める航空会社はあるかも知れません。

コロプラストストーマはさみ刃体

鼻毛切りはさみでも、面板を切ることができます。[関連記事(3)

ゾーリンゲンZENITHステンレス製ベビーハサミ

*

しかし、まあ、はっきり言って、国内線の機内でハサミを使ってストーマ装具を交換している余裕なんてないと思います。

例えば、仙台空港⇒大阪空港(伊丹)の飛行時間は、1時間10分です。
そのうち、離陸後と着陸前の10~20分はシートベルト着用サインが点灯していて離席できないので、トイレに入っていられる時間は30分~50分しかありません。

なので、機内にはさみを持ち込む心配よりも、ストーマ装具を交換しなければならない事態にならないように気を配るほうが良いと思います。

結論としては、国内線も国際線と同様に、切っておいた面板を機内に持ち込むのがよいでしょう。

ちなみに、東京(羽田)からサンフランシスコへの飛行時間は9時間35分(ANA)、サンフランシスコから東京(羽田)へは11時間15分(ANA)ですから、国際線でのトイレは余裕です。

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4. 機内のトイレ使用に関するアドバイス(私見)

あくまでも私見です。

搭乗時間が短い国内線の場合、トイレ付近の通路側に座席指定すると気が楽です。

機内のトイレでパウチから便を出すことになったら、ストーマであること、それなりに処理時間がかかることを、客室乗務員にあらかじめ告げてからトイレに入るとよいかもしれません。
というのは、あまり長い時間機内トイレに入っていると心配されて、客室乗務員からドアをノックされて声掛けされますし、処理用の道具を持ち込む場合には不審に思われる恐れもある?ので。
消臭潤滑剤のボトルなんて爆弾ぽくって怪しいですもんね(笑

パウチから便を出したら、パウチ内に付着した便をトイレットペーパーねじりん棒で清掃するような時間がかかることは避けて、便排出口を綺麗に拭くだけにして、できるだけ短時間で済ませるようにします。[関連記事(4)
気持ち的にパウチ内を清掃したくても、飛行機から降りるまで我慢です。
というのは、気象状況、乱気流予想などにより、いつシートベルト着用サインが点灯するかわからないから、安全のためです。

それから、機内のトイレは洋式なので、家の洋式トイレで座って便を排出する練習をしておくとよいでしょう。

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以上、KenUはストマを造設してからまだ飛行機に乗ったことはありませんが、オストメイトが飛行機に搭乗した場合を想定して、これまでの数々のフライト経験と自分自身の状況認識、そして科学的根拠をもとに、記事にしてみました。

KenUは、飛行機に乗ると、とても緊張するのか、仙台-大阪間の飛行で多いときには3回もトイレに行ったこともありました。
もちろん客室乗務員にトイレのドアをノックされ声掛けされたこともあります(笑
国際線フライトは3回。
12席プロペラ機、50席ジェット(CRJ)、767、ジャンボ機747などに乗ったことがあります。

これから飛行機に乗りたいと考えているオストメイトさんの参考になれば幸いです。

*

[2017/5/1追加]
2017年4月16日にグライダーに乗って上空を飛行しました。
気圧は0.86気圧まで低下。
ストーマからガスがでましたが、ストマパウチはまったく異常なかったです。

************** 関連記事 **************

[1]イレオストミー用の消臭・吸収ゲル化剤をコロストミーが使ってみた。

[2]人工肛門ストーマの人は自動車のシートベルトどうするの?

[3]ストーマ装具の選定と便排出処理するのにこんなのが欲しい!

[4]人工肛門ストーマパウチからのトイレでの便の出し方

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カテゴリー:ストーマ
  1. 2016-08-3009:23

    書き忘れていました。
    飛行機に乗っていて、放屁(おなら)をしてパウチが膨らんだという人がいるようですが、それはフライトとは関係がないので、搭乗前の飲食に気を付けるとよいでしょう。
    搭乗前の食事を控える、炭酸飲料(ビール、コーラ、etc)を控える、空気を飲み込むことになるガムを控える、など。

  2. satomi
    2016-10-1914:18

    こんばんは、kenUさん。
    楽しく読ませて頂いています。ありがとうございます。
    私はストマー保有になって、6ヶ月の新米です。kenUさんと同じ、永久です。
    でも海外旅行が大好きで、先日、練習の為、まずはフライト時間の短いソウルに挑戦!
    ドキドキしながら身体チェック!何事もなく通過。フライト中もストマー袋も膨らみませんでした〔ホッ〕
    但し、荷物の中身は、ストマー関連グッズがいっぱいでしたが…何が起こるかわからないので、とりあえず、何もかも多めに持参しました。2月に行くハワイまで、何回か、近場の海外に行って練習します。
    体調に合わせて私も色々と挑戦していきますね!

    • 2016-10-2003:10

      satomiさん、コメント有難うございます。
      ハワイは、ぼくも一度は行ってみたいです。
      楽しんで来てください。
      体験談を装具メーカーの冊子に投稿すると、メーカー担当者、読者に喜んでもらえるかも知れませんよ。

      • satomi
        2016-10-2012:33

        ご返信、ありがとうございます。
        半年前とは変わってしまった身体にまだ、自分自身でも戸惑いがありますが、前を向いて歩くしかない!とやっと思える様になりました。
        開き直ると女は強い!と家族にも言われています。まだまだ完全には受け入れられないですが…
        好きな旅行は、我慢せず、何にでもトライしてみます☆
        kenUさんの色々なの挑戦!今後も楽しみにしいます。

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