Archive

Archive for the ‘健康’ Category

はじめての人工肛門からの大腸内視鏡検査と不安要素

********* 目次 *********
はじめに
不安要素その1 腹部の激痛
不安要素その2 下剤による就寝中の便排出
不安要素その3 腸管洗浄時のストーマ装具からの便排出
不安要素その4 検査当日のストーマ装具の交換
不安要素その5 異常の発見
おわりに
*************************

はじめに

直腸の肛門に極めて近いところに悪性新生物(悪性腫瘍、がん)が生じ、永久的なS状結腸ストーマ(人工肛門)を造設してから、2年3か月になります(関連記事[1])。

既に1年目に、主治医からは、大腸内視鏡検査をすることを薦められていましたが、KenUは断り続けていました。
しかし、さすがに2年目は断りきれなくなり、8/19に生まれて初めてのストーマからの内視鏡検査を受けたという訳です。

不安なことだらけで、検査当日までの数週間は、そればかり考えてとても憂鬱でした。

という訳で、KenUが検査までにどんなことを考え、どのようにして検査に臨み、そして、どんな結果になったのか記事にしたいと思います。
※すみません、長い記事なってしまいました。

なお、本記事を読み進めるに当たって、病院によって検査のやり方、説明、対応が異なると思いますし、ストーマの種類の違い、個人の考え方や心情やパーソナリティーの違いもありますので、批判・誹謗中傷はご遠慮ください。

*

不安要素その1  腹部の激痛

まだお尻に穴(肛門)があった頃に、そこから内視鏡を2回ばかり入れた経験があります。

1回目は、痔の手術時に医師が目視で直腸の腫瘍を発見したので、翌日まで絶食して内視鏡を入れました。
病理組織検査用の腫瘍組織サンプル採取が目的だったので、入れたのは直腸までで、ほとんど痛くありませんでした。

2回目は、その腫瘍が悪性と分かり、転院先の病院で精密検査のために、大腸のいちばん奥・盲腸まで入れました。
このときは、S状結腸とコーナー部分を通すときに超激痛で、途中で「まじやめて」と思いましたし、「死んだ方がまし」、「2度とこの検査は受けない」と思いました。
なので、今回の検査でも激痛にならないか、とても不安だったわけです。

そして今回、検査前に、検査技師さんと付添いの看護師さんに上記の話をして、
「途中でやめてと言ったら、やめてもらえますか?」と聞いたところ、了解してもらえました。

結果としては、痛みは、下痢したときの腹痛程度でした。
その理由が、検査技師さんの手技が上手だったからなのか?、天然肛門ではなく人工肛門だったからなのか?、内視鏡挿入時の身体の姿勢が違うからか?についてはわかりません。

ちなみに、検査直前に、胃カメラを飲むときと同じく、ブスコパン注20mgを肩に注射しました。
これはアトロピン系製剤で、副交感神経の神経節に作用し、消化管・胆のう・尿管・膀胱など管腔臓器の痙れんを和らげて疼痛を除く作用があります。
ストーマからの内視鏡の挿入は、仰向けにまっすぐ寝た体勢で行いました。

検査後、看護師さんに、「今回くらいの痛みでしたら、また検査を受けても良いと思いましたか?」と質問されてしまいました(笑

*

不安要素その2 下剤による就寝中の便排出

検査2日前の晩と検査前日の晩に下剤を服用します。
つまり、就寝中に大量の排便が起こって、ストーマ装具パウチがパンパンになって便漏れが起こらないか?という不安がありました。

でも、結果的には、検査当日の未明まで全く排便はありませんでした。
というのは、検査2日前の朝から、下剤も飲んでないのに頻繁な排便がはじまって、トイレに4回もいって腸内の便を出し切ってしまったんですね。
通常このパターンが起きると2日は便が出なくなるので、ラッキーでした。

余談ですが・・・
検査2日前は普通に食事をしても良いということだったので、昼食にはこれ↓を食べました。

丸亀製麺おろし醤油うどんとイカ天
丸亀製麺のおろし醤油うどんとイカ天

店の説明では、おろし醤油うどんにはテーブルに置いてある「だし醤油」をかけ、天ぷらには「だしソース」をかけるということですが、KenUにはそれがいまいちです。
個人的には、おろし醤油うどんには「かけうどんのつゆ」、天ぷらには「だし醤油」をかけるのがベストで、ねぎをたっぷりと乗せるのが大好きです。
それから、うどんは消化もよいし、イカ天のイカ自身も低脂肪高タンパクで胃酸とトリプシンで分解されやすくて消化は良いので、大腸検査前食としては好適ではないかと考えています。
※生やりいか100g中、水分79.7g、たんぱく質17.6g、脂質1.0g、炭水化物0.4g(2010日本食品標準成分表・文部科学省より)

ただし、多量のねぎと天ころもは消化によろしくないですけど(笑

それから、夕食は、ごはんもおかずもいつもの半分に控えました。
また、下剤(薬)を飲むので、アルコールも控えました。

*

不安要素その3 腸管洗浄時のストーマ装具からの便排出

腸管洗浄剤を服用して、便の排出がどのようになるのか、まったくイメージできなかったんです。

ストーマから、ちょろちょろと出続けるのか?不定期的にある程度の量がまとまって排泄されるのか?
どのくらいの間隔で、どのくらいの量が排泄されるのか?
ストマパウチからの排出の仕方とタイミングはどうなるのか?
など。
肛門があった頃のように、排泄物を肛門括約筋でとめることができないから。

とりあえず、楽に処理するためには、腸内にできるだけ便をためて置かないこと、前日は消化の良いものを食べること、が良いであろうと考えられたので実践しました。

病院からの指示は、「検査前日は、残渣の少ない食事を摂ってください。」「野菜、果物、海藻類、キノコ類、種のある物は控えてください。」です。

ということで、検査前日の食事メニューは、検査食を参考にして(関連記事[2])・・・
朝食/クリームチーズマフィン(1個)、水
昼食/おにぎり(海苔なし、小2個)、永谷園のお吸い物(具は残す)、水
夕食/中華がゆ(茶碗半分)、味付き鶏肉(2切れ)、インスタント味噌汁(具なし)、水、チョコチップクッキー(2個)
で我慢しました。
もちろん、アルコールは控えました。

で、結果としては、操作は忙しかったですが、順調に便の排出処理ができました。

*

では、腸管洗浄、便排出の経過をレポートします。

・検査当日の2:30頃から排便が始まる(固形~泥状)→朝まで放置
・朝7:00起床、コップ一杯の水を飲む
・いったんパウチから便をトイレに排出
・はみがき、ひげそり
・経口腸管洗浄剤(モビプレップ)と水を準備

モビプレップ

・トイレ向かいの階段に座り込み、iPhoneをいじりながら、7:45からモビプレップ服用開始

モビプレップの飲み方と便の排出パターンは下の写真のとおりでした。
※飲み方は、説明書と病院からの指定の飲み方とで違っていたので、KenU的に調節しました。

モビプレップ飲み方と排泄状況
↑画像をクリックすると別タブで拡大表示できます。

補足:採血もあり12:00までに病院に行かないといけないので、少し早めに服用を開始しました。検査は13:00。
上写真の飲む時間は、飲み終わる時間の目安にして、パウチから便を排出するタイムロスを考えて少しハイペースで飲みました。

パウチからの排出は、200~300mLくらい?溜まってからにしました。※溜めすぎると、排出操作がやり難くなると思います。
なお、KenUがメインで使用しているパウチの最大容量は実験で確かめています(関連記事[3])。

6杯目の水を飲み終えて、4回目の排泄をしたときには、透明な綺麗な水溶便になりました。

7杯目のモビプレップを飲み終えて、5回目の排便も綺麗な透明だったので、8杯目のモビプレップはパスして、9杯目の水を9:45までに飲み終えて終了しました。
そのときは、トイレに残りのいろはすのボトルとiPhoneを持ち込んで、便座に座って、パウチの排出口を開いて便器に垂らして、水様便を垂れ流しの状態にして10:15までトイレにこもっていました。
その後、いったんパウチの排出口を閉じて、その後11:00までに300mLくらい水様便がたまったので排出し、念のため、余っていたダイアモンドのサンプル(関連記事[4])をパウチ内に入れて病院に向かいました。
結果的に、それ以上水様便は出なかったのでダイヤモンドは活躍できませんでしたけど(笑

*

余談ですが・・・
水溶便は断続的に出たり、ちょろちょろと連続的に出たりしました。
排泄し始めの固形状や泥状の便は、排出後パウチ内を拭かずに便が付着したままにしておいても、後から出てくる水様便で洗えば綺麗になります(笑
なので、パウチの排出口の部分だけ拭きます。

それから、「ここまで必ず飲む」の言いつけを守らなかった理由は、モビプレップの説明書に1L服用途中で排泄液が透明になったら服用を終了してもよいと書いてあったのと、モビプレップがメチャメチャ不味かったから。
一口飲んで吐きそうになりました。
梅ドリンクとピクルスを合わせて水で薄めたような味で、においもへんな酸味臭がします。
これを飲まなければならなかったことは、今回の検査における何よりの拷問でした。
もう、二度と・・・死んでも飲みたくないです(笑
個人的には、ニフレックスのほうが我慢できます。

*

不安要素その4 検査当日のストーマ装具の交換

検査当日は、ストーマ装具はどうしたらよいのか?

換えを用意していくように言われただけで、どんな手順になるのか前もって詳しい説明がなかったんです(というか検査室の看護師さんではなかったので、どのような手順になるのか説明できなかったのだと思います)。

検査当日までに、下剤の影響で下痢をして交換が早まらないか?、腸管洗浄の水様便で面板が溶けないか?など、わからないことばかり。
結果としては、火曜日の晩に交換して、検査まで装具は持ちこたえました。
※お金がかかりますが、毎日交換してもよいくらいの気持ちでいた方が気が楽かもしれません。

それから、「内視鏡検査室の看護師さんは、ストーマ外来や外科の看護師さんと違って、たいしたことはしないだろうなぁ」という予測のもと、自分でメンテナンスキット(関連記事[5])、(関連記事[6])を用意し、面板はあらかじはさみで穴を切って行きました。
それで大正解!!
※なお、手袋と不織布ガーゼは、言えば病院でもらえるので不要でした。

ストーマ装具交換用セット

*

では、検査室でのやりとりです。

看護師:「頭をあちら側に向けてベッドの上に横向きに寝てください。」
KenU:「あのぉ~。お尻からじゃなくて、ストーマなんですけど。パウチはどうしたらよいですか?」
看護師:「そうだったんですか。私が外してもよろしいですか?」
KenU:「できます?」
看護師:「はい。このまま剥がして痛くないですか?」
KenU:「いや、ちょっと待って。リムーバ使わないと。剥がした後は、洗浄してくれるんですか?」
看護師:「ストーマ外来みたいに洗浄ボトルなどは置いていないので、拭くだけです。」
KenU:「やっぱりそうですよね。そう思って道具を用意してきたので、自分で剥がして自分で洗ってもいいですか。」
看護師:「はい、わかりました。どうぞこれ(ビニール袋、不織布ガーゼ)を使ってください。」
KenU:「ビニール袋をお腹に貼り付けたいのでテープありますか?」
看護師:「優肌絆でいいですか?」
KenU:「はい。それから、不織布ガーゼを濡らしてもらえますか?」
看護師:「ぬるま湯で濡らしてきますね。」
KenU:「有難うございます。」

そして、ブラバ剥離剤スプレーを使って手早く面板を剥がして、手袋をはめてハビナース清拭料で手早くストーマを洗浄して(関連記事[7])、ぬらした不織布ガーゼでよく拭き取りました。
ちなみに、ストーマは水様便で洗われて綺麗になっていたので、便臭はしませんでした。

検査後は、ストーマとその周囲が検査で使用したゼリーでベタベタになっているので、ぬらした不織布ガーゼでよく拭き取って、手早くストーマ装具を装着しました。
なお、腸内は空っぽで便が出ることがないので、消臭潤滑剤は帰宅してからパウチに入れました。

*

不安要素その5 異常の発見

がんの再発が見つかるのかどうかが一番の不安ですが、もし見つかったら、それはそれで苦しい思いをしてでも検査を受けた意義があります。

異常が見つかる方がよいのか、見つからない方がよいのか、とても複雑で微妙な気持ちです。

じつは、以前のがんの精密検査の内視鏡検査ときに、S状結腸に直径8mmのポリープが見つかり、その場で切除したという経験があります。

結果的には、今回の検査では、再発やポリープなどの異常は見つからなかったということで、ほっとしました。

*

おわりに

以上、スラムダンクの「湘北の不安要素その4!!素人・桜木!!」田岡監督風にまとめてみました(関連記事[8])。

ということで、はじめてのストーマからの大腸内視鏡検査を無事に終えることができました。

検査自体は、短時間だけ軽度の腹痛があっただけで、それほど辛いものではありませんでした。

辛かったのは、検査前の自主的な食事制限とモビプレップの服用かな。
でも、食事制限をしたおかげで、腸管洗浄を比較的楽にできたのではないかと思っています。

最後に・・・

お尻の穴から内視鏡を入れられるよりも、ストーマからのほうが良かったことが一つあります。

それは、「犯された感」がなかったことです(笑

************** 関連記事 **************

[1]KenUの直腸癌切除術と入院中の備忘録

[2]大腸注腸検査の前日は、仕事は無理。検査時の感覚は・・・

[3]人工肛門ストーマパウチからのトイレでの便の出し方

[4]イレオストミー用の消臭・吸収ゲル化剤をコロストミーが使ってみた。

[5]外出のときのストーマ洗浄用に清拭料をミニ泡ポンプボトルに詰替えてみた。

[6]今頃ですが、ストーマからの排便キットを作りました。

[7]人工肛門ストーマ装具交換の動画をアップしてみた。

[8]何故今SLAM DUNK (スラムダンク)なのか?

***********************************

カテゴリー:ストーマ, 健康, 医療

ストーマ装具を交換するときに、どんな皮膚洗浄料を使用するのが良いか?

2015年のブログもこれで書き納めです。

タイトルについては、はっきりと、これが一番良い、という結論は出ていません。
でも、バックグラウンドを調べてみて、今自分が使っているもので良いのだろう、と考えられたので、記事にしてみます。

*

さて、人工肛門保有者のみなさんは、ストーマ装具交換時の洗浄は、どのようにしていますか?

KenUは、洗浄力がおだやかな弱酸性の泡タイプの清拭料を使用して、ストーマと周囲の皮膚を洗浄し、その後お湯で洗い流します。(入浴直前にお風呂場でします。)

これは、病院で教わった方法で、術後の寝たきりのときにも看護師さんにそのようにされていましたし、ストーマ外来でWOCナースさんにもやってもらっている方法です。

ikinarilarcのYouTube動画でも紹介しています。

*

さて、まずは、pHについて。

健康な肌のpHは、4.5~5.5(弱酸性)。
(出典:皮膚のpH測定テスト、サイエンス株式会社)

「皮膚が弱酸性だから、弱酸性のせっけんで洗うのが良い」と誤解されていますが、pHの問題ではなくて、洗浄力が穏やかで皮脂を除去し過ぎないものが、皮膚を傷めにくいということのようです。

もし、皮膚のpHと同じpHの洗浄料で洗うのが良い、という理屈になってしまうと、ストーマはストーマと同じpHの洗浄料で洗わなければいけない、ということになってしまいます。

では、ストーマ(大腸粘膜)のpHっていくつなの?

——–
[2016/6/1記事修正]
下に示した文献のpHはあてにならないことが分かりました。
KenUが自分で実測した結果では、pH8.5~pH9.0でした(関連記事のリンク参照ください)。
——–

直腸粘膜pHは、7.31±0.17。※消化器疾患のない対照群
(出典:日本消化器病学会雑誌 潰瘍性大腸炎の直腸粘膜pH値 Vol. 83 (1986) No. 2 P 165-169)

でも、腸内は、種々のpHのうんちが触れているから、必ずしもpH7.3付近の洗浄料を使用しなくても大丈夫なはず。

では、うんちのpHは?
成人の便は、pH5.5~pH8.0。
その範囲を超えることは、ほとんどない。
便の部分によるpHの差がある。
水分が多く、有機酸も多いと、便pHは低くなる傾向がある。
(出典:カルピスよくあるご質問 http://www.calpis.co.jp/flora/qa/ )

腸内のpH が低いほど便の色は黄色っぽく、pH7.0(中性)を越えると茶色っぽく、pH8.0(弱アルカリ性)になると黒っぽくなる。
(出典:糞便中pH測定、株式会社テクノスルガ・ラボ)

*

次に、ストーマケアについて。

『ABCD─Stoma®ケア』(←参照リンク)というのをご存じですか?
一般社団法人 日本創傷・オストミー・失禁管理学会で編集しています。

ストーマケアに従事している医療者とオストメイトが、ストーマ周囲皮膚障害の重症度を客観的に評価できるスケール(ものさし)を用い、適切なスキンケア方法を導き出すツールです。

その中からいくつかピックアップすると・・・

皮膚障害の原因の一つに、”排泄物の付着”があげられていて、その要因に”皮膚保護材の浮き”があげられています。
「水分・油分がのこったままで装具装着をしている。」場合に皮膚保護材が浮きやすくなることから、「弱酸性の洗浄剤を用いて皮膚洗浄し、十分に洗い流す。」がケア:実践・指導の内容になっています。

また、皮膚障害の別の原因に”感染”があげられていて、その要因に”不適切なスキンケア”があげられています。
「装具交換時に皮膚洗浄を実施していない。」場合には、「装具交換時は、洗浄剤を用い十分に皮膚を洗浄する。」がケア:実践・指導の内容になっています。
ここでは、とくに「弱酸性の」とは書かれていません。

*

さらに、洗浄力について。

洗浄料の主な洗浄効果成分は、界面活性剤と呼ばれるものです。
界面活性剤には、いくつかのタイプがあり、「イオン性界面活性剤」 と 「非イオン性界面活性剤(ノンイオンとかノニオンとも言う。)」とに大別されます。
さらに、イオン性界面活性剤でも「アニオン界面活性剤」、「カチオン界面活性剤」、「両性界面活性剤」に分類されます。

界面活性剤のタイプによって、使用用途や洗浄力が色々です。

ストーマは、皮膚とは違います。
大腸です。
そして大腸表面には粘液が分泌され、ムチンと呼ばれる粘膜で覆われています。
ムチンは、糖たんぱく質です。
糖たんぱく質は、イオン性界面活性剤をよく吸着します。
洗浄力が強い界面活性剤で洗うのは不安です。
なので、ストーマの洗浄には、非イオン性界面活性剤の選択が良いかもしれません。

また、抗菌成分、殺菌剤配合の泡せっけん、というものが市販されています。
皮膚はバリアー性があるので、そのような洗浄料の皮膚への使用は問題ないでしょう。
でも、大腸粘膜に使用するのはどうでしょう?
殺菌剤である硝酸ミコナゾールの膣粘膜からの吸収性に関する論文があります。
それによると、投与量の5~10%が粘膜から体内に吸収されるとのこと。
抗菌剤、殺菌剤を含むソープは、ストーマ洗浄には使わないほうがよいように思います。
そもそも、洗浄料の界面活性剤の作用で除菌されるのですから。

*

ということで、ストーマ装具の交換時には、皮膚とストーマを同時に洗浄しますが・・・
このまま今使用している、弱酸性で、洗浄力がマイルドな非イオン性界面活性剤で、抗菌成分や殺菌剤が入っていないもの、で良いなと思っています。

それから実際には、KenUは、入浴時に身体を洗うのと同時に、ボディーソープでストーマ周囲の皮膚をもう1回洗っています。
皮膚保護材(シレッセ スプレー)をしっかり落としたいし、清拭料で洗っただけは物足りない感じがするので。
ちなみに、使っているボディーソープは、Dove RICH Care(ダヴ リッチケア)シアバター&バニラ ボディウォッシュです。 香りが好き。(※これでストーマは洗いません。)

——–
[2016/6/1記事追加]
上記ボディーソープのpHを測定した結果、pH7.0付近でした。
——–

これまで、とくに問題はありません。
毎回、ストーマと皮膚をよく観察して、状態に応じてケアすれば良いと思います。

*

余談ですが、ここで下痢便に関して、一石を投じたいと思います。

ストーマケアを調べていてよく目にするのが、「下痢便はアルカリ性だから、弱酸性の皮膚への刺激が強く、かぶれを起こす。」というもの。

しかしそれは、このブログ記事の「うんちpH」での説明とは逆のことを言っています。
下痢便は、水分が多いし、黄色っぽいから、アルカリ性ではなく弱酸性のはず。

十二指腸や小腸から分泌される消化液は、たしかにアルカリ性です。
それによって胃酸(pH1.5~2.0)が中和される訳ですが、でも、十二指腸のpHは4.0~7.0であり、アルカリ性にはなりませんし、小腸内のpHは6.0~8.0であり、必ずしもアルカリ性になるという訳ではありません。

下痢便の黄色っぽい色は、肝臓で生成されて十二指腸に排出される、黄褐色でアルカリ性の胆汁によるものです。
だからといって下痢便がアルカリ性であるという理由にはなりません。

そして、下痢というのは、食べて消化されたものの腸内通過速度が早い、すなわち、便の水分が腸から体内に吸収されにくい、ということです。
だから水分を多く含んだままの下痢便になるんですね。

また、腸内通過速度が速いということは、胃酸もアルカリ性の腸液で中和されにくくなる。
だから、pHが低くなるんですね。

逆に・・・
ゆっくりと便が通過すれば、腸液(アルカリ性)に触れる時間が長くなって、胃酸がアルカリ性になりやすい。
ゆっくりと便が通過すれば、水分が時間をかけて体内に吸収されて、硬い便になる。
そう考えると、カルピスさんやテクノスルガ・ラボさんが言っていることと、つじつまが合いますよね。

また、消化が悪いものを食べると下痢をするというのは、①ヒトが消化できなかったものを腸内細菌が消費し、②有機酸が産生され、③pHが低下し、④弱酸性になり、⑤腸が刺激されて、⑥蠕動運動が活発になり、⑦腸内通過速度が速くなる、ことからなると言われています。

下痢便中の消化酵素の影響が言われていることについては、酵素活性が高くなる至適pHは弱アルカリ性であり、弱酸性の下痢便では酵素活性は低くなるので、影響は小さいのでは?

下痢便がストーマケアにとって良くない理由は、皮膚のマセレーションと脆弱化?

以上、下痢便は弱酸性かアルカリ性か?
どちらが正しいと思います?
反論をお待ちしております(笑

************** 関連記事 **************

人工肛門ストーマ装具交換の動画をアップしてみた。

pHと硬度は本当はどれがいい?ミネラルウォーター比較一覧表とグラフを作った。

外出のときのストーマ洗浄用に清拭料をミニ泡ポンプボトルに詰替えてみた。

夾雑物のない純粋な大腸粘液のpHを測定してみた。

人工肛門から出る便のpHとストーマ用品のpHはどれくらい?

***********************************

カテゴリー:ストーマ, 健康, 医療

KenUの直腸癌切除術と入院中の備忘録

まあ、手術後はとにかく色々とありました。
普通ではめったに起きないことがたくさんです。
今回は記事というよりも、個人的に記録しておきたいことをメモするもので、特に読みどころはありません(笑。

前半はつまらないので、気が向いたら後半の“同室のおもしろかった入院患者さんの話”を読んでみて下さい。

*

“入院から退院まで”

5/22 入院
お臍ふき、シャワー、ニフレックス(経口腸管洗浄剤)、下剤、術前説明、麻酔医からの説明(A先生かわいい^^)

麻酔説明 あかね先生の文字

麻酔説明 A先生の文字

5/23 手術
初めての麻酔と手術。
硬膜外麻酔の準備は全く痛くない。
あっという間に眠らされ、目覚めさせられた時には時間が経過したという感覚がない。

腹腔鏡手術で直腸、肛門、リンパ節を切除。
人工肛門(ストーマ)造設。
およそ5時間の手術。
鼻、お尻、おちんちん、お腹に管が入り、背中にはエピドラ。そして酸素マスク。
術後は意外にも元気。TVが見られる程。

5/24PM 激しい胃痛
十二指腸潰瘍時にも経験のなかったみぞおち辺りが張り裂けるような激痛。
エピドラも痛み止めの点滴もH2ブロッカー?も効かない。

5/25AM 赤茶色っぽい液体を嘔吐
ビニール袋1袋分(1.5L)くらい。

5/25PM 検査と処置
造影剤CT後、腸閉塞の疑いで鼻の穴からイレウス管を小腸まで挿入。
小腸の奥まで通すまで30分を要す。
途中、鼻腔から注入した麻酔が切れて、おえっとなって涙目に。
追加麻酔で収まる。
イレウス管は入れっぱなしで小腸液をドレン。

5/26 車椅子上で意識喪失
腹部レントゲンを撮影するために病室からレントゲン室まで車椅子で移動し、撮影の順番を待っている間に意識を失う。

5/28 2回目の手術
腸閉塞が自然回復する見込みがないと判断。
緊急手術(開腹手術)。
直腸癌切除術で生じる臓器除去後の空間を縫合して埋めたところの1cmにも満たない隙間に小腸が入り込み、血流が遮断されたため小腸が壊死。
壊死部を切除し小腸を縫合。

小腸閉塞手術説明図

小腸閉塞手術説明図

5/30 エピチューブを抜去
エピドラから点滴の鎮痛剤のみに。

鼻から胃まで入れたカテーテルから青汁のような緑色の液体が出てくる。
見ていて気持ち悪い。う~俺はプレデターか?

5/31 歩行訓練開始
めまいがしたため、立って足ふみだけで終了

6/1 歩行訓練
洗面所まで歩行できたので、尿道カテーテルを抜去。

6/5 体温上昇(38.5℃)
造影剤CTとエコー検査。
原因はっきりとせず尿路感染の疑いで抗生物質の点滴投与。

尿道カテーテルを抜去するまでの期間が長かったことが原因か?
または、術後の神経障害による排尿困難が原因か?

6/14 退院
その他、ストーマ装具からの便漏れの影響で開腹手術の縫合部が化膿し、ドレンのため切開していたので、自宅で傷の洗浄と上皮化の処置を継続。

(前日6/13に改めて主治医からの退院前説明を受ける。切除した臓器の病理組織検査による確定診断の結果、ステージ2の癌だったとのこと。)

6/15夕方 腹痛
左下腹部が痛い。きんたまを蹴られた時の痛みに近い。
風呂に入った時に原因がわかった。
左側の睾丸が腫れている。
睾丸自身も痛い。
ネットで調べると、恐らく精巣上体炎。

6/17 外科外来
38℃の発熱。
睾丸が痛くて歩けない。 持ち上げると痛みがやや治まる。

6/19 泌尿器科外来そして即入院
39℃の発熱。
検査結果は精巣上体炎。
外科入院時の尿路感染が治りきっていなかったのかも。
エコー検査の結果では排尿困難ではないとのこと。
抗生物質での点滴治療。

6/26 退院
退院後は経口の殺菌剤を服用。

*

ただでさえ、ストーマになって精神的にも肉体的にも疲弊しているのに、よくもまあ次から次へと合併症が起きること。

KenUは運に見放されました。

でも、運が良かったことと言えば、切除した臓器の病理組織検査の結果、直腸表層のみで裏まで突き抜けていない癌だったため抗がん剤投与は必要ないとのことでした。

***************

“同室のおもしろかった入院患者さんの話”

外科での入院中のKenUの隣のベッドにいた年配の患者さんが面白かったので、出来事をノートにメモして妻と筆談して笑っていたのでその内容を書きます。

*

(1)隣のおじさん、時々独り言で「(入院)飽きた」とつぶやいています。

ある日の隣のおじさんと女性看護師さんとの会話のメモ
おじさん:「飽きた」
看護師:「・・・・・」
おじさん:「家に帰れば待ってる女がいるんだ。」
看護師:「そうなんだぁ。奥さんとか家族はいないの?」
おじさん:「家族はいない。」

妻とKenUの筆談
妻:「待ってる女って、なにこれ?!」「でもさ~、毎日、午後6時頃に世話しにくる人いるよね? 顔が似てるから息子さんだと思うんだけど。」
KenU:大爆笑

*

(2)隣のおじさん、自分で歩けるくせに食事の時にいつも看護師さんにコップに飲料水を汲んできてもらっています。

妻とKenUの筆談
KenU:「自分で汲みに行けよ!」「KenUは歩きたくても歩けないからうらやましいのに贅沢だ。」「それか、待ってる女にお願いしろよ(笑)」
妻:「ほんとだよねぇ~! 女の人・・・こないねえ~!!」

*

(3)隣のおじさん、同室の患者さんの検温や処置に来た女性看護師さんを大した用もないのに必ず呼び止めます。

隣のおじさんと女性看護師さんとのいつものやりとりメモ
おじさん:「看護婦さん。」
看護師:「・・・・・」
おじさん:「看護婦さん。」
看護師:「今こちらの患者さんの処置をしているからね。」
おじさん:「看護婦さん。」
看護師:「終わったら聞きますから待っててくださいね」
おじさん:「看護婦さん。」かなりしつこい(笑
看護師:「・・・・・」

しばらくして、終わってから。
看護師:「はい終わりましたよ。何ですか?」
おじさん:治療とは関係の無いどうでも良いことを話す。

妻とKenUの筆談
KenU:「ただの女好き。」「看護婦さんと話したいだけじゃん(笑)」
妻:「“看護婦さん”と呼んだとき・・・、看護婦さんのうんざりした顔つきを見てしまった。」
KenU:笑

*

(4)隣のおじさん、看護師さんが病室にくると本当によく喋ります。

KenUが女性看護師さんに検温、spO2測定しているもらっているときのおじさん撃沈メモ
おじさん:「看護婦さん。看護婦さん。」いつものように呼ぶ
看護師:「はい、○○さん何ですか?」
おじさん:「この人なんの病気で入院してるの?」
看護師:「それは言えないんだよね~。」
おじさん:「いいじゃん。」
看護師:「教えない。」
おじさん:「なんで?」 しつこい(笑
KenU:「あのね、看護師さんには守秘義務っていうのがあるから言えないんですよ。」
KenU:「看護師さん、僕が自分の口から言う分にはいいですよね?」
看護師:「ええ、まあ・・・」
おじさん:「なに?」
KenU:「直腸がん」
おじさん:「・・・・・・・・」沈黙。静かになった(笑

妻とKenUの会話
妻:「笑」
KenU:「泣く子も黙る何とかだからね。」

*

(5)ふとんは病院のですが、タオルケットは必要であれば各自用意して使用して良いことになっています。

同室の患者さんが女性看護師さんにタオルケットをかけてもらっていた時の会話のメモ
おじさん:「看護婦さん。」いつもどおり呼ぶ
看護師:「は~い」
おじさん:「おれもタオルケットほしいなぁ~。」
看護師:「自分の家から持ってきてくださいね。」
おじさん:「病院のタオルケットかと思った。」「じゃあ、我慢すっかな。」

妻とKenUの筆談
KenU:「我慢するんじゃなくて、ほしかったら息子らしき人にもってきてもらえよっ!(笑)」
妻:「“待ってる女の人”に連絡して持って来てもらえばいいのに・・・」「遠いのかな? それとも夢の女か?」
KenU:笑

後日、見かけたことのない年配の男性がタオルケットを届けに来た(笑

*

(6)同室の患者さん同士雑談することがある。

同室の患者さんと隣のおじさんの会話のメモ
同室の男性:「毎日、お見舞いに来る人は息子さん?」
おじさん:「そう。息子。」
同室の男性:「体格いいねぇ~」

妻とKenUの筆談
KenU:「やっぱり息子だったんだね。」
妻:「第一印象は、で、でかい!って思った。 そして、顔を見て・・・似てる、親子だ!と思った。」
KenU:「家族いるじゃん!」(笑)

*

(7)KenUは術後やたらとおしっこが近くて、夜中1~2時間おきにトイレに排尿にいっていました。そしてわかったこと。

妻とKenUの筆談
KenU:「隣のおじさん、たぶん、睡眠時無呼症候群だと思う。」「夜中、何度も息してなかったし。」「いつも昼間に眠たそうにしてるし。」
妻:「それって、危なくないの?」
KenU:「さあ?」

*

(8)隣のおじさん、数日前に体のどこかに入れていた菅を抜きました。

ある日の隣のおじさんと女性看護師さんとの会話のメモ
おじさん:「看護婦さん」
看護師A:「何ですか?」
おじさん:「いつ体の管抜いたんだっけ?」
看護師A:「えーと、2日前ですね。」

翌日、別の看護師さんに・・・
おじさん:「看護婦さん」
看護師B:「○○さん、な~に?」
おじさん:「いつ体の管抜いたんだっけ?」
看護師B:「ちょっとまってね。3日前だね。」

KenUのメモ
KenU:「今日もまた違う看護師さんに同じこと聞いてるし。」「女の人にかまって欲しいだけだな。」「しかも、それを聞いて何がしたいんだろう?」

*

(9)隣のおじさんいよいよ退院。 北川景子似の女性看護師さんが同室の患者さんの検温と血圧測定に来ています。

隣のおじさんと女性看護師さんとの会話のメモ
めずらしくおじさんは看護師さんを呼びません。
そして、看護師さんが同室の他の患者さんの血圧測定が終わってから呼びました。
おじさん:「看護婦さん」
看護師:「何ですか?」
おじさん:「俺の血圧測らないの?」
看護師:「今日、退院するから。」と一言だけ(笑
おじさん:「・・・・・」

*

(10)そして、いよいよ隣のおじさんが退院する時がきました。
いつもの息子さんと、もう一人はじめて見る年配の女の人が来ていました。

おじさん達がいなくなってからの妻とKenUの会話
妻:「女の人来たね。」
KenU:「待ってる女か?」(笑)
妻:「息子さんの奥さんかな?」
KenU:「いや、自分の奥さんじゃない?」「だって、女の人はおじさんに対して結構タメ口だし、いたわりの言葉も無いし。」「不思議なのは、一度も見舞いに来なかったよね。」「もしかしたら、奥さんと仲が良くないから架空の待ってる女を作り上げたのかも」
妻:笑

*

とにかく隣のおじさんには笑ってしまいました。
開腹手術後でただでさえお腹が痛いのに、笑い過ぎて死ぬほどお腹が痛かったです。

************** 関連記事 **************

ストーマ装具の選定と便排出処理するのにこんなのが欲しい!

ストーマで困るのはスボンと下着と入浴とセックス

手作りストーマパウチカバーの型紙と消臭ストーマパウチカバーの作り方

ストーマ造設後およそ3か月での大きさ変化

人工肛門ストーマパウチからのトイレでの便の出し方

ストーマになって、ビールからシングルモルトウイスキーに・・・

人工肛門ストーマ装具交換の動画をアップしてみた。

ストーマでも、いきなり大型自動二輪免許とりました。

人工肛門ツーピース装具のメリットに関するKenUツイートまとめ

人工肛門造設後はスマートがすべてストーマに見える

はじめての人工肛門からの大腸内視鏡検査と不安要素

安心してください。人工肛門オストメイトは臭くないですから。

***********************************

カテゴリー:ストーマ, 健康, 医療

はがすときに痛くない絆創膏(医療用粘着テープ)「優肌絆」・ほくろ除去にも

KenUは3月末に個人病院で痔の手術をした訳ですが、病院からの指示で術後の毎日の自分での処置として、丸めたコットン不織布を肛門にあてて病院からもらった絆創膏(ばんそうこう、医療用粘着テープ、サージカルテープ)を使っておしりに固定し、出血や浸出液で汚れるたびに1日に何度も交換していました。
何度もテープを貼ったり剥がしたりするので、おしりの皮膚も弱くなって、剥がすときにピリピリして痛かったです。

そんな時に思い出したのが下写真↓の ” 優肌絆 ”(「ゆうきばん」と読む。)。
これ、貼って剥がしても痛くないんですよ。
皮膚への刺激も少なくて、肌を痛めにくい。

優肌絆スキンカラー

YU-KI BAN Skin Color Made in Japan

この製品名の由来は、お肌に優しいばんそこうという意味だと思います。

しかも、安全・安心のメイドインジャパン^^。
こちらでは別の公立病院の中に入っているファミリーマートで1巻172円(税込み)で販売されています。
それで、早速購入してきました。

優肌絆スキンカラー(病院内コンビニエンスストアーにて販売)

優肌絆スキンカラー(病院内コンビニエンスストアーにて販売)

販売元の日東メディカルのホームページ(←参照リンク)の優肌絆に関するサイト(←参照リンク)を見てみると優肌絆にはラインナップとして、スキンカラーの他に白色、肌色、プラスティックなどありますが、恐らく病院から指定されているのでしょうね、スキンカラーのみが販売されています。

まあ確かにスキンカラーさえあれば他の種類はいらない気がします。

優肌絆スキンカラーと白色絆創膏貼付時の色調比較

優肌絆スキンカラーと白色絆創膏貼付時の色調比較

*

実は、この優肌絆スキンカラーには数年前に下の娘(次女)がお世話になっています。

娘には生まれつきこめかみ近くに比較的大きな黒子(ほくろ)がありました。
先天性色素性母斑というやつです。
小学生の頃にはいじめの原因にもなっていたりしたようです。
そして、高校生になってから公立病院の整形外科でほくろを除去する手術(保険適用)を受けて、そのときに優肌絆にお世話になったという訳です。

*

ほくろの位置と大きさのイメージのイラストを描いて見ました。
下イラストの赤色に塗った部分がホクロで、横10mm×縦20mmくらいの大きさがあったと思います。

ほくろの位置と大きさのイメージ

ほくろの位置と大きさのイメージ

実際に行った手術は、麻酔をしてメスで切除して縫合するといった簡単なものでした。

ほくろを切除し縫合したところに、縫合創の保護・保湿と日焼け防止(紫外線UV防御)とマスキング(覆い隠す)のために5mmくらいの長さに切った優肌絆スキンカラーを傷口と直角方向に並べて貼って、入浴時に毎日張り替えるように医師からの指示があり、途中2週間目くらいに抜糸した後も約3箇月間貼り替え続けていました。

肌を痛めない優肌絆だから毎日交換できたんですね。

ほくろの処置のイメージも下にイラストで示しましたが、優肌絆スキンカラーを縫合創の上にじかにイラスト右のように貼ります。
傷跡に直に貼るというのは意外でした。
縫い跡も隆起せず肥厚性瘢痕になることなく、パッと見た目ほとんど分からない程に治りました。
このテーピングは傷口をきれいに治す効果があるそうです。「テーピングについて」←参照リンク(独立行政法人 国立病院機構 埼玉病院より)

左:ほくろ 中:切除縫合創 右:優肌絆貼付

左:ほくろ 中:切除縫合創 右:優肌絆貼付

こめかみ辺りの同じ場所、しかも縫合したところの上に直接毎日貼って剥がすなんてことは優肌絆以外のテープでもできるのでしょうか?。

なお当然のことながら、この時の優肌絆は病院からの支給ではなく、病院内コンビニで自分で購入してくださいとのことでした。

*

それで、なぜ優肌絆は貼ってはがす時に痛くないのか?
一般の絆創膏と何が違うのか? どう違うのか?
調べてみました。

優肌絆には、一般の絆創膏とは異なった ” ゲル粘着剤 ” という粘着剤が使用されています。

ゲル粘着剤についてKenUから分かりやすく説明しにくいのですが、アクリル粘着剤のマトリックス中に油性成分を抱え込んでいるのでプニュプニュしてネットリした感じで肌に密着するようにくっつく粘着剤になっています。

説明がへたですみません^^;

これの何がいいのかというと、剥がしたときに皮膚の角質層が保護されます。
わかりやすく説明するために、自分の皮膚を使って実験してみました。
下の写真の左側は何もしていないセロファンテープで、右側はKenUの手の甲に貼って剥がしたセロファンテープです。
右側は、白っぽく皮膚の模様が見えていますが、これが剥離した角質です。

優肌絆は、普通の絆創膏に比べて角質層の剥離が少なくて肌を痛めにくいんです。
だから剥がす時にピリピリしたり痛かったりしないんですね。

セロファンテープによる角質剥離(右)

セロファンテープによる角質剥離(右)

先ほどリンクを示した優肌絆のページでは、普通の粘着剤のテープを新聞紙に貼って剥がすと破れてしまうけれども、ゲル粘着剤のテープを新聞紙に貼って剥がしても破れないことを示す動画が公開されています。

しかし、実験条件が明確でなく、メーカー側で有利になるように何か仕組まれているかもしれないので、KenUも実験、検証してみました。

4/30朝日新聞の印刷図柄がほぼ同様の部分に優肌絆スキンカラーと他社(国内メーカー)白色絆創膏を軽く指で押し付けながら貼付し、20分間放置した後に普通の速さで剥がしました。
その結果、他社品では新聞紙が破れましたが、優肌絆ではインクが粘着剤に若干移りましたが紙が破れることはありませんでした。
なるほど、メーカーの説明に嘘はないようです(笑

優肌絆スキンカラーと他社白色絆創膏による新聞紙貼付剥離比較(左:貼付時、右:20分後に剥離)

優肌絆スキンカラーと他社白色絆創膏による新聞紙貼付剥離比較(左:貼付時、右:20分後に剥離)

*

それにしてもこの製品は薬局やドラッグストアではまったく見かけませんね。
ニーズはあると思うんだけどなぁ。
メーカー自身がドラッグストアに普及させようという意欲がないのかも知れませんね。

ちなみに、優肌絆スキンカラーのテープの基材は不織布ということですが、紙テープっぽい素材なので指でちぎることが出来ます。
急な時でもハサミがなくても使用可能です。

Amazonでは優肌絆スキンカラーの1巻売りは見つかりません。
白色の優肌絆(不織布)は日東メディカルの関連会社の二トムズから一巻入り製品がラインナップされています。
紫外線をブロックする必要がない用途なら、スキンカラーではないこれでも良いと思いますが、巻き数が少なかったり(m数が短かい)、ブリスターパック包装になっていたりするので、コストはやや高めになっています。

ニトムズ 優肌絆 肌にやさしいテープ 不織布(白) 12mm×4.5m
←Amazonで見てみる。

ニトムズさんは、ラインナップに優肌絆スキンカラーを加えて、紙箱の簡易包装仕様で販売すればよいのではないかと思います。

楽天ショップには優肌絆スキンカラーをばら売りしているところがありました。
クロネコDM便や定形外郵便対応かどうかはショップに問い合わせてみてください。

ドラッグストアに無いのはメーカー知名度の関係ですかねぇ?
ホームページもこの分野で大手のニチバンに比べたら・・・・だし?

良い製品なのにもったいない。

カテゴリー:アイテム, 健康, 医療

衛生管理における”手洗いの仕方”と”エアシャワーの浴び方”

著作権フリーの画像がなかったので、自分でイラストを描きました。

KenUのブログサイト(https://ikinarilarc.wordpress.com/)を画像のダウンロード元として記載していただけるならば、ダウンロードして自由に加工して使用することを許諾します。
ただし、無料ですが商用での使用と二次配布は禁止します。

手洗い残しの多い部位

クリックすると別ウインドウでダウンロード用拡大画像表示 (画像サイズ1636×882pix、 画像解像度300dpi 、 ファイルサイズ186KB)

この絵は何かというと・・・
インフルエンザ感染予防やノロウイルスなどによる食中毒予防対策として、「手を洗いましょう!」と言われていますよね?
で、手洗いの時に洗い残しが多い部分を検討したテイラーさんの論文1) をイメージ化したものです。
1) Taylor, L. J. ; An evaluation of hand washing techniques – 1. Nursing Times, 74, 54-55(1978).

シーグリーン(濃い緑色)は洗い残しが起こりやすい部位で、ターコイズ(薄い緑色)は洗い残しがやや起こりやすい部位です。

ちなみに他で示されているのはこちら↓

厚生労働省;高齢者介護施設における感染対策マニュアル(平成25年3月)(←参照リンク)より
手洗いミスの多い部位_感染対策マニュアルより←参照リンク(PDFファイル)

大日本住友製薬;医療情報サイト II.手指衛生と消毒(←参照リンク)より
手洗いミスの多い部位←参照リンク(JPEGファイル)

ユニバーサルプレコーション実践マニュアル-新しい感染予防対策-より
手洗いミスの多い部位_ユニバーサルプレコーション実践マニュアル←参照リンク(JPEGファイル)

それぞれ細かい違いはありますが、それを突き詰める意味はありません。
なぜなら、「これくらい洗い残しがあるんですよ」というのが分かってもらえれば良いのですから。

ちなみに、下二つはどちらかがパクッたようですね(笑

*

さて、前置きが長くなってしまいましたが、手洗いにはつぎの3種類があります。

1. 日常的手洗い(Social hand washing)・・・食事前やトイレ後などに日常生活で行う手洗い。

2.  衛生的手洗い(Hygiene hand disinfection )・・・食中毒、感染予防、汚染防止のために製薬・食品・医療現場などで行う手洗い。

3. 手術時手洗い(Surgical hand disinfection)・・・医療スタッフやドクターが手術の前に行う手洗い。

これまでみなさんは日常的手洗いを行っていたと思いますが、現在では厚生労働省(厚労省)が食中毒などの予防のために、一般の人やこどもにも”衛生的手洗い方法”を指導しています。

厚生労働省ホームページ,<こども向け>食品の安全(←参照リンク)より
厚労省発行 正しく知ろう!「食(しょく)」の安全←参照リンク(PDFファイル)/パンフレット(厚労省発行);正しく知ろう!「食(しょく)」の安全

その他には、世界保健機関(WHO:World Health Organization)、UKの国民保険サービス(NHS:National Health Service)が指導している衛生的手洗い方法(Hand Hygiene Technique with Soap and Water)というのもあります。

WHOホームページ,Clean hands protect against infection(←参照リンク)より
WHO 衛生的手洗いの仕方←参照リンク(PDFファイル)/how to hand wash poster

これら厚労省やWHOの衛生的手洗い方法と手洗いミスの多い部位を見比べてみると、どの手洗い動作がどの部位の洗いミスに対応しているのかということが良くわかります。

それで、
“厚労省の方法”には、指の第一関節の洗浄に効果的と思われる“WHOの方法”の5番の動作がない。
“WHOの方法”には、手首の洗浄に効果的と思われる“厚労省の方法”の7番の動作がない。
ということに気が付きました。

ということで、“WHOの方法”に手首を洗う動作(厚労省の方法)を付け加えれば完璧かと思いますので、衛生管理で規定している手洗い方法の手順を見直されてはいかがでしょうか?
実は、マクドナルド(McDonald’s)では既にそのような手順で手洗い教育を実施しています。 さすが世界のマックですね。

*

続いても衛生管理の話で、手洗いとも関連があるのでエアシャワーの浴び方について書いてみます。

食品や医薬品の工場見学に行ったことがある人は知っていると思いますが、工場に入る前に無塵服(無塵衣ともいう)というほこりが発生しない長繊維ポリエステルでできた作業服に着替えてから、手洗いをして、それからエアシャワーを浴びて作業服についたゴミを落としてから作業場に入室します。

エアシャワーというのは、HEPA(ヘパ)というフィルターでろ過された粒子を含まない清浄な空気が、壁の左右からビューっと噴き出る個室になっていて、無塵服についた髪の毛や塵埃(じんあい)などを吹き飛ばします。
トイレにある三菱ジェットタオルの全身用みたいなものですね(ちょっと違うけど^^;)。

それで、エアシャワーの浴び方を調べたところ、会社によって多少に違いはありますが大きく2通りの方法がありました。

(1)身体を1回転しながら無塵服を両手で軽く叩く動作をする方法。

(2)手を上げて身体をくるくる回転(1~3回転)する動作をする方法。

エアシャワー内でボーッと突っ立っていれば良いという訳ではないんですね。

(1)の方法は、恐らく文献2)が根拠になっているのであろうと思います。
2)竹内和男ら;クリーンルームに関する研究(その2)-エアシャワーの効果-,大林組技術研究所報 No.30(1985) ←参照リンク(PDFファイル)

身体を回転するのは、身体全体に風をあてるという意味で確かに効果的と思います。
手で無塵服を叩くのは、旧型のエアシャワーはパンカールーバーというエアー吹き出しノズルが採用されいて風の噴流が単調なので、それを補って除塵効果を向上させようというものですが、せっかく洗った手が汚染されかねない、ポンピング現象による発塵(肌着に付着しているほこりや繊維くずが無塵服の下から舞い出てしまう)が起こるという逆効果も考えられます。

叩く動作をするかどうかは、その会社の業態や作業内容や製品の要求品質などを考えて、無塵服の種類やエアシャワーを浴びる時間の組み合わせでも効果が変わってくると思いますので、よく検証してから決定したほうが良いと思います。

最近のエアシャワーは、日立アプライアンス(株)ではフラッタージェットノズルを採用し、日本エアーテック(株)ではパルスジェットノズルを採用し、噴出するエアー自身に衣服を叩く効果を持たせたものがあります。
叩く効果といっても、衣服を搖動するものなので手で叩くほどのポンピング現象は起こらないのではないかとKenUは勝手に想像しています。
このようなエアシャワーを設置している場合には(1)ではなく(2)の方法で良いと思います。

*

では(2)のエアシャワーの浴び方では、どのように手を上げたら良いのでしょうか?

米国のエアシャワーを製造販売しているLiberty Industriesでは、「rotate continuously 360 degrees, with hands on their heads as illustrated during the air shower cycle to insure contamination removal is as efficient as possible.」(手を頭にやり360°回転)と言っています。

Libertyホームページ,Air Showers – Are they worth the cost?(←参照リンク)より
Liberty airshower←参照リンク(LivertyサイトAir Shower Newsletter)

かっこいい。アメリカの映画でFBI捜査官が犯人に拳銃を向けて「手を上げて後ろを向けっ!」というシーンみたいですね(笑
でも、せっかく洗った手を頭に付けないほうが良いのでは?とも思います。

とすると、”友達の輪っ!”みたいな感じにするのが良いのでしょうか?^^
air shower pose3

日本国内のサイトを検索してみると、両手を高く上げて(ばんざいして)浴びるというのが多いようです。
air shower pose2
恐らく、どこかのセミナーとかコンサルタントの言うとおりにしているだけかと思いますが、
エアシャワー室の上のほうの壁面にはエアー噴出し口(ノズル)が無いので前腕部に風が当たりにくくなるし、背の高い人は天井に手があたってしまわないかな?と思います。

ということで、上腕をまっすぐ前に伸ばして肘を直角に曲げるポーズか、上腕を横に水平に伸ばして肘を直角に曲げるポーズが良いのではないかとKenUは思います。
air shower pose1

*

余談ですが・・・
通常細菌やウイルスは空気中を単独で浮遊するのではなく、埃に付着した状態で浮遊しています。
ファンデルワールス力という引力で引き寄せられて凝集するからです。
不織布マスクの網目は数μm(マイクロメートル)だから大きさが0.1μmのウイルスは簡単に通り抜けてしまうのでは?と考える人がいるようですが、上記の理由から数μmの粒子が除去できれば良いということになります。
また、例えば単独でウイルスや細菌がマスクを通り抜けようとしても、マスクの入り組んだ網目の中を通過中にファンデルワールス力によってマスクの繊維に吸着すると考えられます。

また、手はかなりウイルスや細菌で汚染されますから、手で唇に触れる癖のある人にもマスクの着用は効果的です。
何もしないより、マスクの着用はインフルエンザ予防に効果があるのは明らかです。

*

↓股関節が左右に広げられないのが残念^^;

カテゴリー:健康, 未分類

MIZUNO競パンKX85RD120のローズはすごくいい色だよっ!

そういえば、自分には何もクリスマスプレゼントなかったじゃんっ!

と思い、毎週水泳に行っていて水着も緩んできたので「そろそろ新しいの欲しいなぁ~」となり、

ミズノ(MIZUNO)男性用 競泳水着 ハーフスパッツKX  85RD-120

楽天市場ノスコスポーツから送料合わせて7560円で購入!

KenUは競泳をするわけではなくフィットネススイマー、レクリエーションスイマーなのですが、はき心地の良さに魅せられて、いつも競泳用ハーフスパッツを選んでいます。

この競パンは2013年秋・冬モデルなのに品薄なようで、サイズMで選べる色があまりなくて、ターコイズ/ネイビー(24)かローズ/ブラック(65)を最終候補に選んで、悩みに悩んで男性には一番人気がなさそうな色65にしてみました。

で、届いてみたら、カタログ写真のイメージとぜんぜん違って、大変良い色ではないですかっ!!^^

MIZUNO 競泳水着 ハーフスパッツKX 85RD12065

すごく気に入りました。

素材のうちポリウレタンがプールの塩素で傷みやすいのですが、ポリウレタンの使用量を少なめにしているのと、ポリウレタン自身痛みにくく改良した素材を使用しているということで、これまで着用していたウォータージーンよりも長持ちしそうなので、期待しています。

mizuno KX85RD120 素材KX 85RD120

*

↓ウォータージーン

mizuno_WG85RD-05095_素材WG 85RD-050

*

カテゴリー:アイテム, スポーツ, 健康

便秘で死亡することも・・・浣腸、摘便でも出ない。そして大腸穿孔。

今回の記事は、書こうかどうか迷いました。

ですが、これを書くことで、認識を変えられれば、気を付けてもらえれば、新たな医療・治療・処置技術が開発されれば、本当に大事に至る前になんとか出来ないのか?、診療報酬の問題なのか?など色々思ったので、記事にする事にしました。

長い記事で、文章も読みにくいかもしれませんが、便秘症の人は是非読んでみて下さい。

※セリフは、うろ覚えなのと、そのままではなく、だいたいそのような内容であったということで受け取って下さい。

*

まず、妻の身に何が起きたのかを説明します。

先日、極度の便秘が原因で大腸に穴があき、糞便(うんこ)が腹腔内(おなかの中)に漏れる致命的な状態となり、緊急手術を受けました。

手術は4時間にもおよび、大腸の1/5程度?(医師の説明から想像)を切除して、切断した大腸の両端を縫合してつないで、腹腔内を洗浄する処置がされました。

そして、一命を取り留めました。

私KenUは、便秘が原因で命を落とすこともあるということを知りました。

それはそうとして、今回感じた医療上の大きな問題としてあげられるのが、便秘で大腸に糞便が詰まって閉塞してしまう”糞便性イレウス”の状態だけでは、病院で何も処置をしてもらえないということです。
大腸穿孔となって始めて処置をしてもらえるということなのです。

以下、経過をお話します。

*

[10月29日 火曜日 開業医による診察・処置]

夕方 、午後五時半頃、妻から「腹痛がひどく近隣の個人クリニックに来ている」との連絡があり迎えに行く。

先生から受けた説明は、「レントゲンでみたところ大腸に便が目一杯詰まっている。 2回ほど浣腸をしたが、排便出来なかった。 摘便(肛門から指を入れて、直腸の便をほじくり出す)をやってみたが、指が届く範囲には便はなく、その先で詰まっている。 血液検査をしても特に異常はないので、大腸が傷ついているということはない。」とのこと。

先生「これ以上は、処置のしようがないので、自力で出すしかない。」
私「病院は何時までですか?」
先生「18:30まで。」
と言われ、排便を促す座薬 ” 新レシカルボン坐剤 ※1 ”を処方されて、激痛がおさまらないのに帰宅させられた。

そもそも、自力で出せないから通院したのに。
※1)効能・効果:直腸の中で徐々に炭酸ガスを発生し、ぜん動運動を亢進することにより生理的な排便作用を促す。

*

[10月29日 PM 19:00~ 自宅にて]

帰宅後、座薬を使用してみたが、やはり排便できず。
そして、周期的な激しい腹痛にもだえ苦しんでいる妻。
心配だし、とても平常心で見ていられない。

*

[10月30日 水曜日 AM 5:00頃 自宅から公立の救急救命センターへ]

帰宅してからすでに10時間が経過。
まだ、排便できないでいる。
ものすごい激痛のようだ。
この苦しみ様を見ているのは辛い。
これはおかしい。

5:00頃、たまらず、救急外来に電話。

看護師「来ても、かかりつけ医で行った処置以上のことは出来ない。と先生が言っている。」
私「あの苦しみようはただ事ではない。もう10時間苦しんでいて体力も極度に低下している。 何とかして欲しい。 それに、かかりつけ医は、今日は定休日です。」
看護師「とりあえず見てみると先生が言っているので、連れて来て下さい。」

救急車を呼ばずに、マイカーで妻を救急救命センターへ搬送。
5:20頃、妻は処置室へ、私は廊下で待つ。

6:00頃、しばらくして、医師に呼ばれる。
宿直医「レントゲンを撮ってみたところ、かかりつけ医で見てもらった通り、便が大腸いっぱいに詰まっています。 浣腸をしたが、便は出なかった。 摘便でも便に指は届かなかった。 これ以上、なにも処置は出来ません。」
私「これだけ苦しんで痛がっているのに、何も出来ないなんておかしいでしょ。 なんとかして下さい。 どうみても、普通じゃないでしょ?」
宿直医「痛み止めを使うと腸の運動が抑えられて余計に便が出にくくなるが、かなり痛がっているので、少し弱めの鎮痛剤を使いました。 もう少し時間がたてば効いて来ると思います。」

6:30頃まで待つ。
妻はもう死にそうなくらい痛がり苦しんでいる。
早く楽にしてあげたい。涙が出てきた。

妻「痛い、痛い、痛い・・・」 鎮痛剤がまったく効いていない。
宿直医「痛いですか? 鎮痛剤効いていないですか? これ以上、強い鎮痛剤を使うと腸の運動が止まるので、よけい便は出なくなります。」
私(泣きながら)「お願いします。 なんとかして、早くこの苦しみから解放してあげてください。」
宿直医「まさか、お腹を切り開いて便を出すわけにもいかないし。 そんなことをしたらもっと大変なことになるのでできません。」
私「このまま家に連れて帰る訳にはいきません。」
宿直医「もう少ししたら、専門の胃腸科の先生が通常勤務で来るので、後はその先生に相談してみることくらいしか出来ない。 もうしばらく待っていて下さい。」

この間も妻はものすごく痛がっている。
お腹ではなく「腰」が痛いという。

7:00頃 専門医の指示によるものか? X線CT検査をすることに・・・

宿直医「大腸に穴が開いていて、便が腹腔内に漏れているようです。このままにしておくと死んでしまうので、緊急手術をします。」
私「・・・・・・」

そう、絶対におかしいと思ったんです。
腰が痛いと言ったのは、便が腹腔内に漏れて腰のほうに圧力がかかったためと思われます。
いつから穴が開いていたのかはわかりません。

その後は、宿直医から複数の専門医(外科医他)に交代する。

手術の前にもっとよく確認したいから造影剤CT検査をするとのこと。
造影剤の副作用に関する同意書を書かされる。

しばらくして、手術内容の説明を受けた。
外科医「原因は便秘による糞便性イレウスで、腸に強い圧力がかかり破れて穴が開いたのだと思います。 そこから、お腹の中に便が漏れ出している状態で、便の中には細菌がいっぱいなので、手術しなければ腹膜炎や敗血症で死亡します。」
私「はい」(動揺)
外科医「このあたり(絵を描いてS状結腸や下行結腸の下のほうを示す)に穴が開いているようなので、その前後の大腸を切除します。 穴の位置がこの辺りだと、肛門に近くなって長さ的に足りず、切ったところ同士がとどかなくて繋ぐ事が出来ないので、人工肛門をつけます。 つなげられたらつなぎますが、ほぼ人工肛門になる確率が高いと思っていて下さい。 実際にどうなるかは、お腹を開いてみてから決めることになります。 とにかく命を助けることを最優先にして手術します。」
私「はい、よろしくお願いします。」

それで、何枚もいろいろな同意書を書かされる。

妻は、すでに強い鎮痛剤か麻酔かで、痛みは治まっている様子。
ぐったりしているが、苦しそうでなく、痛みから開放されたようで、それだけでもほっとした。

*
[10月30日 AM 11:00 手術室へ]

猛烈な腹痛が始まってから、16時間が経過。
手術室に入る。

そして、PM 15:00 過ぎに手術は終わり、医師から手術内容の説明を受ける。

外科医(ホワイトボードに絵を描きながら)「こことここを切って、残ったところを縫合して繋げました。 予定通りの手術は終了しました。 穴が開いていたのは、この辺り(下行結腸の上のほう)でした。 腹腔内に便が多量に漏れていて、きれいに洗浄しました。 腸には、ものすごく硬い便がぎっしりと詰まっていて、取り出しました。 穴が開いた周辺部の大腸も壊死していました。 便で圧力がかかって血行が止まって壊死したのだと思います。」
私「人口肛門は?」
外科医「付けていません。 穴の位置が予想よりも上の方で、肛門から離れていたので長さ的に届くので繋ぐことが出来ました。」
私「助かるのですか?」
外科医「体力の問題と、つなぎ目からの漏れがあるかどうかによります。 場合によっては再手術ということも有り得ます。」
私「死ぬこともあるということですか?」
外科医「死亡する危険性はあります。 高齢者も含めた統計では、同様の術後の死亡率は20%です。 しかし、まだお若いので大丈夫だと思います。」

一瞬、最悪を想定して覚悟しました。

それで、どのように手術をしたのかを具体的に下図に示します。
図のように大腸に穴が開いた部分と壊死した部分を切除して、残ったところを縫合したそうです。
それから、もうひとつ医師から説明されたのが、左側の卵巣に腫瘍があったのでそれが大腸を縫合する際に支障となったことから左の卵巣をまるごと切除したとのことでした。

大腸穿孔の手術

正式な診断名は、下行結腸穿孔(かこうけっちょうせんこう)
上のほうだったので人口肛門をつけずに済んだのは良かったと思います。
下のほうだと、下行結腸の中間あたりに人口肛門を付けて、お尻ではなくお腹から便を排泄する管を出します。

手術後はICU(集中治療室)に入院し、この記事を書いている現在では、一般病棟に移りました。

このようなひどい状態になった原因は、本人ではないので正確にはわからないのですが、もともと便秘症ではあった、ということに加えて、ここのところ仕事が多忙で、水分をとる暇もあまりなかったようです。 仕事のストレスも原因のひとつにあるのかも知れません。
しかし、便秘がこんなに怖いものだとは思いませんでした。
実は数ヶ月前にもひどい便秘になり、今回が2度目で、1度目は個人クリニックで浣腸してもらって排便できました。 その後、気を付けろよと言っていたのに、妻本人は、再度つまったらまた浣腸で出せば良いと軽く思っていたのかも知れません。

仕事と命どっちが大切なんだよっ!

便秘は、「とにかく気をつけるしかない」というのは一般的な言い方だし、言うだけなら簡単ですが、KenUはそんなことは言えなくなりました。 気をつけられないのだから。 便秘のことばかり気にして生きていけませんよね。
確かに気をつけることは必要だし、大切な事かもしれませんが、 便秘になっても死なない、苦しまない方法を考えてよと強く思いました。
腸に穴があくまで何も治療できないなんておかしくないですか?
妻のケースでは、穴が開く前に手術をしたほうが明らかにダメージは小さかったと思います。 しかし、できない理由があるのでしょうね。
すぐに、全身麻酔をかけて、肛門から吸い出す方法とかないのでしょうか? ないのでしょうね。
やっぱり、何か手立てを考えて欲しいです。
今回は助かりましたが、退院してからまた便秘になったら?ということを考えると、恐怖で、不安でいっぱいです。

ちなみに、市販の便秘薬は、ほとんどが刺激性下剤(腸のぜん動運動を促進し、腸の粘膜に直接作用することで、排便反射に刺激を与える。)で、習慣性があって、慣れによって効かなくなって、よけい便秘になるそうです。
コロネルという薬が習慣性がないそうですが、術後イレウス(術後癒着が原因による腸閉塞)を起こす恐れがある人には使用できないそうです。

*

追加(2014.5月)

あれから6か月後の現在は、便通コントロールのための服薬は2014年3月で終わり、繊維質を多めにとるように食事に気をつけて、毎日排便できているとのことです。 もしかしたら腸が短くなったのも便通には良い方向に働いているのかも知れません。

お腹のつっぱり感はいまだにあるとのことですが、一応背筋をまっすぐに伸ばして歩くことはできる様になっています。 それから腸が動く時にこれまでと違った違和感はあるそうですが、気になる事はその程度で、その他は問題なく普通に生活できているので一安心といった状況です。

************** 関連記事 **************

大腸注腸検査の前日は、仕事は無理。検査時の感覚は・・・

***********************************

カテゴリー:健康, 医療, 未分類