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Archive for the ‘健康’ Category

私の遺伝と直腸がんと筋ジストロフィーと運命と

先日の人間ドックでの眼底検査の所見が「視神経乳頭陥凹拡大」ということで、要精密検査・再検査の判定でした。
近々、再検査に行こうと思います。

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さて、病院に行くと・・・

大腸がん予防に関するポスターが貼ってあり、そこには、大腸がんの原因として「食生活の欧米化」・「たばこ」・「過度の飲酒」・「運動不足」・「肥満」・「遺伝」などがあげられています。

KenUの家族、親戚に、がん患者は誰一人とおらず、唯一自分だけが「直腸がん」になりました。
なので、KenUが直腸がんになった原因が、「遺伝」とは考えていません。

そこで今回は、遺伝に関するお話しと、KenUのがんの原因について書こうかと思います。

*

遺伝といえば・・・

過去にも書きましたが、KenUは、X連鎖性劣性遺伝の赤緑色弱(red-green weakness)という色覚異常があります。

そして、従兄は、X連鎖性劣性遺伝のベッカー型筋ジストロフィー(Becker muscular dystrophy:BMD)という希少難病のため50歳代で他界しています。

————-
[X連鎖性劣性遺伝の補説]
女性はXX、男性はXYの組み合わせで性染色体を持つ。女性の場合、一方のX染色体にのみ原因遺伝子がある場合は保因者となり、両方に原因遺伝子がある場合に発現する。男性の場合、X染色体が1つしかないため、原因遺伝子があれば発現する。
出典:小学館/デジタル大辞泉
————-

男性のXY染色体のYは父親から、Xは母親から受け継ぎます。

つまり、KenUと従兄は、それぞれの母親から原因遺伝子を受け継いだわけですが、母と伯母は姉妹なので、赤緑色弱の原因遺伝子(遺伝子座Xq28の錐体色素遺伝子の変異)、BMDの原因遺伝子(遺伝子座Xp21のジストロフィン遺伝子の変異)は、母方の祖父・祖母から受け継いだことになります。

祖父はBMDではなかったので、BMDの原因遺伝子(仮に「Xb」)は祖母が保有していたことは明らかです。
祖父の息子達(叔父)は赤緑色弱でもBMDでもなかったので、赤緑色弱の原因遺伝子(仮に「Xr」)は祖父が保有していたことになります。
結論は、祖父は赤緑色弱でXrY、祖母はBMDの保因者でXXb、伯母はBMDと赤緑色弱両方の保因者でXrXb、KenUの母は赤緑色弱の保因者でXrX、だったということです。

そして、従兄は、伯父のYと50%の確率で伯母のXbを受け継いで、XbYを持ちBMDになり、KenUは、父のYと50%の確率で母のXrを受け継いで、XrYを持ち赤緑色弱になったわけです。

遺伝の系図を表すと、次のようになります。

赤緑色弱とBMD遺伝系図

そういうわけで、親戚に治療不可能な遺伝性難病で命を落とした人がいる一方、KenUは、体の一部を失い人工肛門になりましたが、まだ生存しています。
筋ジストロフィーは治癒することはありませんが、がんは治療することが可能ですし、治癒する可能性があります。

また、悲しいことですが、従姪はXbの保因者で、男児を生んだ場合には50%の確率でBMDで、KenUの娘はXr保因者で、男児を生んだ場合には50%の確率で赤緑色弱です。

これも何かの運命だったのでしょうか?

*

余談ですが・・・

ベッカー型の他に、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)というのがあります。

筋ジストロフィーには、確立された治療法はありませんが、2016 年にジストロフィン遺伝子(Xp21)のエクソン50が欠失したDMDに限り適応の医薬品が米国で承認されました。

商品名はExondys 51(エクソンディスフィフティーワン)、一般名は eteplirsen(エテプリルセン)。

これは、Dystrophin pre-mRNAを標的にした30塩基長のオリゴヌクレオチドからなるアンチセンス核酸医薬です。

エクソン50が欠失し、エクソン49に続いてエクソン51が読まれると、ストップコドンとして翻訳されてしまい、ジストロフィン(細胞質たんぱく質)の合成がストップしてしまうのですが、アンチセンスでエクソン51をスキッピング(飛ばして翻訳)させると、エクソン49に続いてエクソン52を読み、不完全ではあるけれども部分的に機能するジストロフィンを合成する翻訳がされる仕組みです。

難しいこと書いてすみません。下↓のサイトの図が分かりやすいかも。
https://www.researchgate.net/figure/51529518_fig1_Antisense-mediated-exon-skipping-rationale-for-DMD-Patients-with-Duchenne-muscular

で、この薬は、FDAの「迅速承認プログラム」の適用を受けて承認されたので、臨床的な有用性は確立されていません。
また、薬の効果が認められたとしも、合成されるジストロフィンは不完全なものなので、治癒するわけではありません。

*

ここで、ポスターに書いてある「遺伝」以外の大腸がんの原因について、KenUにどの程度あてはまる考えてみました。

「食生活の欧米化」:野菜が好きでよく食べていたし、便秘は皆無。毎朝快便。
「たばこ」:手術をする5年半前の2008年12月に完全に喫煙をやめるまでは、1日1箱程度。
「過度の飲酒」:1日350mL缶ビール1本程度。過度ではない。
「運動不足」:週1回水泳、毎日筋トレ。運動不足なし。
「肥満」:まったくの非該当。

ポスターに書いてあることは、ほとんど当てはまりません。
強いて言うと、たばこは否定できないのかなぁ~?

その他に考えられるのは・・・

化学物質による健康障害防止指針(がん原性指針)」(←参照リンク)という我国の指針があります。
2014年10月31日にこの指針が改正されたときに、新たに対象化学物質が追加されました。
それは、KenUが研究開発職だったころに6年間ほど取り扱っていた化学物質なんです。

もし、それが原因で、かつ直腸がん発症との因果関係が証明されれば、労災になると思います。

厚生労働省の「労災保険相談ダイヤル」(←参照リンク)というのがあるので、電話してみようかな?

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カテゴリー:medical, 健康, 医療

ストーマで困るのはギックリ腰になったとき

ストーマで困るシリーズ記事の第4弾です(笑

さて、KenUは、年齢が40過ぎになった頃から、何度もギックリ腰になっています。
それなのに、また油断してしまいました。
2週間前に、永久人工肛門(ストーマ)になってから初めてのギックリ腰になってしまったんです。

困ったのは、ストーマが邪魔になり、昔使っていた腰痛ベルトが使えなくなったこと。

でも、探せばあるもんですね。
ストーマでも装着可能な骨盤ベルトが。
そこで、今回はその商品を紹介したいと思います。

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まず、ギックリ腰とはなにか?

ひとことで言うと、仙腸関節(せんちょうかんせつ)の捻挫(ねんざ)です。

日本仙腸関節研究会のホームページ(←参照リンク)の「仙腸関節障害について」から引用すると・・・
・仙腸関節は、骨盤の骨である仙骨(せんこつ)と腸骨(ちょうこつ)の間にある関節であり、周囲の靭帯(じんたい)により強固に連結されています。
・仙腸関節は脊椎の根元に位置し、画像検査ではほとんど判らない程度の3~5mmのわずかな動きを有しています。
・ぎっくり腰のような急性腰痛の一部は、仙腸関節の捻挫が原因と考えられます。

Wikipedia(ウィキペディア)の捻挫(←参照リンク)から引用すると・・・
・捻挫(ねんざ)、または挫き(くじき)は、関節に関節の許容範囲を超えた動きが与えられた為におきる損傷の一つである。
・一般用語として多用されるが、医学用語としては更に損傷部位を限局し、〇〇靭帯損傷ということが多い。
・ぎっくり腰やムチウチ症などは日常生活で起こりうる捻挫の代表例である。

これらをまとめると・・・
ギックリ腰のメカニズムは、”仙腸関節が可動許容範囲を超えて動いてしまったことにより、仙骨と腸骨を連結している靭帯が損傷する”ということですね。

*

捻挫の治療では、損傷した靭帯を回復させ、関節の支持性が回復するまで関節の運動を制限することが必要なため、ギックリ腰ではベルトで骨盤を固定するわけです。

それで、見付けたのが( ↓ )これっ!!

ワコール産前産後骨盤ベルト

Wacoal(ワコール)の産前&産後 骨盤ベルト(←参照リンク)のSサイズをAmazonで購入しました。

購入時、「妊娠何週ですか?」といったアンケートがあったので、妊婦ではないKenUは購入できないのかな?と一瞬思いました(笑

装着すると( ↓ )こんな具合です。

ワコール産前産後骨盤ベルト ストーマで装着
※洗面台の鏡に映った姿を撮影したのでリバースになっています。

なかなかいいです。
ストーマ装具に被さったり当たったりしません。
これを巻いたまま、椅子に座ることもできました。
車の運転もできました。

*

これ( ↓ )は、妻が使用していたコルセットとの比較です。

最初は、写真右の「骨盤ゴムベルト」を使ってみたのですが、いまいちだったんです。
( ↓ )こんな具合。

骨盤ゴムベルト ストーマで装着

おち〇ち〇が圧迫される、座るときつい、座っているとずり上がってきてストーマ装具に当たってしまう、そんなことから車の運転ができないなど、いろいろと不具合がありました。

*

ということで以上、ストーマでも使える骨盤ベルトの紹介でした。

KenUは、ワコールといえば女性下着メーカーというイメージを持っていましたが、ホームページを見ると男性下着も扱っているんですね。
ストーマでもはけそうなローライズの下着もあるので、いつか試してみようかな?

*

余談ですが・・・

ストーマでギックリ腰になると本当に大変です。
腰が痛いのに、ストーマパウチから便を捨てたり、ストマ装具を交換したり、腰を曲げる作業が色々とありますからね。

それから、洗面所用に丸椅子をホームセンターで買ってきました。

洗面所の丸椅子

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ワコール Wacoal 産前&産後 骨盤ベルト サイズS ブラック MGY620
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パイプ丸イス 高さ45cm 合成皮革 ブラック
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カテゴリー:ストーマ, stoma, 健康, 医療

練り歯磨き粉・ハミガキ剤は、歯磨き効果を低下させる?逆効果なの?

妻が定期的に歯科検診に行っているので、自分も診てもらったほうがいいかな?と思い、4月から ” かかりつけ歯科医院 ” に通院しはじめました。
それがきっかけで、自分なりに考えたことがこのブログのタイトルになったので、記事にしたいと思います。

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まず、前置きから。

ちょっと口臭が気になりだしたところだったんです。

歯科衛生士さんに歯の点検をしてもらうと・・・どきどき

案の定「歯石」がいっぱいでした(悲

そして、かかりつけの先生からは「きちんと磨けていない」との駄目出しをされ、
歯科衛生士さんからはブラッシングの指導を受けてきました。

そして、治療は、歯石除去と歯の清掃で、1か月に渡り合計3回通院しました。

*
ここからが本題。

教わった通りに、毎朝晩ていねいに時間をかけて磨いていました。
なのに、3回目通院したときに、また先生から駄目出しです。

「磨けてないなぁ。ほら、歯垢があるでしょ。ほら、ここにもこんなに。ほら、ここも。あ、ここも。」と色々なところから歯垢を掻き出してきては、目の前に持ってきて見せるんですよ。

ちょっと、凹みました。
しかも、ストマから便が出てきて、歯科診察台に寝かされてるから上にモコモコ盛り上がってきちゃって焦ってるときで(笑

*

なんか、悔しかったので、効果的に歯磨きをする方法を科学的・工学的に考えてみました。

まず、歯垢・しこう(プラーク)ってなに?
食べかすを栄養源にして細菌が増殖したかたまりです。
歯垢が石灰化して歯石になります。

つまり、歯磨きをする目的は、口の中の食べかすと細菌を減らことです。

そこで、そもそも唾液には、殺菌・抗菌作用を持つ酵素(リゾチーム、パーオキシダーゼなど)、消化作用を持つ酵素(でんぶん分解酵素アミラーゼ、油脂分解酵素リパーゼ)が含まれているわけで、ねり歯磨き粉・ハミガキ剤は不要なのでは?と考えました。

ハミガキ剤には、発泡剤として、界面活性剤の一種であるラウリル硫酸ナトリウムが配合されています。
これ、唾液中の酵素活性を失活させます。
しかも、唾液で溶かして水で簡単に洗い流せるはずのお米のでんぷんを、中途半端に油分といっしょの複合体を形成し、逆に歯に付着しやすくし、水溶性を低下させて口をゆすいだときに流しにくくしているのではないか?逆効果だよね?と考えました。

つまり、結論は、ハミガキ剤は使わない方が良いということです。

それから、ブラッシングの運動ですが、上下や左右に動かすのは、食べ物のカスを逆に歯茎と歯の隙間に押し込むことになるのではないか?と考えました。

歯科医の先生は、歯垢を歯の下から上に掻き取って、KenUに見せたわけですから、ブラッシングでもそのように歯ブラシで掻きとる動作を重点的にするのが正解ではないか?と考えました。

*

ここからは、KenUが改良した口腔ケア方法です。

まず、歯みがきをする前に、出来る限り食べかすを落とすことを考えました。
口ゆすぎはほとんど効果がないことは明らかです。

で、これ↓を近所のヤマダ電機で購入!

Panasonic ジェットウォッシャー ドルツ

使ってみると、面白いくらいに、めちゃめちゃ食べかすが落ちます。
600mLの水が入りますが、使い切るまでやってしまいます。
口中の当たり所が悪いとちょっと痛かったり、ジェットが強すぎると歯茎から出血しますが、歯科医で歯石を取るときも痛いし出血もしますから、問題ないでしょう。

パナソニック 口腔洗浄器 ジェットウォッシャー ドルツ 白 EW-DJ71-W
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*

その次に、ハミガキ剤を使わずに、唾液でブラッシングします。
唾液中の酵素パワーを利用するということです。

上あごの歯は、歯茎から下に向かって、下あごの歯は歯茎から上に向かって、歯垢を掻き出すように動かします。
ポイントは、上下にごしごし動かさないようにすること。
なお、奥歯の上面は小刻みに前後にごしごし動かします。

終わったら、一度、口ゆすぎをします。

ちなみに、我が家はみんな極細毛の歯ブラシを使っています。

*

さらに、最後の仕上げです。

唾液にはたんぱく質分解酵素は含まれないので、細菌の栄養源になるたんぱく質の除去と口中の爽快感を得るために、歯磨き剤を歯ブラシにつけて軽くブラッシングします。
このときには、歯科衛生士さんに教わったとおり、歯ブラシを傾けてブラシ側面が歯に斜めに当たるようにして、横に小刻み動かす方法を採用しています。

*

以上、歯科衛生士さんの指導とも違う、某ハミガキ剤メーカーサイトで紹介している「正しい歯の磨き方」とも違う、ネット情報にもない、KenU独自理論による歯の磨き方・スリーステップオーラルケアメソッド(3SOC法)でした。

毎日、歯はツルツル、ピカピカです。
ニコッっとすると、歯がきらりと光ります(笑

半年後に、「これでどうじゃぁ~!!」という感じで、歯科医院を受診したいと思います。

カテゴリー:アイテム, 健康, 医療

直腸がんマイルス術・人工肛門造設術後の入院中病院食メニュー

KenUがオストメイトになって、もうすぐ3年になろうとしているGW(ゴールデンウイーク)。

昨日、妻といっしょに、書棚・書類の整理をしました。
その中には、KenUの大腸がん手術の入院前~入院中~退院~再入院~退院までの色々な書類も。
あらためて書類を眺めると、忘れかけていることも少しずつよみがえってきます。

基本的には辛い思い出なので、忘れてしまっても良いのですが・・・。
でも、なかなか面白いものが出てきたので、以前書いた「KenUの直腸癌切除術と入院中の備忘録」の続編的な意味で、記事にしようかと思います。

*

入院中、毎日KenUが何を食べているのか知りたいということで、病院食についてくるメニューカードを妻に渡していました。

それを妻は大切に保管していたんですね(笑

KenU入院中の病院食メニューカード

上写真の左列が、直腸がん手術後の初食から退院までのメニューカード、右列は、合併症の精巣上体炎で再入院したときのメニューカード。
病院のフロアは、外科が4階、泌尿器科が6階です。

せっかくなので、メニューを表計算ソフト(オープンオフィス)にまとめてみました(笑。

外科でのメニューがこれ↓。(※画像をクリックすると別タブで拡大表示できます。)

KenU直腸がん入院中病院食メニュー

5/23に直腸がん・ストマ造設の手術をしましたが、その後、合併症(小腸の腸閉塞)による再手術などがあって、6/5からやっと病院食を食べさせてもらえるようになりました。

これ↓は6/5の昼食で、6/8の朝食までずっとこのような水っぽい食事。

2014年6月5日病院の昼食

6/8の昼食から一変して固形物が増えました。これ↓は夕食。

2014年6月8日病院の夕食

病院食は、酢物以外はまあまあ美味しくて、毎日完食してました。
お粥好きですし。

6/14に朝食を食べて退院。
でも、合併症の精巣上体炎を発症して6/19に泌尿器科に再入院。
そのときのメニューがこれ↓(※画像をクリックすると別タブで拡大表示できます。)

KenU精巣上体炎入院中病院食メニュー

当初、泌尿器科ではKenUの事情を知らなかったので、いきなりごはんを出され、量も多かったんですね。
お粥に変えてもらったり、量を減らしてもらったことを思い出しました。

*

その他、入院前や手術前に説明を受けた書類で・・・

重要なのは、限度額適用申請をしてくださいというもの。入院が決まったら、入院する前に申請しておくと良いです。

限度額適用申請説明書

ちなみに、あらためて診療明細書を見てみると、KenUは2回も手術をしているので、保険点数から医療費は約200万円でした。
そこから、健康保険により3割自己負担とすると約60万円を支払う計算になるのですが、限度額適用認定証により手術・入院で病院に支払った金額は20万円にも満たなかったと記憶しています。
さらに、生命保険の入院給付金やがん保険金もおりたので、結果的にKenUの自己負担はゼロでした。

*

これ↓は、5/22に入院したときに説明を受けた、入院診療計画書です。

KenUのマイルス術入院診療計画書

イラストも入っていて、すごく見やすく、わかりやすかったです。

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これ↓は、手術前日の5/22に硬膜外麻酔の説明を受けたときのもの。

KenUの全身麻酔硬膜外麻酔説明書

ちなみに、丁寧に説明してくださった女性麻酔科医さんは、ドクターXにでてくる内田有紀さん演じる麻酔科医 城之内博美と同じ、えんじ色(赤紫色)の術衣を着ていました。

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その他、入院の案内、サインしたたくさんの同意書や、ストーマ装具交換で準備するものなどのプリント「人工肛門(ストーマ)を造設される患者様へ」、障がい者福祉申請に関するプリント、障害者手帳申請・ETC割引申請に関する説明書、ストーマ装具購入に関するパンフレット、入院中のお薬説明書、退院証明書など、保管してありました。

これらは過去の記憶を辿れるので、それほど大切な書類でなくても、とっておくと良いですね。

今年申請した障害年金に関する書類、申請書のコピーも保管しているので、いまいちど整理してみようかと思います。

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カテゴリー:ストーマ, 健康, 医療

はじめての人工肛門からの大腸内視鏡検査と不安要素

********* 目次 *********
はじめに
不安要素その1 腹部の激痛
不安要素その2 下剤による就寝中の便排出
不安要素その3 腸管洗浄時のストーマ装具からの便排出
不安要素その4 検査当日のストーマ装具の交換
不安要素その5 異常の発見
おわりに
*************************

はじめに

直腸の肛門に極めて近いところに悪性新生物(悪性腫瘍、がん)が生じ、永久的なS状結腸ストーマ(人工肛門)を造設してから、2年3か月になります(関連記事[1])。

既に1年目に、主治医からは、大腸内視鏡検査をすることを薦められていましたが、KenUは断り続けていました。
しかし、さすがに2年目は断りきれなくなり、8/19に生まれて初めてのストーマからの内視鏡検査を受けたという訳です。

不安なことだらけで、検査当日までの数週間は、そればかり考えてとても憂鬱でした。

という訳で、KenUが検査までにどんなことを考え、どのようにして検査に臨み、そして、どんな結果になったのか記事にしたいと思います。
※すみません、長い記事なってしまいました。

なお、本記事を読み進めるに当たって、病院によって検査のやり方、説明、対応が異なると思いますし、ストーマの種類の違い、個人の考え方や心情やパーソナリティーの違いもありますので、批判・誹謗中傷はご遠慮ください。

*

不安要素その1  腹部の激痛

まだお尻に穴(肛門)があった頃に、そこから内視鏡を2回ばかり入れた経験があります。

1回目は、痔の手術時に医師が目視で直腸の腫瘍を発見したので、翌日まで絶食して内視鏡を入れました。
病理組織検査用の腫瘍組織サンプル採取が目的だったので、入れたのは直腸までで、ほとんど痛くありませんでした。

2回目は、その腫瘍が悪性と分かり、転院先の病院で精密検査のために、大腸のいちばん奥・盲腸まで入れました。
このときは、S状結腸とコーナー部分を通すときに超激痛で、途中で「まじやめて」と思いましたし、「死んだ方がまし」、「2度とこの検査は受けない」と思いました。
なので、今回の検査でも激痛にならないか、とても不安だったわけです。

そして今回、検査前に、検査技師さんと付添いの看護師さんに上記の話をして、
「途中でやめてと言ったら、やめてもらえますか?」と聞いたところ、了解してもらえました。

結果としては、痛みは、下痢したときの腹痛程度でした。
その理由が、検査技師さんの手技が上手だったからなのか?、天然肛門ではなく人工肛門だったからなのか?、内視鏡挿入時の身体の姿勢が違うからか?についてはわかりません。

ちなみに、検査直前に、胃カメラを飲むときと同じく、ブスコパン注20mgを肩に注射しました。
これはアトロピン系製剤で、副交感神経の神経節に作用し、消化管・胆のう・尿管・膀胱など管腔臓器の痙れんを和らげて疼痛を除く作用があります。
ストーマからの内視鏡の挿入は、仰向けにまっすぐ寝た体勢で行いました。

検査後、看護師さんに、「今回くらいの痛みでしたら、また検査を受けても良いと思いましたか?」と質問されてしまいました(笑

*

不安要素その2 下剤による就寝中の便排出

検査2日前の晩と検査前日の晩に下剤を服用します。
つまり、就寝中に大量の排便が起こって、ストーマ装具パウチがパンパンになって便漏れが起こらないか?という不安がありました。

でも、結果的には、検査当日の未明まで全く排便はありませんでした。
というのは、検査2日前の朝から、下剤も飲んでないのに頻繁な排便がはじまって、トイレに4回もいって腸内の便を出し切ってしまったんですね。
通常このパターンが起きると2日は便が出なくなるので、ラッキーでした。

余談ですが・・・
検査2日前は普通に食事をしても良いということだったので、昼食にはこれ↓を食べました。

丸亀製麺おろし醤油うどんとイカ天
丸亀製麺のおろし醤油うどんとイカ天

店の説明では、おろし醤油うどんにはテーブルに置いてある「だし醤油」をかけ、天ぷらには「だしソース」をかけるということですが、KenUにはそれがいまいちです。
個人的には、おろし醤油うどんには「かけうどんのつゆ」、天ぷらには「だし醤油」をかけるのがベストで、ねぎをたっぷりと乗せるのが大好きです。
それから、うどんは消化もよいし、イカ天のイカ自身も低脂肪高タンパクで胃酸とトリプシンで分解されやすくて消化は良いので、大腸検査前食としては好適ではないかと考えています。
※生やりいか100g中、水分79.7g、たんぱく質17.6g、脂質1.0g、炭水化物0.4g(2010日本食品標準成分表・文部科学省より)

ただし、多量のねぎと天ころもは消化によろしくないですけど(笑

それから、夕食は、ごはんもおかずもいつもの半分に控えました。
また、下剤(薬)を飲むので、アルコールも控えました。

*

不安要素その3 腸管洗浄時のストーマ装具からの便排出

腸管洗浄剤を服用して、便の排出がどのようになるのか、まったくイメージできなかったんです。

ストーマから、ちょろちょろと出続けるのか?不定期的にある程度の量がまとまって排泄されるのか?
どのくらいの間隔で、どのくらいの量が排泄されるのか?
ストマパウチからの排出の仕方とタイミングはどうなるのか?
など。
肛門があった頃のように、排泄物を肛門括約筋でとめることができないから。

とりあえず、楽に処理するためには、腸内にできるだけ便をためて置かないこと、前日は消化の良いものを食べること、が良いであろうと考えられたので実践しました。

病院からの指示は、「検査前日は、残渣の少ない食事を摂ってください。」「野菜、果物、海藻類、キノコ類、種のある物は控えてください。」です。

ということで、検査前日の食事メニューは、検査食を参考にして(関連記事[2])・・・
朝食/クリームチーズマフィン(1個)、水
昼食/おにぎり(海苔なし、小2個)、永谷園のお吸い物(具は残す)、水
夕食/中華がゆ(茶碗半分)、味付き鶏肉(2切れ)、インスタント味噌汁(具なし)、水、チョコチップクッキー(2個)
で我慢しました。
もちろん、アルコールは控えました。

で、結果としては、操作は忙しかったですが、順調に便の排出処理ができました。

*

では、腸管洗浄、便排出の経過をレポートします。

・検査当日の2:30頃から排便が始まる(固形~泥状)→朝まで放置
・朝7:00起床、コップ一杯の水を飲む
・いったんパウチから便をトイレに排出
・はみがき、ひげそり
・経口腸管洗浄剤(モビプレップ)と水を準備

モビプレップ

・トイレ向かいの階段に座り込み、iPhoneをいじりながら、7:45からモビプレップ服用開始

モビプレップの飲み方と便の排出パターンは下の写真のとおりでした。
※飲み方は、説明書と病院からの指定の飲み方とで違っていたので、KenU的に調節しました。

モビプレップ飲み方と排泄状況
↑画像をクリックすると別タブで拡大表示できます。

補足:採血もあり12:00までに病院に行かないといけないので、少し早めに服用を開始しました。検査は13:00。
上写真の飲む時間は、飲み終わる時間の目安にして、パウチから便を排出するタイムロスを考えて少しハイペースで飲みました。

パウチからの排出は、200~300mLくらい?溜まってからにしました。※溜めすぎると、排出操作がやり難くなると思います。
なお、KenUがメインで使用しているパウチの最大容量は実験で確かめています(関連記事[3])。

6杯目の水を飲み終えて、4回目の排泄をしたときには、透明な綺麗な水溶便になりました。

7杯目のモビプレップを飲み終えて、5回目の排便も綺麗な透明だったので、8杯目のモビプレップはパスして、9杯目の水を9:45までに飲み終えて終了しました。
そのときは、トイレに残りのいろはすのボトルとiPhoneを持ち込んで、便座に座って、パウチの排出口を開いて便器に垂らして、水様便を垂れ流しの状態にして10:15までトイレにこもっていました。
その後、いったんパウチの排出口を閉じて、その後11:00までに300mLくらい水様便がたまったので排出し、念のため、余っていたダイアモンドのサンプル(関連記事[4])をパウチ内に入れて病院に向かいました。
結果的に、それ以上水様便は出なかったのでダイヤモンドは活躍できませんでしたけど(笑

*

余談ですが・・・
水溶便は断続的に出たり、ちょろちょろと連続的に出たりしました。
排泄し始めの固形状や泥状の便は、排出後パウチ内を拭かずに便が付着したままにしておいても、後から出てくる水様便で洗えば綺麗になります(笑
なので、パウチの排出口の部分だけ拭きます。

それから、「ここまで必ず飲む」の言いつけを守らなかった理由は、モビプレップの説明書に1L服用途中で排泄液が透明になったら服用を終了してもよいと書いてあったのと、モビプレップがメチャメチャ不味かったから。
一口飲んで吐きそうになりました。
梅ドリンクとピクルスを合わせて水で薄めたような味で、においもへんな酸味臭がします。
これを飲まなければならなかったことは、今回の検査における何よりの拷問でした。
もう、二度と・・・死んでも飲みたくないです(笑
個人的には、ニフレックスのほうが我慢できます。

*

不安要素その4 検査当日のストーマ装具の交換

検査当日は、ストーマ装具はどうしたらよいのか?

換えを用意していくように言われただけで、どんな手順になるのか前もって詳しい説明がなかったんです(というか検査室の看護師さんではなかったので、どのような手順になるのか説明できなかったのだと思います)。

検査当日までに、下剤の影響で下痢をして交換が早まらないか?、腸管洗浄の水様便で面板が溶けないか?など、わからないことばかり。
結果としては、火曜日の晩に交換して、検査まで装具は持ちこたえました。
※お金がかかりますが、毎日交換してもよいくらいの気持ちでいた方が気が楽かもしれません。

それから、「内視鏡検査室の看護師さんは、ストーマ外来や外科の看護師さんと違って、たいしたことはしないだろうなぁ」という予測のもと、自分でメンテナンスキット(関連記事[5])、(関連記事[6])を用意し、面板はあらかじはさみで穴を切って行きました。
それで大正解!!
※なお、手袋と不織布ガーゼは、言えば病院でもらえるので不要でした。

ストーマ装具交換用セット

*

では、検査室でのやりとりです。

看護師:「頭をあちら側に向けてベッドの上に横向きに寝てください。」
KenU:「あのぉ~。お尻からじゃなくて、ストーマなんですけど。パウチはどうしたらよいですか?」
看護師:「そうだったんですか。私が外してもよろしいですか?」
KenU:「できます?」
看護師:「はい。このまま剥がして痛くないですか?」
KenU:「いや、ちょっと待って。リムーバ使わないと。剥がした後は、洗浄してくれるんですか?」
看護師:「ストーマ外来みたいに洗浄ボトルなどは置いていないので、拭くだけです。」
KenU:「やっぱりそうですよね。そう思って道具を用意してきたので、自分で剥がして自分で洗ってもいいですか。」
看護師:「はい、わかりました。どうぞこれ(ビニール袋、不織布ガーゼ)を使ってください。」
KenU:「ビニール袋をお腹に貼り付けたいのでテープありますか?」
看護師:「優肌絆でいいですか?」
KenU:「はい。それから、不織布ガーゼを濡らしてもらえますか?」
看護師:「ぬるま湯で濡らしてきますね。」
KenU:「有難うございます。」

そして、ブラバ剥離剤スプレーを使って手早く面板を剥がして、手袋をはめてハビナース清拭料で手早くストーマを洗浄して(関連記事[7])、ぬらした不織布ガーゼでよく拭き取りました。
ちなみに、ストーマは水様便で洗われて綺麗になっていたので、便臭はしませんでした。

検査後は、ストーマとその周囲が検査で使用したゼリーでベタベタになっているので、ぬらした不織布ガーゼでよく拭き取って、手早くストーマ装具を装着しました。
なお、腸内は空っぽで便が出ることがないので、消臭潤滑剤は帰宅してからパウチに入れました。

*

不安要素その5 異常の発見

がんの再発が見つかるのかどうかが一番の不安ですが、もし見つかったら、それはそれで苦しい思いをしてでも検査を受けた意義があります。

異常が見つかる方がよいのか、見つからない方がよいのか、とても複雑で微妙な気持ちです。

じつは、以前のがんの精密検査の内視鏡検査ときに、S状結腸に直径8mmのポリープが見つかり、その場で切除したという経験があります。

結果的には、今回の検査では、再発やポリープなどの異常は見つからなかったということで、ほっとしました。

*

おわりに

以上、スラムダンクの「湘北の不安要素その4!!素人・桜木!!」田岡監督風にまとめてみました(関連記事[8])。

ということで、はじめてのストーマからの大腸内視鏡検査を無事に終えることができました。

検査自体は、短時間だけ軽度の腹痛があっただけで、それほど辛いものではありませんでした。

辛かったのは、検査前の自主的な食事制限とモビプレップの服用かな。
でも、食事制限をしたおかげで、腸管洗浄を比較的楽にできたのではないかと思っています。

最後に・・・

お尻の穴から内視鏡を入れられるよりも、ストーマからのほうが良かったことが一つあります。

それは、「犯された感」がなかったことです(笑

************** 関連記事 **************

[1]KenUの直腸癌切除術と入院中の備忘録

[2]大腸注腸検査の前日は、仕事は無理。検査時の感覚は・・・

[3]人工肛門ストーマパウチからのトイレでの便の出し方

[4]イレオストミー用の消臭・吸収ゲル化剤をコロストミーが使ってみた。

[5]外出のときのストーマ洗浄用に清拭料をミニ泡ポンプボトルに詰替えてみた。

[6]今頃ですが、ストーマからの排便キットを作りました。

[7]人工肛門ストーマ装具交換の動画をアップしてみた。

[8]何故今SLAM DUNK (スラムダンク)なのか?

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カテゴリー:ストーマ, 健康, 医療

ストーマ装具を交換するときに、どんな皮膚洗浄料を使用するのが良いか?

2015年のブログもこれで書き納めです。

タイトルについては、はっきりと、これが一番良い、という結論は出ていません。
でも、バックグラウンドを調べてみて、今自分が使っているもので良いのだろう、と考えられたので、記事にしてみます。

*

さて、人工肛門保有者のみなさんは、ストーマ装具交換時の洗浄は、どのようにしていますか?

KenUは、洗浄力がおだやかな弱酸性の泡タイプの清拭料を使用して、ストーマと周囲の皮膚を洗浄し、その後お湯で洗い流します。(入浴直前にお風呂場でします。)

これは、病院で教わった方法で、術後の寝たきりのときにも看護師さんにそのようにされていましたし、ストーマ外来でWOCナースさんにもやってもらっている方法です。

ikinarilarcのYouTube動画でも紹介しています。

*

さて、まずは、pHについて。

健康な肌のpHは、4.5~5.5(弱酸性)。
(出典:皮膚のpH測定テスト、サイエンス株式会社)

「皮膚が弱酸性だから、弱酸性のせっけんで洗うのが良い」と誤解されていますが、pHの問題ではなくて、洗浄力が穏やかで皮脂を除去し過ぎないものが、皮膚を傷めにくいということのようです。

もし、皮膚のpHと同じpHの洗浄料で洗うのが良い、という理屈になってしまうと、ストーマはストーマと同じpHの洗浄料で洗わなければいけない、ということになってしまいます。

では、ストーマ(大腸粘膜)のpHっていくつなの?

——–
[2016/6/1記事修正]
下に示した文献のpHはあてにならないことが分かりました。
KenUが自分で実測した結果では、pH8.5~pH9.0でした(関連記事のリンク参照ください)。
——–

直腸粘膜pHは、7.31±0.17。※消化器疾患のない対照群
(出典:日本消化器病学会雑誌 潰瘍性大腸炎の直腸粘膜pH値 Vol. 83 (1986) No. 2 P 165-169)

でも、腸内は、種々のpHのうんちが触れているから、必ずしもpH7.3付近の洗浄料を使用しなくても大丈夫なはず。

では、うんちのpHは?
成人の便は、pH5.5~pH8.0。
その範囲を超えることは、ほとんどない。
便の部分によるpHの差がある。
水分が多く、有機酸も多いと、便pHは低くなる傾向がある。
(出典:カルピスよくあるご質問 http://www.calpis.co.jp/flora/qa/ )

腸内のpH が低いほど便の色は黄色っぽく、pH7.0(中性)を越えると茶色っぽく、pH8.0(弱アルカリ性)になると黒っぽくなる。
(出典:糞便中pH測定、株式会社テクノスルガ・ラボ)

*

次に、ストーマケアについて。

『ABCD─Stoma®ケア』(←参照リンク)というのをご存じですか?
一般社団法人 日本創傷・オストミー・失禁管理学会で編集しています。

ストーマケアに従事している医療者とオストメイトが、ストーマ周囲皮膚障害の重症度を客観的に評価できるスケール(ものさし)を用い、適切なスキンケア方法を導き出すツールです。

その中からいくつかピックアップすると・・・

皮膚障害の原因の一つに、”排泄物の付着”があげられていて、その要因に”皮膚保護材の浮き”があげられています。
「水分・油分がのこったままで装具装着をしている。」場合に皮膚保護材が浮きやすくなることから、「弱酸性の洗浄剤を用いて皮膚洗浄し、十分に洗い流す。」がケア:実践・指導の内容になっています。

また、皮膚障害の別の原因に”感染”があげられていて、その要因に”不適切なスキンケア”があげられています。
「装具交換時に皮膚洗浄を実施していない。」場合には、「装具交換時は、洗浄剤を用い十分に皮膚を洗浄する。」がケア:実践・指導の内容になっています。
ここでは、とくに「弱酸性の」とは書かれていません。

*

さらに、洗浄力について。

洗浄料の主な洗浄効果成分は、界面活性剤と呼ばれるものです。
界面活性剤には、いくつかのタイプがあり、「イオン性界面活性剤」 と 「非イオン性界面活性剤(ノンイオンとかノニオンとも言う。)」とに大別されます。
さらに、イオン性界面活性剤でも「アニオン界面活性剤」、「カチオン界面活性剤」、「両性界面活性剤」に分類されます。

界面活性剤のタイプによって、使用用途や洗浄力が色々です。

ストーマは、皮膚とは違います。
大腸です。
そして大腸表面には粘液が分泌され、ムチンと呼ばれる粘膜で覆われています。
ムチンは、糖たんぱく質です。
糖たんぱく質は、イオン性界面活性剤をよく吸着します。
洗浄力が強い界面活性剤で洗うのは不安です。
なので、ストーマの洗浄には、非イオン性界面活性剤の選択が良いかもしれません。

また、抗菌成分、殺菌剤配合の泡せっけん、というものが市販されています。
皮膚はバリアー性があるので、そのような洗浄料の皮膚への使用は問題ないでしょう。
でも、大腸粘膜に使用するのはどうでしょう?
殺菌剤である硝酸ミコナゾールの膣粘膜からの吸収性に関する論文があります。
それによると、投与量の5~10%が粘膜から体内に吸収されるとのこと。
抗菌剤、殺菌剤を含むソープは、ストーマ洗浄には使わないほうがよいように思います。
そもそも、洗浄料の界面活性剤の作用で除菌されるのですから。

*

ということで、ストーマ装具の交換時には、皮膚とストーマを同時に洗浄しますが・・・
このまま今使用している、弱酸性で、洗浄力がマイルドな非イオン性界面活性剤で、抗菌成分や殺菌剤が入っていないもの、で良いなと思っています。

それから実際には、KenUは、入浴時に身体を洗うのと同時に、ボディーソープでストーマ周囲の皮膚をもう1回洗っています。
皮膚保護材(シレッセ スプレー)をしっかり落としたいし、清拭料で洗っただけは物足りない感じがするので。
ちなみに、使っているボディーソープは、Dove RICH Care(ダヴ リッチケア)シアバター&バニラ ボディウォッシュです。 香りが好き。(※これでストーマは洗いません。)

——–
[2016/6/1記事追加]
上記ボディーソープのpHを測定した結果、pH7.0付近でした。
——–

これまで、とくに問題はありません。
毎回、ストーマと皮膚をよく観察して、状態に応じてケアすれば良いと思います。

ハビナース 清拭料 泡タイプ/10676 500ml
 ←Amazonで見てみる。

*

余談ですが、ここで下痢便に関して、一石を投じたいと思います。

ストーマケアを調べていてよく目にするのが、「下痢便はアルカリ性だから、弱酸性の皮膚への刺激が強く、かぶれを起こす。」というもの。

しかしそれは、このブログ記事の「うんちpH」での説明とは逆のことを言っています。
下痢便は、水分が多いし、黄色っぽいから、アルカリ性ではなく弱酸性のはず。

十二指腸や小腸から分泌される消化液は、たしかにアルカリ性です。
それによって胃酸(pH1.5~2.0)が中和される訳ですが、でも、十二指腸のpHは4.0~7.0であり、アルカリ性にはなりませんし、小腸内のpHは6.0~8.0であり、必ずしもアルカリ性になるという訳ではありません。

下痢便の黄色っぽい色は、肝臓で生成されて十二指腸に排出される、黄褐色でアルカリ性の胆汁によるものです。
だからといって下痢便がアルカリ性であるという理由にはなりません。

そして、下痢というのは、食べて消化されたものの腸内通過速度が早い、すなわち、便の水分が腸から体内に吸収されにくい、ということです。
だから水分を多く含んだままの下痢便になるんですね。

また、腸内通過速度が速いということは、胃酸もアルカリ性の腸液で中和されにくくなる。
だから、pHが低くなるんですね。

逆に・・・
ゆっくりと便が通過すれば、腸液(アルカリ性)に触れる時間が長くなって、胃酸がアルカリ性になりやすい。
ゆっくりと便が通過すれば、水分が時間をかけて体内に吸収されて、硬い便になる。
そう考えると、カルピスさんやテクノスルガ・ラボさんが言っていることと、つじつまが合いますよね。

また、消化が悪いものを食べると下痢をするというのは、①ヒトが消化できなかったものを腸内細菌が消費し、②有機酸が産生され、③pHが低下し、④弱酸性になり、⑤腸が刺激されて、⑥蠕動運動が活発になり、⑦腸内通過速度が速くなる、ことからなると言われています。

下痢便中の消化酵素の影響が言われていることについては、酵素活性が高くなる至適pHは弱アルカリ性であり、弱酸性の下痢便では酵素活性は低くなるので、影響は小さいのでは?

下痢便がストーマケアにとって良くない理由は、皮膚のマセレーションと脆弱化?

以上、下痢便は弱酸性かアルカリ性か?
どちらが正しいと思います?
反論をお待ちしております(笑

************** 関連記事 **************

人工肛門ストーマ装具交換の動画をアップしてみた。

pHと硬度は本当はどれがいい?ミネラルウォーター比較一覧表とグラフを作った。

外出のときのストーマ洗浄用に清拭料をミニ泡ポンプボトルに詰替えてみた。

夾雑物のない純粋な大腸粘液のpHを測定してみた。

人工肛門から出る便のpHとストーマ用品のpHはどれくらい?

ロート製薬のケアセラ®はストーマ洗浄に使えるか?

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カテゴリー:ストーマ, 健康, 医療

KenUの直腸癌切除術と入院中の備忘録

まあ、手術後はとにかく色々とありました。
普通ではめったに起きないことがたくさんです。
今回は記事というよりも、個人的に記録しておきたいことをメモするもので、特に読みどころはありません(笑。

前半はつまらないので、気が向いたら後半の“同室のおもしろかった入院患者さんの話”を読んでみて下さい。

*

“入院から退院まで”

5/22 入院
お臍ふき、シャワー、ニフレックス(経口腸管洗浄剤)、下剤、術前説明、麻酔医からの説明(A先生かわいい^^)

麻酔説明 あかね先生の文字

麻酔説明 A先生の文字

5/23 手術
初めての麻酔と手術。
硬膜外麻酔の準備は全く痛くない。
あっという間に眠らされ、目覚めさせられた時には時間が経過したという感覚がない。

腹腔鏡手術で直腸、肛門、リンパ節を切除。
人工肛門(ストーマ)造設。
およそ5時間の手術。
鼻、お尻、おちんちん、お腹に管が入り、背中にはエピドラ。そして酸素マスク。
術後は意外にも元気。TVが見られる程。

5/24PM 激しい胃痛
十二指腸潰瘍時にも経験のなかったみぞおち辺りが張り裂けるような激痛。
エピドラも痛み止めの点滴もH2ブロッカー?も効かない。

5/25AM 赤茶色っぽい液体を嘔吐
ビニール袋1袋分(1.5L)くらい。

5/25PM 検査と処置
造影剤CT後、腸閉塞の疑いで鼻の穴からイレウス管を小腸まで挿入。
小腸の奥まで通すまで30分を要す。
途中、鼻腔から注入した麻酔が切れて、おえっとなって涙目に。
追加麻酔で収まる。
イレウス管は入れっぱなしで小腸液をドレン。

5/26 車椅子上で意識喪失
腹部レントゲンを撮影するために病室からレントゲン室まで車椅子で移動し、撮影の順番を待っている間に意識を失う。

5/28 2回目の手術
腸閉塞が自然回復する見込みがないと判断。
緊急手術(開腹手術)。
直腸癌切除術で生じる臓器除去後の空間を縫合して埋めたところの1cmにも満たない隙間に小腸が入り込み、血流が遮断されたため小腸が壊死。
壊死部を切除し小腸を縫合。

小腸閉塞手術説明図

小腸閉塞手術説明図

5/30 エピチューブを抜去
エピドラから点滴の鎮痛剤のみに。

鼻から胃まで入れたカテーテルから青汁のような緑色の液体が出てくる。
見ていて気持ち悪い。う~俺はプレデターか?

5/31 歩行訓練開始
めまいがしたため、立って足ふみだけで終了

6/1 歩行訓練
洗面所まで歩行できたので、尿道カテーテルを抜去。

6/5 体温上昇(38.5℃)
造影剤CTとエコー検査。
原因はっきりとせず尿路感染の疑いで抗生物質の点滴投与。

尿道カテーテルを抜去するまでの期間が長かったことが原因か?
または、術後の神経障害による排尿困難が原因か?

6/14 退院
その他、ストーマ装具からの便漏れの影響で開腹手術の縫合部が化膿し、ドレンのため切開していたので、自宅で傷の洗浄と上皮化の処置を継続。

(前日6/13に改めて主治医からの退院前説明を受ける。切除した臓器の病理組織検査による確定診断の結果、ステージ2の癌だったとのこと。)

6/15夕方 腹痛
左下腹部が痛い。きんたまを蹴られた時の痛みに近い。
風呂に入った時に原因がわかった。
左側の睾丸が腫れている。
睾丸自身も痛い。
ネットで調べると、恐らく精巣上体炎。

6/17 外科外来
38℃の発熱。
睾丸が痛くて歩けない。 持ち上げると痛みがやや治まる。

6/19 泌尿器科外来そして即入院
39℃の発熱。
検査結果は精巣上体炎。
外科入院時の尿路感染が治りきっていなかったのかも。
エコー検査の結果では排尿困難ではないとのこと。
抗生物質での点滴治療。

6/26 退院
退院後は経口の殺菌剤を服用。

*

ただでさえ、ストーマになって精神的にも肉体的にも疲弊しているのに、よくもまあ次から次へと合併症が起きること。

KenUは運に見放されました。

でも、運が良かったことと言えば、切除した臓器の病理組織検査の結果、直腸表層のみで裏まで突き抜けていない癌だったため抗がん剤投与は必要ないとのことでした。

***************

“同室のおもしろかった入院患者さんの話”

外科での入院中のKenUの隣のベッドにいた年配の患者さんが面白かったので、出来事をノートにメモして妻と筆談して笑っていたのでその内容を書きます。

*

(1)隣のおじさん、時々独り言で「(入院)飽きた」とつぶやいています。

ある日の隣のおじさんと女性看護師さんとの会話のメモ
おじさん:「飽きた」
看護師:「・・・・・」
おじさん:「家に帰れば待ってる女がいるんだ。」
看護師:「そうなんだぁ。奥さんとか家族はいないの?」
おじさん:「家族はいない。」

妻とKenUの筆談
妻:「待ってる女って、なにこれ?!」「でもさ~、毎日、午後6時頃に世話しにくる人いるよね? 顔が似てるから息子さんだと思うんだけど。」
KenU:大爆笑

*

(2)隣のおじさん、自分で歩けるくせに食事の時にいつも看護師さんにコップに飲料水を汲んできてもらっています。

妻とKenUの筆談
KenU:「自分で汲みに行けよ!」「KenUは歩きたくても歩けないからうらやましいのに贅沢だ。」「それか、待ってる女にお願いしろよ(笑)」
妻:「ほんとだよねぇ~! 女の人・・・こないねえ~!!」

*

(3)隣のおじさん、同室の患者さんの検温や処置に来た女性看護師さんを大した用もないのに必ず呼び止めます。

隣のおじさんと女性看護師さんとのいつものやりとりメモ
おじさん:「看護婦さん。」
看護師:「・・・・・」
おじさん:「看護婦さん。」
看護師:「今こちらの患者さんの処置をしているからね。」
おじさん:「看護婦さん。」
看護師:「終わったら聞きますから待っててくださいね」
おじさん:「看護婦さん。」かなりしつこい(笑
看護師:「・・・・・」

しばらくして、終わってから。
看護師:「はい終わりましたよ。何ですか?」
おじさん:治療とは関係の無いどうでも良いことを話す。

妻とKenUの筆談
KenU:「ただの女好き。」「看護婦さんと話したいだけじゃん(笑)」
妻:「“看護婦さん”と呼んだとき・・・、看護婦さんのうんざりした顔つきを見てしまった。」
KenU:笑

*

(4)隣のおじさん、看護師さんが病室にくると本当によく喋ります。

KenUが女性看護師さんに検温、spO2測定しているもらっているときのおじさん撃沈メモ
おじさん:「看護婦さん。看護婦さん。」いつものように呼ぶ
看護師:「はい、○○さん何ですか?」
おじさん:「この人なんの病気で入院してるの?」
看護師:「それは言えないんだよね~。」
おじさん:「いいじゃん。」
看護師:「教えない。」
おじさん:「なんで?」 しつこい(笑
KenU:「あのね、看護師さんには守秘義務っていうのがあるから言えないんですよ。」
KenU:「看護師さん、僕が自分の口から言う分にはいいですよね?」
看護師:「ええ、まあ・・・」
おじさん:「なに?」
KenU:「直腸がん」
おじさん:「・・・・・・・・」沈黙。静かになった(笑

妻とKenUの会話
妻:「笑」
KenU:「泣く子も黙る何とかだからね。」

*

(5)ふとんは病院のですが、タオルケットは必要であれば各自用意して使用して良いことになっています。

同室の患者さんが女性看護師さんにタオルケットをかけてもらっていた時の会話のメモ
おじさん:「看護婦さん。」いつもどおり呼ぶ
看護師:「は~い」
おじさん:「おれもタオルケットほしいなぁ~。」
看護師:「自分の家から持ってきてくださいね。」
おじさん:「病院のタオルケットかと思った。」「じゃあ、我慢すっかな。」

妻とKenUの筆談
KenU:「我慢するんじゃなくて、ほしかったら息子らしき人にもってきてもらえよっ!(笑)」
妻:「“待ってる女の人”に連絡して持って来てもらえばいいのに・・・」「遠いのかな? それとも夢の女か?」
KenU:笑

後日、見かけたことのない年配の男性がタオルケットを届けに来た(笑

*

(6)同室の患者さん同士雑談することがある。

同室の患者さんと隣のおじさんの会話のメモ
同室の男性:「毎日、お見舞いに来る人は息子さん?」
おじさん:「そう。息子。」
同室の男性:「体格いいねぇ~」

妻とKenUの筆談
KenU:「やっぱり息子だったんだね。」
妻:「第一印象は、で、でかい!って思った。 そして、顔を見て・・・似てる、親子だ!と思った。」
KenU:「家族いるじゃん!」(笑)

*

(7)KenUは術後やたらとおしっこが近くて、夜中1~2時間おきにトイレに排尿にいっていました。そしてわかったこと。

妻とKenUの筆談
KenU:「隣のおじさん、たぶん、睡眠時無呼症候群だと思う。」「夜中、何度も息してなかったし。」「いつも昼間に眠たそうにしてるし。」
妻:「それって、危なくないの?」
KenU:「さあ?」

*

(8)隣のおじさん、数日前に体のどこかに入れていた菅を抜きました。

ある日の隣のおじさんと女性看護師さんとの会話のメモ
おじさん:「看護婦さん」
看護師A:「何ですか?」
おじさん:「いつ体の管抜いたんだっけ?」
看護師A:「えーと、2日前ですね。」

翌日、別の看護師さんに・・・
おじさん:「看護婦さん」
看護師B:「○○さん、な~に?」
おじさん:「いつ体の管抜いたんだっけ?」
看護師B:「ちょっとまってね。3日前だね。」

KenUのメモ
KenU:「今日もまた違う看護師さんに同じこと聞いてるし。」「女の人にかまって欲しいだけだな。」「しかも、それを聞いて何がしたいんだろう?」

*

(9)隣のおじさんいよいよ退院。 北川景子似の女性看護師さんが同室の患者さんの検温と血圧測定に来ています。

隣のおじさんと女性看護師さんとの会話のメモ
めずらしくおじさんは看護師さんを呼びません。
そして、看護師さんが同室の他の患者さんの血圧測定が終わってから呼びました。
おじさん:「看護婦さん」
看護師:「何ですか?」
おじさん:「俺の血圧測らないの?」
看護師:「今日、退院するから。」と一言だけ(笑
おじさん:「・・・・・」

*

(10)そして、いよいよ隣のおじさんが退院する時がきました。
いつもの息子さんと、もう一人はじめて見る年配の女の人が来ていました。

おじさん達がいなくなってからの妻とKenUの会話
妻:「女の人来たね。」
KenU:「待ってる女か?」(笑)
妻:「息子さんの奥さんかな?」
KenU:「いや、自分の奥さんじゃない?」「だって、女の人はおじさんに対して結構タメ口だし、いたわりの言葉も無いし。」「不思議なのは、一度も見舞いに来なかったよね。」「もしかしたら、奥さんと仲が良くないから架空の待ってる女を作り上げたのかも」
妻:笑

*

とにかく隣のおじさんには笑ってしまいました。
開腹手術後でただでさえお腹が痛いのに、笑い過ぎて死ぬほどお腹が痛かったです。

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