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世界の人工肛門オストミー製品を調べてみた。

某調査会社の市場調査レポートによると、
・2014年、2015年とで、新規ストーマ造設、永久ストーマ患者数の伸び率は低下
・人工肛門装具の市場規模はおよそ160億円
とのこと。

KenUの試算では・・・
一人あたりストマ装具代のみにかかる費用が、月平均7,500円として、年間90,000円になり、
“日本国内オストメイト人口”と”表面的数字に表れないオストメイト人口”と”自治体など災害対策備蓄分”を合わせた24万人分を市場規模として計算すると、216億円。

う~ん、どちらにしても、市場は小さいっ!!
国内でストーマ関連ビジネスを展開している企業の経営は大丈夫なのでしょうか?

*

メーカーが良いストーマ製品を開発するモチベーションは、市場規模の拡大です。
しかし、予防医学や医術が進歩してストーマ人口が減少すると、ストーマ装具市場規模は縮小します。

市場規模が縮小すると、革新的な製品の開発が停滞します。

また、市場が縮小すると、淘汰される企業がでてくるはず。

そう考えたときに、「いったい世界にはどれくらいのオストミー製品のメーカーがあるのだろうか?どんな製品があるのだろうか?」といった興味が沸いたので、調べてみました。

*

まず、Ostomy Products(ストマ装具メーカー)とStoma Care Accessory(ストマアクセサリーメーカー)に分けて一覧表にします。

世界のオストミー製品メーカー

とりあえず世界18社のストマ装具メーカーをピックアップしました。
これらのうち、国内では日本法人または代理店がある7社(表中番号1,2,4,5,7,12,17)の製品が購入可能です。

*

さらに、上表の企業を
(1) メーカー・企業名
(2) 会社概要(メーカーサイトAbout us, Facebookなどを参考にKenUが独自に編集)
(3) 創業国
(4) 海外サイトURL(※比較的オストミー製品にたどり着きやすいURLにしました。)
(5) 技術・製品ブランドなどの一例
(6) YouTube動画があれば埋め込み(※あっても、えぐい動画、イマイチな動画は切り捨て)
という内容で以下に整理してみました。

****************
オストミー製品
****************

*1
(1) Alcare(アルケア)
(2) メディカルケア(ウンド、オストミー、ナーシング、運動器)、ホームヘルスケア、スポーツ&セルフケア用品の開発並びに製造・販売、輸出入
(3) 日本
(4) http://www.alcare.co.jp/user/product/stoma/index.shtml
(5) Cellcare(セルケア), Youcare(ユーケアー)

*2
(1) B.Braun(ビー・ブラウン)
(2) 医療関連製品の製造・販売を行っている企業グループ
(3) ドイツ
(4) https://www.bbraun.de/de/produkte-und-therapien/stoma.html
(5) Softima 3S(ソフティマ3S)
(6)

*3
(1) CliniMed(クリニメッド)
(2) 医療市場に専門の製品とサービスを提供する7つの企業で構成さる英国の企業グループ
(3) http://www.clinimed.co.uk/
(4) 英国
(5) Aura(オーラ), Hyperflex(ハイパーフレックス)
(6)

*4
(1) Coloplast(コロプラスト)
(2) 人工肛門、泌尿器科、コンブレンス、および創傷ケアに関連する医療機器およびサービスを開発、製造、販売する国際企業
(3) デンマーク
(4) https://www.coloplast.com/#countryselector
(5) BodyFit Technology(ボディーフィットテクノロジー), SenSura(センシュラ ミオ)
(6)

*5
(1) ConvaTec(コンバテック)
(2) 創傷治癒、スキンケア、オストミーケア、コンプライアンス、クリティカルケア、輸液などの分野で製品とサービスを提供する国際的な医療製品およびテクノロジー企業
(3) 英国
(4) https://www.convatec.co.uk/stoma-care/
(5) Mouldable Technology (モルダブルテクノロジー), Esteem(エスティーム), Natura(ナチュラ)
(6)

*6
(1) Cymed (サイメッド)
(2) 通気性、防水性、薄型薄型デザイン、他にはない快適さなどの利点がある、革新的なマイクロスキンオストミーパウチングシステムを製造
(3) http://www.cymedostomy.com/
(4) 米国
(5) Micro Skin(マイクロスキン)

*7
(1) dansac(ダンサック)
(2) http://befr.dansacimage.com/
(3) 全てのエネルギーと資源をストーマケアだけに注ぎ、ストーマケア関連製品の開発・製造・販売に専念している国際的な企業
(4) デンマーク
(5) Nova(ノバ)

*8
(1) Eurotec(ユーロテック)
(2) 1996年に設立された、オランダの唯一のストーマ器具メーカー
(3) https://www.eurotec.eu/
(4) オランダ
(5) Fleximate(フレクシメイト)

*9
(1) Flexicare Medical(フレクシケアメディカル)
(2) 医療機器の設計、開発、製造における35年以上の経験を持ち、医療機器の供給において世界的に高い評価を得ている英国の大手メーカー。
(3) http://www.flexicare.com/products/ostomy
(4) 英国
(5) Coloset(コロセット)
(6)

*10
(1) FOR LIFE(フォーライフ)
(2) 1990年にベルリンで操業を開始した、30ヶ国以上に輸出している高品質のオストミー製品を開発、生産している企業。
(3) https://www.forlife.info/en/
(4) ドイツ
(5) STOMOCUR(ストモカー)

*11
(1) Genairex(ジェンエアレックス)
(2) 20年近くにわたり、高品質のオストミー器具および付属品のフルラインを提供
(3) http://www.securitusa.com/our-products
(4) 米国
(5) Securi-T(セキュリ ティー)

*12
(1) Hollister(ホリスター)
(2) オストミーおよびストーマケア、失禁ケア、創傷ケア、産科、身元確認製品の分野をリードする企業
(3) http://www.hollister.com/en?hl=en
(4) 米国
(5) Moderma Flex(モデルマフレックス), New Image(ニューイメージ)

*13
(1) Marlen Manufacturing(マーレンマニュファクチャリング)
(2) 1952年に創立され、最も包括的かつ革新的な製品ラインナップを提供する、米国で活動している最も古いオストミー企業
(3) http://www.marlenmfg.com/
(4) 米国
(5) UltraMax(ウルトラマックス)

*14
(1) Ostomy SuperSan(オストミースーパーサン)
(2) 最新の人工肛門、創傷ケアおよび排泄製品に特化した革新的な医療機器および技術企業
(3) http://www.ostomysupersan.com/
(4) 米国
(5) Built in Check Valve technology

*15
(1) Safe n’ Simple(セーフエヌシンプル)
(2) オストミーおよび創傷治療市場で、手頃な価格で優れた品質の多種多様な医療製品を提供
(3) http://www.sns-medical.com/ostomy-care.html
(4) 米国
(5) なし

*16
(1) Salts Healthcare(ソルトヘルスケア)
(2) オストミー製品、装具を製造する英国最古の家族経営の製造会社
(3) http://salts.co.uk/United-Kingdom/Our-Products.aspx
(4) 英国
(5) Confidence(コンフィデンス), Flexifit(フレキシフィット)
(6)

*17
(1) TG Eakin Limited(ティージーイーキンリミテッド)
(2) ストーマや創傷ケア用の高品質の皮膚保護製品の製造に専念する医療機器メーカー
(3) http://www.eakin.eu/
(4) 英国(北アイルランド)
(5) ストーマシール(Cohesive・コヘッシブ), 粘着剥離剤(Release・リリース)
(6)

*18
(1) Torbot(タルボット)
(2) 50年以上にわたり、独自のオストミー製品群を製造し、スキンケア、創傷ケア、失禁を扱う主要なブランドの製品ラインナップを提供
(3) https://www.torbot.com/
(4) 米国
(5) Atlantic(アトランティック)

 

****************
ストーマケアアクセサリー
****************

*1
(1) NB Products(エヌビープロダクツ)
(2) 市場で最も人気の高いオストミー消臭剤を1998年2月に市場に導入。
(3) http://www.nascent4u.com/
(4) 米国
(5) パウチ消臭剤(Na’Scent・ナッセント)

*2
(1) Opus Healthcare(オーパスヘルスケア)
(2) Alliance Pharmaceuticals Ltdの一部門で、ストーマケアアクセサリー製品の開発、調達、流通および販売を専門
(3) http://www.opus-healthcare.co.uk/
(4) 英国
(5) パウチ消臭剤(NaturCare・ナチュルケア), 粘着剥離剤(Lift Plus・リフトプラス)
(6)

*3
(1) Trio Ostomy Care(トリオオストミーケア)
(2) 最先端のシリコン技術による世界で初めてのシリコンベースオストミーケア用品のリーディングサプライヤ
(3) 英国
(4) http://trioostomycare.com/
(5) 粘着剥離剤(Elite・エリート), ストーマシール(Siltac・シルタック)
(6)

*4
(1) 3M(スリーエム)
(2) 46のテクノロジープラットフォームを使用して、顧客と協力して画期的な開発を行う、世界的な科学企業
(3) http://www.3m.com/
(4) 米国
(5) スキンケア製品(Cavilon・キャビロン)
(6)

*

いろいろと調べてみて、元コンバテックのストマ製品開発技術者が企業したメーカーがあったり、予想通り大腸がん大国の米国の企業が多かったり、コンバテックのシレッセ皮膚被膜剤は元々はトリオの製品だったり、おもしろかったです。

なお、3Mは、オストミープロダクツメーカーの分類に加えませんでしたが、ウレタンフィルムを基材にしたハイドロコロイド皮膚保護材のロール状の原反(げんたん)を製造販売しています。
もしかしたら、3Mの原反を装具に加工して販売しているだけの会社もあるかも知れません。

実は、国内には、某メーカーのフィルムドレッシングを面板の形に切断して、ポリ袋を取り付ける加工をして、使い捨てストマ装具として販売している個人がいます(笑
もちろんフィルムドレッシングメーカーもそのような使用を許可・保障しているわけではありません。
めちゃめちゃ安いですが、構成と使用材料の特性から考えて、使い物にならないことは想像に難くありません。

また、あえてピックアップしなかったメーカーが数社あります。
会社名とその理由を書いてみると・・・
・Nu-Hope Laboratories: 非粘着性のベルトで固定するユニークなパウチングシステムだから。
・Austin Medical Products: おそらく運動時に使うもので、ストマにかぶせる吸収性のおむつのようなパッチ製品だから。
・Perfect Choice Medical Technologies: サイトの出来が悪く素人レベル、会社概要も書けそうになかったから(笑
・Bao-Health Medical Instrument Co., Ltd.: 中国の会社で、サイトにアクセスしようとするとマカフィーの警告がでるから(笑

*

以上、調べただけで、とくに結論はありません(笑

まあ、そんなことを言わずに、最後に付け加えるとすると・・・
KenUは、現在使用している装具で満足しているので、試そうとは思っていませんが・・・

面白いと思った製品は、ソルト社のフレキシフィットというツーピース装具の面板。
数式を示して理論的に理屈を説明した動画があります。

ちょっと興味がある製品は、トリオのシルタックというシリコーン製のシール材。
ハイドロコロイド製品が多い中、めずらしいので。

実際に試してみたい製品は、日本に未導入の消臭剤。
消臭剤のコストは意外にもかかっていますし、選択肢も日本ではアダプトとデオールしかないから。
数か月前にナッセントのサンプルを請求してみたけど、音沙汰なし。
シカトです(笑。
たぶん、日本に取扱い代理店がないからなんでしょうね。

ちなみに、剥離剤、皮膚保護材、パウダーなどのストマケアアクセサリー製品は、コスト的にも性能的にも、今使っているもので満足しています。

************** 関連記事 **************

最近、これはいい!と思ったストーマケアアクセサリー

一品系ストーマ装具のダンサックからホリスターへの乗換えを検討。

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カテゴリー:ストーマ, stoma, 医療

はじめての人工肛門からの大腸内視鏡検査と不安要素

********* 目次 *********
はじめに
不安要素その1 腹部の激痛
不安要素その2 下剤による就寝中の便排出
不安要素その3 腸管洗浄時のストーマ装具からの便排出
不安要素その4 検査当日のストーマ装具の交換
不安要素その5 異常の発見
おわりに
*************************

はじめに

直腸の肛門に極めて近いところに悪性新生物(悪性腫瘍、がん)が生じ、永久的なS状結腸ストーマ(人工肛門)を造設してから、2年3か月になります(関連記事[1])。

既に1年目に、主治医からは、大腸内視鏡検査をすることを薦められていましたが、KenUは断り続けていました。
しかし、さすがに2年目は断りきれなくなり、8/19に生まれて初めてのストーマからの内視鏡検査を受けたという訳です。

不安なことだらけで、検査当日までの数週間は、そればかり考えてとても憂鬱でした。

という訳で、KenUが検査までにどんなことを考え、どのようにして検査に臨み、そして、どんな結果になったのか記事にしたいと思います。
※すみません、長い記事なってしまいました。

なお、本記事を読み進めるに当たって、病院によって検査のやり方、説明、対応が異なると思いますし、ストーマの種類の違い、個人の考え方や心情やパーソナリティーの違いもありますので、批判・誹謗中傷はご遠慮ください。

*

不安要素その1  腹部の激痛

まだお尻に穴(肛門)があった頃に、そこから内視鏡を2回ばかり入れた経験があります。

1回目は、痔の手術時に医師が目視で直腸の腫瘍を発見したので、翌日まで絶食して内視鏡を入れました。
病理組織検査用の腫瘍組織サンプル採取が目的だったので、入れたのは直腸までで、ほとんど痛くありませんでした。

2回目は、その腫瘍が悪性と分かり、転院先の病院で精密検査のために、大腸のいちばん奥・盲腸まで入れました。
このときは、S状結腸とコーナー部分を通すときに超激痛で、途中で「まじやめて」と思いましたし、「死んだ方がまし」、「2度とこの検査は受けない」と思いました。
なので、今回の検査でも激痛にならないか、とても不安だったわけです。

そして今回、検査前に、検査技師さんと付添いの看護師さんに上記の話をして、
「途中でやめてと言ったら、やめてもらえますか?」と聞いたところ、了解してもらえました。

結果としては、痛みは、下痢したときの腹痛程度でした。
その理由が、検査技師さんの手技が上手だったからなのか?、天然肛門ではなく人工肛門だったからなのか?、内視鏡挿入時の身体の姿勢が違うからか?についてはわかりません。

ちなみに、検査直前に、胃カメラを飲むときと同じく、ブスコパン注20mgを肩に注射しました。
これはアトロピン系製剤で、副交感神経の神経節に作用し、消化管・胆のう・尿管・膀胱など管腔臓器の痙れんを和らげて疼痛を除く作用があります。
ストーマからの内視鏡の挿入は、仰向けにまっすぐ寝た体勢で行いました。

検査後、看護師さんに、「今回くらいの痛みでしたら、また検査を受けても良いと思いましたか?」と質問されてしまいました(笑

*

不安要素その2 下剤による就寝中の便排出

検査2日前の晩と検査前日の晩に下剤を服用します。
つまり、就寝中に大量の排便が起こって、ストーマ装具パウチがパンパンになって便漏れが起こらないか?という不安がありました。

でも、結果的には、検査当日の未明まで全く排便はありませんでした。
というのは、検査2日前の朝から、下剤も飲んでないのに頻繁な排便がはじまって、トイレに4回もいって腸内の便を出し切ってしまったんですね。
通常このパターンが起きると2日は便が出なくなるので、ラッキーでした。

余談ですが・・・
検査2日前は普通に食事をしても良いということだったので、昼食にはこれ↓を食べました。

丸亀製麺おろし醤油うどんとイカ天
丸亀製麺のおろし醤油うどんとイカ天

店の説明では、おろし醤油うどんにはテーブルに置いてある「だし醤油」をかけ、天ぷらには「だしソース」をかけるということですが、KenUにはそれがいまいちです。
個人的には、おろし醤油うどんには「かけうどんのつゆ」、天ぷらには「だし醤油」をかけるのがベストで、ねぎをたっぷりと乗せるのが大好きです。
それから、うどんは消化もよいし、イカ天のイカ自身も低脂肪高タンパクで胃酸とトリプシンで分解されやすくて消化は良いので、大腸検査前食としては好適ではないかと考えています。
※生やりいか100g中、水分79.7g、たんぱく質17.6g、脂質1.0g、炭水化物0.4g(2010日本食品標準成分表・文部科学省より)

ただし、多量のねぎと天ころもは消化によろしくないですけど(笑

それから、夕食は、ごはんもおかずもいつもの半分に控えました。
また、下剤(薬)を飲むので、アルコールも控えました。

*

不安要素その3 腸管洗浄時のストーマ装具からの便排出

腸管洗浄剤を服用して、便の排出がどのようになるのか、まったくイメージできなかったんです。

ストーマから、ちょろちょろと出続けるのか?不定期的にある程度の量がまとまって排泄されるのか?
どのくらいの間隔で、どのくらいの量が排泄されるのか?
ストマパウチからの排出の仕方とタイミングはどうなるのか?
など。
肛門があった頃のように、排泄物を肛門括約筋でとめることができないから。

とりあえず、楽に処理するためには、腸内にできるだけ便をためて置かないこと、前日は消化の良いものを食べること、が良いであろうと考えられたので実践しました。

病院からの指示は、「検査前日は、残渣の少ない食事を摂ってください。」「野菜、果物、海藻類、キノコ類、種のある物は控えてください。」です。

ということで、検査前日の食事メニューは、検査食を参考にして(関連記事[2])・・・
朝食/クリームチーズマフィン(1個)、水
昼食/おにぎり(海苔なし、小2個)、永谷園のお吸い物(具は残す)、水
夕食/中華がゆ(茶碗半分)、味付き鶏肉(2切れ)、インスタント味噌汁(具なし)、水、チョコチップクッキー(2個)
で我慢しました。
もちろん、アルコールは控えました。

で、結果としては、操作は忙しかったですが、順調に便の排出処理ができました。

*

では、腸管洗浄、便排出の経過をレポートします。

・検査当日の2:30頃から排便が始まる(固形~泥状)→朝まで放置
・朝7:00起床、コップ一杯の水を飲む
・いったんパウチから便をトイレに排出
・はみがき、ひげそり
・経口腸管洗浄剤(モビプレップ)と水を準備

モビプレップ

・トイレ向かいの階段に座り込み、iPhoneをいじりながら、7:45からモビプレップ服用開始

モビプレップの飲み方と便の排出パターンは下の写真のとおりでした。
※飲み方は、説明書と病院からの指定の飲み方とで違っていたので、KenU的に調節しました。

モビプレップ飲み方と排泄状況
↑画像をクリックすると別タブで拡大表示できます。

補足:採血もあり12:00までに病院に行かないといけないので、少し早めに服用を開始しました。検査は13:00。
上写真の飲む時間は、飲み終わる時間の目安にして、パウチから便を排出するタイムロスを考えて少しハイペースで飲みました。

パウチからの排出は、200~300mLくらい?溜まってからにしました。※溜めすぎると、排出操作がやり難くなると思います。
なお、KenUがメインで使用しているパウチの最大容量は実験で確かめています(関連記事[3])。

6杯目の水を飲み終えて、4回目の排泄をしたときには、透明な綺麗な水溶便になりました。

7杯目のモビプレップを飲み終えて、5回目の排便も綺麗な透明だったので、8杯目のモビプレップはパスして、9杯目の水を9:45までに飲み終えて終了しました。
そのときは、トイレに残りのいろはすのボトルとiPhoneを持ち込んで、便座に座って、パウチの排出口を開いて便器に垂らして、水様便を垂れ流しの状態にして10:15までトイレにこもっていました。
その後、いったんパウチの排出口を閉じて、その後11:00までに300mLくらい水様便がたまったので排出し、念のため、余っていたダイアモンドのサンプル(関連記事[4])をパウチ内に入れて病院に向かいました。
結果的に、それ以上水様便は出なかったのでダイヤモンドは活躍できませんでしたけど(笑

*

余談ですが・・・
水溶便は断続的に出たり、ちょろちょろと連続的に出たりしました。
排泄し始めの固形状や泥状の便は、排出後パウチ内を拭かずに便が付着したままにしておいても、後から出てくる水様便で洗えば綺麗になります(笑
なので、パウチの排出口の部分だけ拭きます。

それから、「ここまで必ず飲む」の言いつけを守らなかった理由は、モビプレップの説明書に1L服用途中で排泄液が透明になったら服用を終了してもよいと書いてあったのと、モビプレップがメチャメチャ不味かったから。
一口飲んで吐きそうになりました。
梅ドリンクとピクルスを合わせて水で薄めたような味で、においもへんな酸味臭がします。
これを飲まなければならなかったことは、今回の検査における何よりの拷問でした。
もう、二度と・・・死んでも飲みたくないです(笑
個人的には、ニフレックスのほうが我慢できます。

*

不安要素その4 検査当日のストーマ装具の交換

検査当日は、ストーマ装具はどうしたらよいのか?

換えを用意していくように言われただけで、どんな手順になるのか前もって詳しい説明がなかったんです(というか検査室の看護師さんではなかったので、どのような手順になるのか説明できなかったのだと思います)。

検査当日までに、下剤の影響で下痢をして交換が早まらないか?、腸管洗浄の水様便で面板が溶けないか?など、わからないことばかり。
結果としては、火曜日の晩に交換して、検査まで装具は持ちこたえました。
※お金がかかりますが、毎日交換してもよいくらいの気持ちでいた方が気が楽かもしれません。

それから、「内視鏡検査室の看護師さんは、ストーマ外来や外科の看護師さんと違って、たいしたことはしないだろうなぁ」という予測のもと、自分でメンテナンスキット(関連記事[5])、(関連記事[6])を用意し、面板はあらかじはさみで穴を切って行きました。
それで大正解!!
※なお、手袋と不織布ガーゼは、言えば病院でもらえるので不要でした。

ストーマ装具交換用セット

*

では、検査室でのやりとりです。

看護師:「頭をあちら側に向けてベッドの上に横向きに寝てください。」
KenU:「あのぉ~。お尻からじゃなくて、ストーマなんですけど。パウチはどうしたらよいですか?」
看護師:「そうだったんですか。私が外してもよろしいですか?」
KenU:「できます?」
看護師:「はい。このまま剥がして痛くないですか?」
KenU:「いや、ちょっと待って。リムーバ使わないと。剥がした後は、洗浄してくれるんですか?」
看護師:「ストーマ外来みたいに洗浄ボトルなどは置いていないので、拭くだけです。」
KenU:「やっぱりそうですよね。そう思って道具を用意してきたので、自分で剥がして自分で洗ってもいいですか。」
看護師:「はい、わかりました。どうぞこれ(ビニール袋、不織布ガーゼ)を使ってください。」
KenU:「ビニール袋をお腹に貼り付けたいのでテープありますか?」
看護師:「優肌絆でいいですか?」
KenU:「はい。それから、不織布ガーゼを濡らしてもらえますか?」
看護師:「ぬるま湯で濡らしてきますね。」
KenU:「有難うございます。」

そして、ブラバ剥離剤スプレーを使って手早く面板を剥がして、手袋をはめてハビナース清拭料で手早くストーマを洗浄して(関連記事[7])、ぬらした不織布ガーゼでよく拭き取りました。
ちなみに、ストーマは水様便で洗われて綺麗になっていたので、便臭はしませんでした。

検査後は、ストーマとその周囲が検査で使用したゼリーでベタベタになっているので、ぬらした不織布ガーゼでよく拭き取って、手早くストーマ装具を装着しました。
なお、腸内は空っぽで便が出ることがないので、消臭潤滑剤は帰宅してからパウチに入れました。

*

不安要素その5 異常の発見

がんの再発が見つかるのかどうかが一番の不安ですが、もし見つかったら、それはそれで苦しい思いをしてでも検査を受けた意義があります。

異常が見つかる方がよいのか、見つからない方がよいのか、とても複雑で微妙な気持ちです。

じつは、以前のがんの精密検査の内視鏡検査ときに、S状結腸に直径8mmのポリープが見つかり、その場で切除したという経験があります。

結果的には、今回の検査では、再発やポリープなどの異常は見つからなかったということで、ほっとしました。

*

おわりに

以上、スラムダンクの「湘北の不安要素その4!!素人・桜木!!」田岡監督風にまとめてみました(関連記事[8])。

ということで、はじめてのストーマからの大腸内視鏡検査を無事に終えることができました。

検査自体は、短時間だけ軽度の腹痛があっただけで、それほど辛いものではありませんでした。

辛かったのは、検査前の自主的な食事制限とモビプレップの服用かな。
でも、食事制限をしたおかげで、腸管洗浄を比較的楽にできたのではないかと思っています。

最後に・・・

お尻の穴から内視鏡を入れられるよりも、ストーマからのほうが良かったことが一つあります。

それは、「犯された感」がなかったことです(笑

************** 関連記事 **************

[1]KenUの直腸癌切除術と入院中の備忘録

[2]大腸注腸検査の前日は、仕事は無理。検査時の感覚は・・・

[3]人工肛門ストーマパウチからのトイレでの便の出し方

[4]イレオストミー用の消臭・吸収ゲル化剤をコロストミーが使ってみた。

[5]外出のときのストーマ洗浄用に清拭料をミニ泡ポンプボトルに詰替えてみた。

[6]今頃ですが、ストーマからの排便キットを作りました。

[7]人工肛門ストーマ装具交換の動画をアップしてみた。

[8]何故今SLAM DUNK (スラムダンク)なのか?

***********************************

カテゴリー:ストーマ, 健康, 医療

人工肛門から出る便のpHとストーマ用品のpHはどれくらい?

さて、以前「夾雑物のない純粋な大腸粘液のpHを測定してみた。」という記事を書きましたが、今回は、自分のストーマから排泄したいろいろな性状の便のpHと、いろいろなストーマ用品のpHを測ってみました。

ストーマスキントラブルについて、いろいろなサイトを見ていると、言われていることが違っていたり、あやふやだったり、本当のところどうなのか、自分で確かめてみたくなってしまったんです。
そして、真実を明確にして、自分自身でいろいろと考察したいと思ったわけです。

※ なお、このブログ記事の実験結果や考察は、”S状結腸ストーマのKenUの場合”であって、他の結腸ストーマ、回腸ストーマ(イレオストミー)に当てはまるかどうかは分からないということを、先に申し上げておきます。また、ここでいう下痢便とは、上行結腸ストーマやイレオストミーの水様便とは異なるものです。

記事は専門的な内容なので、恐らく、一般の方が読んでもちっとも面白くないと思いますから、興味のある方だけどうぞ。 便の写真はだしていませんから、安心してください(笑

 

********* 目次 *********
1. ブリストルスツールスケールについて
2. 人工肛門からの排泄便の性状とpHの関係
3. 種々のストーマ用品のpH
・ストーマパウダー
・創傷被覆保護材
・ストーマ装具面板(皮膚保護材)
・消臭潤滑剤
・洗浄料(ボディーソープなど)
4. ストーマスキントラブル(ストーマ周囲皮膚炎)について
5. 余談
6. 参考文献
*************************

1. ブリストルスツールスケール(ブリストルスツールチャートともいう)について

便の形(性状)は、ブリストル便尺度(図1)によって、Type1の硬いコロコロ便からType7の水様性の便に分類され、便が大腸を通過する時間と相関すると言われています。

図1 Bristol Stool Scale ( Bristol Stool Chart )

図1 Bristol Stool Scale ( Bristol Stool Chart )

上行結腸の便は下痢状になっていて、そこから横行結腸に進んで、「シャトル運動」によって横行結腸の中を往ったり来たりしながら徐々に水分が吸収され、便は硬くなっていきます。(参考文献1)
腸の大蠕動(だいぜんどう)が起きると、素早いものは横行結腸の便を1分足らずで直腸まで運んでしまうそうです。

*

2. 人工肛門からの排泄便の性状とpHの関係

以前と同様に、アズワンのスティックタイプのpH試験紙(測定レンジpH5.5~9.0)(写真1)で、ストーマパウチに排泄されたKenUの便pHを測定しました。

写真1 アズワン スティックpH試験紙

写真1 アズワン スティックpH試験紙

なお、硬い便(水分が少ない便)は、そのままではpHが測定しにくい場合があったので、日本薬局方 精製水を少量加えて柔らかくしてからの測定も行いました。

表1に、便のpHを測定した日、測定した時間、排泄した便のブリストル便尺度、色及びpHを示しました。

ちなみに、排泄するたびに測定したわけではなくて、比較的出したてほやほやのタイミングで測定できるときに実験しました。
朝に便が出ることが多いですが、真夜中にたくさん出ることもあります。

表1 KenU のストーマからの排泄便の性状とpH

表1 KenU のストーマからの排泄便の性状とpH

参考までに、6月12日に測定したpH6.0の尿とpH7.0の便のpH試験紙は、写真2です。

写真2 尿pH6.5(左)、便pH7.0(右)

写真2 尿pH6.0(左)、便pH7.0(右)

それから、わかりやすいように、便のTypeとpHの関係をグラフにしてみました(図2)。

図2 ブリストルスケールとpH (※Typeは数値ではないので、本来は回帰直線と相関係数を示すことは不適切ですが、Open OfficeのCalcでもこういうことができますよという紹介のため示しました。)

図2 ブリストルスケールとpH (※Typeは数値ではないので、本来は回帰直線と相関係数を示すことは不適切ですが、Open OfficeのCalcでもこういうことができますよという紹介のため示しました。)

下痢便のpHは酸性側に傾き、硬い便のpHはアルカリ性側に傾き、相関性があるのがよくわかります。
また、論文ではイレオストミーの便は酸性の傾向がある結果が得られています。(参考文献2)

今回の結果は、同一人物の便を用いた個体差のない実験であり、学術的に面白いのでは?

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3. 種々のストーマ用品のpH

写真3 ストーマ用品pH測定実験器具

写真3 ストーマ用品pH測定実験器具

実験試料の調製は、水道水ではなく、日本薬局方 精製水(健栄製薬、Lot.P6H48、Exp.2020.4)を使いました。

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ストーマパウダー

まず、ストーマパウダー(写真3)の1%水溶液を調製してpHを測定しました。

試料:
・ブラバパウダー[試供品]Lot.1907、Exp.不明(2年前にもらったのもので使用期限切れかも?)
・ストマヘッシブ プロテクティブ パウダー(バリケアパウダー)Lot.4K096、Exp.2017.10

写真4 ストーマパウダー1%水溶液pH測定結果(左から、ブランク、ブラバパウダー、バリケアパウダー)

写真4 ストーマパウダー1%水溶液pH測定結果(左から、ブランク、ブラバパウダー、バリケアパウダー)

ブラバパウダーはpH6.0~pH6.5(使用期限切れの可能性あり参考値)、バリケアパウダーはpH5.5の弱酸性(写真4)。
ということで、バリケアパウダーは皮膚pHに近い結果でした。

通常KenUは、装具交換時にストーマと面板との間にできる隙間にバリケアパウダーをふりかけて使用しています。

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創傷被覆保護材

褥瘡治療にも使用される抗菌性創傷被覆保護材(写真5)の水溶液を調製してpHを測定しました。

試料:
・コンバテック アクアセルAg(ConvaTec AQUACEL Ag)Lot.3J00171、Exp.2015.09(使用期限切れ)

写真5 アクアセルAg溶解

写真5 アクアセルAg溶解

写真6 創傷被覆保護材のpH測定結果(左から、ブランク、アクアセルAg)

写真6 創傷被覆保護材のpH測定結果(左から、ブランク、アクアセルAg)

今回測定したアクアセルAgは、使用期限切れだったので参考値ですが、pH5.5の弱酸性でした(写真6)。

このサンプルは、ストーマ造設術後の入院中に、不良肉芽の影響で面板の下に水溶便が漏れやすかったので、WOCナースさんがストーマ周囲に巻いてくれていたものの残りです。
そのときに、ストマ周囲の皮膚がびらんになりそうなとき、びらんになってしまったときには、この抗菌性を有するAg(銀)含有の創傷被覆保護材での処置方法は適切かつ効果的なのだろうなと思いました。

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ストーマ装具面板(皮膚保護材)

ストーマ装具皮膚保護材の水溶性成分を精製水で溶かした溶解液のpHも測定してみました。

試料:
・ホリスター ニューイメージ FWFテープ付き(14203)Lot.5K252、Exp.2020.11
・ダンサック ノバ1 フォールドアップ(824-15/10)Lot.5E285、Exp.2020.04

写真7 ストーマ装具面板溶解

写真7 ストーマ装具面板溶解

面板がわずかに浸る程度に精製水を入れて溶かしました(写真7)。

写真8 面板溶解液pH測定結果(左から、ブランク、ホリスター ニューイメージFWF、ダンサック ノバ1)

写真8 面板溶解液pH測定結果(左から、ブランク、ホリスター ニューイメージFWF、ダンサック ノバ1)

ニューイメージFWFもノバ1も、同じpH5.5でした(写真8)。
ブラバパウダーとも同じpHで、皮膚に近い弱酸性を維持するためということがわかります。

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消臭潤滑剤

ストーマパウチの中に入れる消臭潤滑剤(写真3)そのままのpHを測定しました。

試料:
・コロプラスト デオールLot.C601、Exp.2019.02
・ホリスター アダプトLot.4H272、Exp.2016.08

写真9 ストーマ装具消臭潤滑剤pH測定結果(左から、ブランク、デオール、アダプト)

写真9 ストーマ装具消臭潤滑剤pH測定結果(左から、ブランク、デオール、アダプト)

デオールは大腸粘液と同じpH9.0で((参考文献3)←参照リンク)、アダプトはpH7.0(中性)でした(写真9)。

どちらの製品も、面板の粘着面やフランジに付かないようにすることが、使用上の注意に書いてあります。弱酸性ではないから?
ストーマに付くのは問題ないのでしょうね。

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洗浄料(ボディーソープなど)

ボディーソープなどいろいろな洗浄剤(写真10, 写真11)のpHを測ってみました。

試料:
・メルサボン 薬用ハンドウォッシュ(ホイップタイプ) フローラルハーブの香り
・ハビナース 清拭料(泡タイプ)
・コロプラスト ベッドサイドケア(Bedside-Care®No-rinse body wash, shampoo and incontinence cleanser)Lot.4713734、Exp.2017.07(国内未発売、輸入品)
・ダヴ リッチケア ボディウォッシュ シアバター&バニラ
・アルケア リモイスクレンズ

写真10 いろいろな洗浄料

写真10 いろいろな洗浄料

写真11 リモイスクレンズ

写真11 リモイスクレンズ

なお、比較のため水道水も測定したところpH6.5~pH7.0を示し、KenUが居住している市で公表している原水水質試験(検査) 結果とほぼ同じだったので、このpH試験紙で正しく測定できていると思います(写真12)。

写真12 いろいろな洗浄料のpH測定結果(左から、ブランク、水道水、ハンドウォッシュ、清拭料、ベッドサイドケア、ボディーウォッシュ)

写真12 いろいろな洗浄料のpH測定結果(左から、ブランク、水道水、ハンドウォッシュ、清拭料、ベッドサイドケア、ボディーウォッシュ)

写真13 洗浄料のpH測定結果(左から、ブランク、リモイスクレンズ)

写真13 洗浄料のpH測定結果(左から、ブランク、リモイスクレンズ)

ハンドウォッシュはpH8.0の弱アルカリ性でした。KenUはこれで、ストマやストマ周囲皮膚を洗浄することはありません。
ハビナースの清拭料はpH5.5の弱酸性でした。装具交換時のストマとストマ周囲皮膚の洗浄にしています。
ベッドサイドケアはpH6.5~pH7.0、リッチケア ボディーウォッシュはpH7.0付近で、どちらもほぼ中性でした。これらでストマを洗うことはありませんが、ストマ周囲皮膚を洗うことはあります。

リモイスクレンズは、pH5.5の弱酸性でした(写真13)。サンプルをいただいて、試しにストーマ周囲皮膚を洗浄してみただけで、あまりにもオイリーなのに戸惑い、そのときには結局、ハビナースの清拭料でストーマごと洗い直し、さらに周囲皮膚をリッチケアで洗い直してしまいました(笑。
リモイスクレンズは、一応、皮膚pHと同じ弱酸性に製品設計されているのでしょう。

*

4. ストーマスキントラブル(ストーマ周囲皮膚炎)について

「素人が勝手なこと言うな!」と専門家の方々に怒られそうですが、とりあえずKenUなりにストーマスキントラブルに関して考察したいと思います(笑。 ※一応、元R&Dマンなので、それなりに知識はあるつもりです:)

以上のとおり、いろいろなもののpHを測定してみたわけですが、下痢便のpHは弱酸性でした。
そして、下痢便の消化酵素がストーマ周囲皮膚炎に影響すると言われていることに関して、ちょっと疑問に思いました。
ちなみに、一般的に消化酵素という一言で片づけられてしまっていて、具体的にどの酵素か述べられていませんが、膵液由来のたんぱく質分解酵素であるトリプシン、キモトリプシンのことだと思います。

ストーマスキントラブルの原因は、便の性状、皮膚浸軟によるバリアー機能低下が一番のファクターになるのかな?
その根拠として、TTS(低分子、親油性、マセレーション)の話とか、皮膚刺激の話とか、酵素活性の話とか、褥瘡の話とか、いろいろとありますが、割愛します。

参考として、おむつかぶれについて、その原因のうちの一つのメカニズムついて書いてみると・・・

おむつには、便も尿も排泄されます。
尿は弱酸性です。
それに、弱酸性の便が混ざっても弱酸性です。
でも、便中にウレアーゼ産生腸内細菌がいると、尿中の尿素がウレアーゼという酵素で分解されてアンモニアができてアルカリ性になります。
アルカリ性になると、便中の消化酵素が活性化されて、たんぱく質からなる皮膚角質外表層を分解します。(参考文献4) ※下線部は本当? 皮膚の新陳代謝では、皮膚に内在するトリプシン様のたんぱく質分解酵素が、角質細胞同士を接着しているデスモソームというタンパク質を分解することにより、剥離を促して古くなった角質を垢として落とすのですが、便中トリプシンによる皮膚の分解は、それと同様の分解メカニズムなのでしょうか?。エビデンスが見てみたい。 

一方、ストーマの便に関しては、尿が混ざることはないので、酸性の下痢便がストーマパウチ内でアルカリ性になることはありません。
トリプシンの至適pH域はpH8~pH9の弱アルカリ性、至適温度は体温(直腸温:37℃)ですが(参考文献5)、ストーマパウチ内はどちらかというと室温に近く、皮膚表面温度は32℃と体温より低めで、便は弱酸性なので、消化酵素の活性は低くなると考えられます。
そのうえ、下痢をすること自体の原因が、消化酵素の働きが悪く、たんぱく質をアミノ酸レベルにまで分解しきれないため、ということも酵素活性がかなり失われていることを説明する根拠です。

ということで、下痢便によるストーマ周囲皮膚炎の主原因は、消化酵素以外の別の違うところにあるのではないかと思います。
ストーマスキントラブルについて「pHが・・・」とか「消化酵素が・・・」とか言ってしまうと、どうにも対処のしようがなく、また本質的な原因が見えなくなってしまい、正しい説明と正しいケアができなくなってしまうので注意が必要だと思いました。

以上、ストーマ周囲皮膚炎の本当の原因は何なのか?大変興味があるKenUでした。

*

5. 余談

実は、尿と便を混ぜると、時間経過でpHがどのように変化するのかも実験しています。
自分のうんちとはいえ、こねくり回すのは気持ち悪かったなぁ(笑

結果は・・・衝撃的で、公表すると炎上しそうなので教えないことにします。

*

真夜中に便が出て、ストーマパウチの処理をしているうちに、目が冴えてきます。
そして、寝不足になって、日中の仕事中に眠たいの何の。

排便が不規則になると、生活リズムが狂います。
眠くて我慢できずに20:00頃に寝てしまうと、3:00前には目が覚めるし。
こういったところが、オストメイトであるKenUの悩みの一つでもあります。

*

今回の実験で悩んだのが、便の色の表現。

ネットでカラーチャートとかWeb色見本とかを見てみたけど、ピンとくるのが見つからなかったんです。
現物は、ツヤがあって、鮮やかな色だから。

ミルクチョコレート色とかビターチョコレート色とか結構近いイメージの色もあったけど、多分、それを言われても各個人でイメージする色が違いますよね?
明治のアーモンドチョコレート色とか特定してしまえば分かりやすけど、自分自身が、どのチョコがどんな色をしていたかなんて覚えてないし。

というわけで、実験結果の便の色は、適当にそれっぽい色だったと理解してください。

*

今回の記事に対する、専門家の方からの反論とか、持論とかお待ちしております。
その際には、必ずソース(文献・論文)を示してくださいね。

*

6. 参考文献

1)神山 剛一, 『脊損ヘルスケア・基礎編』 第6章 直腸機能障害, NPO法人日本せきずい基金 2005年刊

2)N. MADANAGOPALAN, S. ARUMUGAN NADAR, AND R. SUBRAMANIAM, Variation in the pH of faeces in disease, Gut, 1970, 11, 355-357

3)KenU, 「夾雑物のない純粋な大腸粘液のpHを測定してみた。」, IKINARI LARC blog,  https://goo.gl/On75sJ (May 26, 2016)

4) Irritant diaper dermatitis, From Wikipedia, the free encyclopedia, https://en.wikipedia.org/

5)Trypsin, From Wikipedia, the free encyclopedia, https://en.wikipedia.org/

************** 関連記事 **************

夾雑物のない純粋な大腸粘液のpHを測定してみた。

ストーマ装具を交換するときに、どんな皮膚洗浄料を使用するのが良いか?

外出のときのストーマ洗浄用に清拭料をミニ泡ポンプボトルに詰替えてみた。

ストーマ装具の選定と便排出処理するのにこんなのが欲しい!

人工肛門ストーマパウチからのトイレでの便の出し方

足の親指の爪の脇が化膿して痛いときのKenUの治療法

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カテゴリー:ストーマ, 医療

夾雑物のない純粋な大腸粘液のpHを測定してみた。

ストーマ周囲皮膚炎の原因を研究していくうちに、大腸粘膜のpHが知りたいと思い実験しました。

というのは、研究者や専門家でさえ、健常者から糞便や細菌や消化液などの混じり気のないピュアな大腸粘液を採取するのは不可能だということに気が付いたからです。

そして閃いたのが、私KenU自身の下行・S状結腸ストーマ(人工肛門)から純粋なピュアな粘液を採って測ればいいじゃんって(笑。
ストーマは大腸そのものなんだから。

ということで、pHを測定してみたので記事にしたいと思います。

もしかしたら、この実験結果は世界初かも?
*

[実験方法]

pH測定には、アズワンのスティックタイプのpH試験紙(測定レンジpH5.5~9.0)を使用しました。

AS ONE Special Test Paper pH5.5-9.0

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まず、弱酸性の泡タイプ清拭料(ハビナース)でストーマとその周囲皮膚を綺麗になるまでよく洗浄しました。
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洗い方は、以前書いた記事「人工肛門ストーマ装具交換の動画をアップしてみた。」の埋め込み動画を見てください。

なお、清拭料のpH測定結果は、家庭用品品質表示法 施行令・規則 雑貨工業品品質表示規程(消費者庁HPより←参照リンク)の区分の弱酸性に当てはまり、pH5.5以下(写真1:左から2番目のスティック)を示しました。
pH3.0未満・・・・・・・・・・・・・酸性
pH3.0以上~6.0未満・・・・弱酸性
pH6.0以上~8.0未満・・・・中性
pH8.0以上~11.0未満・・・弱アルカリ性
pH11.0以上・・・・・・・・・・・・アルカリ性

写真1 清拭料及び水道水pH測定結果(左から、ブランク、清拭料、水道水)

写真1 清拭料及び水道水pH測定結果(左から、ブランク、清拭料、水道水)

また、水道水(通常pH7.0前後)のpH測定結果では、pH7.0を示したことから(写真1:左から3番目のスティック)、このpH試験紙による測定結果の確からしさが確認されました。

洗浄後のストーマは、シャワーのお湯で十分に洗い流しました。

少しの時間放置してから、ストーマに不織布ガーゼ(メディコム、15cmX15cm)を被せました(写真2)。
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写真2 ストーマ粘液のサンプリング

写真2 ストーマ粘液のサンプリング

不織布ガーゼをゆっくりと引き剥がすと、無色透明な粘液が付着しました(写真3)。

写真3 大腸のピュア粘液

写真3 大腸のピュア粘液

*

[実験結果]
上記のようにして採取した夾雑物のない純粋な大腸粘液のpH測定結果は、pH8.5~9.0でした(写真4:右のスティック)。

写真4 ストーマピュア粘液pH測定結果(左:ブランク、右:粘液)

写真4 ストーマピュア粘液pH測定結果(左:ブランク、右:粘液)

*

ということで、大腸粘液の液性は、先述のpH区分の基準でいうと、弱アルカリ性ということになります。
ほかの基準にあてはめれば、アルカリ性とも言えます。
その点については、過去記事「pHと硬度は本当はどれがいい?ミネラルウォーター比較一覧表とグラフを作った。」を見てください。

また、この結果は、腸内通過速度が速い下痢便が酸性なのに対して、腸内通過速度の遅い便のpHが高くなることと関連がありそうだということがわかりました。

*

余談ですが・・・

下痢便は、海外の専門サイトや論文では、酸性と言われていて、それが常識のようです。

また、KenUも自分の下痢便や硬い便のpHを測定してデータを収集しているところですが、確かに下痢便は酸性でした。

後日、論文のソース、KenUの便の測定結果なども含めて、「ストーマ周囲皮膚炎の原因研究結果」に関する記事を書きたいと思いますので、お楽しみに。

*

[2016/05/28 追加]
今日は、ストーマ装具の交換日だったので、大腸粘液pH測定の再現性実験を行いました。

その結果、前回と同じpH8.5~pH9.0であり、再現性が認められました。

また、尿のpH測定も行ってみました。
その結果、pH6.5を示しました。

写真5 尿のpH測定結果(左:ブランク、右:中間尿)

写真5 尿のpH測定結果(左:ブランク、右:中間尿)

2016年3月版の臨床検査基準値一覧では、尿定性試験pH基準範囲(正常値)は、pH4.6~pH7.5、そして、「健常者の尿はほとんどが6.5くらいの弱酸性」(←**********医療センターより)なので、KenUの尿のpHは全く問題ないという結果になりました。

*

最後に、研究用にKenUのピュアな大腸粘液が欲しいという研究者の方はいらっしゃいますでしょうか?

************** 関連記事 **************

人工肛門ストーマ装具交換の動画をアップしてみた。

ストーマ装具を交換するときに、どんな皮膚洗浄料を使用するのが良いか?

pHと硬度は本当はどれがいい?ミネラルウォーター比較一覧表とグラフを作った。

人工肛門から出る便のpHとストーマ用品のpHはどれくらい?

Colonic mucosal pH in human

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カテゴリー:ストーマ, 医療, 未分類

外出のときのストーマ洗浄用に清拭料をミニ泡ポンプボトルに詰替えてみた。

さて、以前「ストーマ装具を交換するときに、どんな皮膚洗浄料を使用するのが良いか?」という記事を書きましたが、今回、海外の皮膚洗浄料を輸入してみたので、記事にしたいと思います。

ebay.comから輸入したのはこれ↓

Coloplast Bedside-Care No-rinse body wash, shampoo and incontinence cleanser

Coloplast Bedside-Care No-rinse body wash, shampoo and incontinence cleanser 4 fl. oz./118 ml

Coloplast Bedside-Care(コロプラスト ベッドサイドケア←参照リンク:米国コロプラストHP)※日本国内では未販売。
$5.57 USD +$4.99 USD ( 配送手数料 )=合計 $10.56 USD ( ¥1,286 JPY)
※外貨換算レート: 1 日本円 = 0.00821576 米国ドル

別にフォーム(Foam:泡)製品もありますが、ちょっと高かったのでこちらにしました。

*

これを購入することになる事の起こりは、3月と4月と遠出する予定があり、旅行用に持ち運びできる清拭料があったほうがいいのかな?と思ったからなんです。

国内のコロプラスト製品には、「シルティ 水のいらないもち泡洗浄」( 180ml、¥1,980/本)というのがあります。
でも、国内品を購入せず、あえて海外品を購入してみた理由はつぎのとおり。

1.ストーマ先進国で販売されている製品がどのようなものか知りたかった。
2.pH-balancedと書いてあり、根拠はないが、なんとなく良さそうに思った。
3.興味本位で、普段使用しているものと異なる製品を試してみたかった。

*

はい、さっそく使ってみました。

手のひらにシュシュとポンピングして液を出して、手でこすって泡立てればいいだろうと思ったのですが、ほとんど泡立ちません。

泡立たないまま、無理やりストーマとストーマ周囲皮膚を洗ってみたけど、泡にならないので滑りが悪くて、とても洗い難かったです。
お湯を付け足ししながら、ぬるぬるにしてあげないと洗えませんでした。

しかも、香料のにおいがきつい。
いかにも外人向けという感じ?のにおいです(笑

また、無駄な物を買ってしまいました(汗

とまあ、これでおしまいならブログ記事にはしません。

*

ここからが本題です。

ああ、そうなのか。

わざわざボトルの清拭料を買わなくても、世の中にはこんなものがあるのね。

起泡できる小さなプッシュポンプ容器が。

泡工房 プチハンディ 30ml
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コロプラストベッドサイドケアを詰め替えてみると・・・

Coloplast Bedside-Careのミニ泡ポンプボトルによる起泡

Coloplast Bedside-Careのミニ泡ポンプボトルによる起泡

おっ!

しっかりと泡立つではありませんか。

ストーマもうまく洗浄できました。

注意:泡ポンプは、どろどろっとしたボディーソープには使用できないかも。

*

そして、グラフィックソフトとインクジェットプリンターでボトルラベルを作ってみました。
※ハビナースは画像コピーで作成。 コロプラストのほうは、ドローソフトで作成(フォントが違うけど)。

清拭料ミニ泡ポンプボトルラベル作成

清拭料ミニ泡ポンプボトルラベル作成

これで、普段づかいの清拭料も持ち運び可能ですっ!

あっ、清拭料文字下の500mLを30mLに修正するの忘れたぁ~(笑

*

最後に・・・

ベッドサイドケアは、ストーマ洗浄にはもう使わないかも。
ストーマ粘液に吸着しやすい成分がいろいろと配合されているので、ちょっと不安。

殺菌剤:塩化ベンゼトニウム0.1%配合

成分:

ラウロアンホ酢酸Na(両性界面活性剤、シャンプー、身体洗浄剤)
コカミドプロピルベタイン(ヤシの実オイルが原料の両性界面活性剤)
グリセリン
ポリソルベート20(食品添加物、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、乳化剤)
クオタニウム-52(陽イオン界面活性剤、4級アンモニウム塩、洗浄剤)
クエン酸(pH調整剤)
クオタニウム-15(陽イオン界面活性剤、4級アンモニウム塩、防腐剤)
香料
EDTA-4Na(エチレンジアミン4酢酸ナトリウム、金属イオンキレート剤、製品劣化防止)
緑5(着色料)

ボトル裏面の説明書を読むと、この製品の本来の目的は、会陰の糞、尿の清拭みたいです。

************** 関連記事 **************

ストーマ装具を交換するときに、どんな皮膚洗浄料を使用するのが良いか?

人工肛門ストーマ装具交換の動画をアップしてみた。

ストーマパウチにあまり変なもの入れたりしないほうが良いと思いますが・・・

人工肛門から出る便のpHとストーマ用品のpHはどれくらい?

はじめての人工肛門からの大腸内視鏡検査と不安要素

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カテゴリー:ストーマ, 医療

ストーマ装具を交換するときに、どんな皮膚洗浄料を使用するのが良いか?

2015年のブログもこれで書き納めです。

タイトルについては、はっきりと、これが一番良い、という結論は出ていません。
でも、バックグラウンドを調べてみて、今自分が使っているもので良いのだろう、と考えられたので、記事にしてみます。

*

さて、人工肛門保有者のみなさんは、ストーマ装具交換時の洗浄は、どのようにしていますか?

KenUは、洗浄力がおだやかな弱酸性の泡タイプの清拭料を使用して、ストーマと周囲の皮膚を洗浄し、その後お湯で洗い流します。(入浴直前にお風呂場でします。)

これは、病院で教わった方法で、術後の寝たきりのときにも看護師さんにそのようにされていましたし、ストーマ外来でWOCナースさんにもやってもらっている方法です。

ikinarilarcのYouTube動画でも紹介しています。

*

さて、まずは、pHについて。

健康な肌のpHは、4.5~5.5(弱酸性)。
(出典:皮膚のpH測定テスト、サイエンス株式会社)

「皮膚が弱酸性だから、弱酸性のせっけんで洗うのが良い」と誤解されていますが、pHの問題ではなくて、洗浄力が穏やかで皮脂を除去し過ぎないものが、皮膚を傷めにくいということのようです。

もし、皮膚のpHと同じpHの洗浄料で洗うのが良い、という理屈になってしまうと、ストーマはストーマと同じpHの洗浄料で洗わなければいけない、ということになってしまいます。

では、ストーマ(大腸粘膜)のpHっていくつなの?

——–
[2016/6/1記事修正]
下に示した文献のpHはあてにならないことが分かりました。
KenUが自分で実測した結果では、pH8.5~pH9.0でした(関連記事のリンク参照ください)。
——–

直腸粘膜pHは、7.31±0.17。※消化器疾患のない対照群
(出典:日本消化器病学会雑誌 潰瘍性大腸炎の直腸粘膜pH値 Vol. 83 (1986) No. 2 P 165-169)

でも、腸内は、種々のpHのうんちが触れているから、必ずしもpH7.3付近の洗浄料を使用しなくても大丈夫なはず。

では、うんちのpHは?
成人の便は、pH5.5~pH8.0。
その範囲を超えることは、ほとんどない。
便の部分によるpHの差がある。
水分が多く、有機酸も多いと、便pHは低くなる傾向がある。
(出典:カルピスよくあるご質問 http://www.calpis.co.jp/flora/qa/ )

腸内のpH が低いほど便の色は黄色っぽく、pH7.0(中性)を越えると茶色っぽく、pH8.0(弱アルカリ性)になると黒っぽくなる。
(出典:糞便中pH測定、株式会社テクノスルガ・ラボ)

*

次に、ストーマケアについて。

『ABCD─Stoma®ケア』(←参照リンク)というのをご存じですか?
一般社団法人 日本創傷・オストミー・失禁管理学会で編集しています。

ストーマケアに従事している医療者とオストメイトが、ストーマ周囲皮膚障害の重症度を客観的に評価できるスケール(ものさし)を用い、適切なスキンケア方法を導き出すツールです。

その中からいくつかピックアップすると・・・

皮膚障害の原因の一つに、”排泄物の付着”があげられていて、その要因に”皮膚保護材の浮き”があげられています。
「水分・油分がのこったままで装具装着をしている。」場合に皮膚保護材が浮きやすくなることから、「弱酸性の洗浄剤を用いて皮膚洗浄し、十分に洗い流す。」がケア:実践・指導の内容になっています。

また、皮膚障害の別の原因に”感染”があげられていて、その要因に”不適切なスキンケア”があげられています。
「装具交換時に皮膚洗浄を実施していない。」場合には、「装具交換時は、洗浄剤を用い十分に皮膚を洗浄する。」がケア:実践・指導の内容になっています。
ここでは、とくに「弱酸性の」とは書かれていません。

*

さらに、洗浄力について。

洗浄料の主な洗浄効果成分は、界面活性剤と呼ばれるものです。
界面活性剤には、いくつかのタイプがあり、「イオン性界面活性剤」 と 「非イオン性界面活性剤(ノンイオンとかノニオンとも言う。)」とに大別されます。
さらに、イオン性界面活性剤でも「アニオン界面活性剤」、「カチオン界面活性剤」、「両性界面活性剤」に分類されます。

界面活性剤のタイプによって、使用用途や洗浄力が色々です。

ストーマは、皮膚とは違います。
大腸です。
そして大腸表面には粘液が分泌され、ムチンと呼ばれる粘膜で覆われています。
ムチンは、糖たんぱく質です。
糖たんぱく質は、イオン性界面活性剤をよく吸着します。
洗浄力が強い界面活性剤で洗うのは不安です。
なので、ストーマの洗浄には、非イオン性界面活性剤の選択が良いかもしれません。

また、抗菌成分、殺菌剤配合の泡せっけん、というものが市販されています。
皮膚はバリアー性があるので、そのような洗浄料の皮膚への使用は問題ないでしょう。
でも、大腸粘膜に使用するのはどうでしょう?
殺菌剤である硝酸ミコナゾールの膣粘膜からの吸収性に関する論文があります。
それによると、投与量の5~10%が粘膜から体内に吸収されるとのこと。
抗菌剤、殺菌剤を含むソープは、ストーマ洗浄には使わないほうがよいように思います。
そもそも、洗浄料の界面活性剤の作用で除菌されるのですから。

*

ということで、ストーマ装具の交換時には、皮膚とストーマを同時に洗浄しますが・・・
このまま今使用している、弱酸性で、洗浄力がマイルドな非イオン性界面活性剤で、抗菌成分や殺菌剤が入っていないもの、で良いなと思っています。

それから実際には、KenUは、入浴時に身体を洗うのと同時に、ボディーソープでストーマ周囲の皮膚をもう1回洗っています。
皮膚保護材(シレッセ スプレー)をしっかり落としたいし、清拭料で洗っただけは物足りない感じがするので。
ちなみに、使っているボディーソープは、Dove RICH Care(ダヴ リッチケア)シアバター&バニラ ボディウォッシュです。 香りが好き。(※これでストーマは洗いません。)

——–
[2016/6/1記事追加]
上記ボディーソープのpHを測定した結果、pH7.0付近でした。
——–

これまで、とくに問題はありません。
毎回、ストーマと皮膚をよく観察して、状態に応じてケアすれば良いと思います。

*

余談ですが、ここで下痢便に関して、一石を投じたいと思います。

ストーマケアを調べていてよく目にするのが、「下痢便はアルカリ性だから、弱酸性の皮膚への刺激が強く、かぶれを起こす。」というもの。

しかしそれは、このブログ記事の「うんちpH」での説明とは逆のことを言っています。
下痢便は、水分が多いし、黄色っぽいから、アルカリ性ではなく弱酸性のはず。

十二指腸や小腸から分泌される消化液は、たしかにアルカリ性です。
それによって胃酸(pH1.5~2.0)が中和される訳ですが、でも、十二指腸のpHは4.0~7.0であり、アルカリ性にはなりませんし、小腸内のpHは6.0~8.0であり、必ずしもアルカリ性になるという訳ではありません。

下痢便の黄色っぽい色は、肝臓で生成されて十二指腸に排出される、黄褐色でアルカリ性の胆汁によるものです。
だからといって下痢便がアルカリ性であるという理由にはなりません。

そして、下痢というのは、食べて消化されたものの腸内通過速度が早い、すなわち、便の水分が腸から体内に吸収されにくい、ということです。
だから水分を多く含んだままの下痢便になるんですね。

また、腸内通過速度が速いということは、胃酸もアルカリ性の腸液で中和されにくくなる。
だから、pHが低くなるんですね。

逆に・・・
ゆっくりと便が通過すれば、腸液(アルカリ性)に触れる時間が長くなって、胃酸がアルカリ性になりやすい。
ゆっくりと便が通過すれば、水分が時間をかけて体内に吸収されて、硬い便になる。
そう考えると、カルピスさんやテクノスルガ・ラボさんが言っていることと、つじつまが合いますよね。

また、消化が悪いものを食べると下痢をするというのは、①ヒトが消化できなかったものを腸内細菌が消費し、②有機酸が産生され、③pHが低下し、④弱酸性になり、⑤腸が刺激されて、⑥蠕動運動が活発になり、⑦腸内通過速度が速くなる、ことからなると言われています。

下痢便中の消化酵素の影響が言われていることについては、酵素活性が高くなる至適pHは弱アルカリ性であり、弱酸性の下痢便では酵素活性は低くなるので、影響は小さいのでは?

下痢便がストーマケアにとって良くない理由は、皮膚のマセレーションと脆弱化?

以上、下痢便は弱酸性かアルカリ性か?
どちらが正しいと思います?
反論をお待ちしております(笑

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足の親指の爪の脇が化膿して痛いときのKenUの治療法

私、KenUは足の親指の爪の脇が化膿して痛くなることがよくあります。

爪周囲炎というのでしょうか、爪の脇が腫れて膨らんで歩くと痛くて、ひどい時には安静にしていても「じんじん」します。

実は、1年6か月前に人工肛門(ストーマ)になってから、これを簡単に治す独自の画期的な治療法(KenU療法と名付ける)を見つけてしまいました(笑
術後から今日までの間になった2回とも治癒に成功しています(現在3回目)。

今日はこっそりと、その方法を教えちゃいます。

ちなみに、自分ではこのようにしているという紹介であって、誰にでも効果があるとは限りませんし、治らなかったり、逆に悪化したりすることもあるかも知れないので、そこのところはご理解ください。
ということで、病院で治療してくださいね。

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さっそく勿体ぶらずに言ってしまうと・・・

ConvaTec(コンバテック)から販売されている、Stomahesive protective powder (ストーマヘッシブ プロテクティブ パウダー、 日本国内販売名:バリケアパウダー)(←メーカーサイト参照リンク)を爪とその下の肉(皮膚)の間にふりかけるだけ。

Stomahesive protective powder(バリケアパウダー)

Stomahesive protective powder(バリケアパウダー)

この治療法では、1日で痛みは抑えられ、3日もあれば治癒します。

バリケアパウダーという商品はストーマケア用の皮膚保護材であり、成分はgelatin(ゼラチン)、pectin(ペクチン)、sodium carboxymethylcellulose(カルボキシメチルセルロースナトリウム、いわゆるCMC Na)から成ります。
浅い熱傷や皮膚潰瘍の治療に使用されるハイドロコロイドドレッシング材と呼ばれる創傷被覆材やストーマ装具面板の皮膚接着部分にも使用されている成分とも同じもの。

KenUは、普段これは、ストーマ装具を交換したときに面板とストーマの間の隙間部分にふりかけるという使い方をしています。

ちなみに、爪周囲炎の原因は細菌感染によるとのことで、病院での治療では化膿止め(抗生物質)の内服をするらしいのですが、バリケアパウダーによる治療では、成分から考えると抗菌作用はなく殺菌による治癒促進ではないと思うので、作用機序は不明です。
まあ、でも、治るので、メカニズム不明でもいいんです。

過去の記事(ストーマ造設後およそ3か月での大きさ変化←参照リンク)にも書きましたが、パウダーの主成分のCMC(カルボキシメチルセルロース, carboxymethyl cellulose)に不良肉芽を縮小する作用があるとKenUは考えています。

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なお、KenU療法では爪周囲炎部分の消毒は不要です。
創傷治療現場では、消毒をすると、細菌だけでなく自分の組織細胞までも殺してしまうので逆に治りが遅延すると言われています。
なので、お風呂で石鹸で足をよく洗ってから水気を拭き取り、爪と化膿した肉の間を手指で押し広げながらバリケアパウダーを隙間にふりかければOK。
それだけ。
ガーゼを貼ったりもしません。
とっても簡単。

KenUの左足親指爪の脇にバリケアパウダーで処置

KenUの左足親指爪の脇にバリケアパウダーで処置

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本題は以上です。
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ついでに書くと・・・

ConvaTec アクアセルAgを爪の下に押し込むという方法もあるかも知れないと、この記事を書きながら思いつきました。
銀イオンによる抗菌作用があり、また、銀含有アルギン酸/CMCは創傷の治癒促進効果があると結論付けているランダム化比較試験があるので。
次回また爪周囲炎になったときに試してみたいと思います。

アクアセルエージー

AQUACEL Ag

どうしてKenUがこれを持っているかというと・・・

入院中に寝たきりで水様便だったときに、面板からちょくちょく便が漏れたので、WOCナースが漏れ防止とスキンケア(肌荒れ予防)を兼ねてストーマ周囲に巻いてから面板を装着するという技をやっていたんですね。
それで、退院時にアクアセルAgを頂戴したという訳です。

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ストーマではない一般の人は、楽天で購入が可能です。

バリケアパウダー 28.3g

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価格:1,390円(税込、送料別)

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